間幕〜秘密基地〜
間幕では私の住む町で語られていないちょっとした場所、エピソードを思い出と共に振り返る。
と言うことになっています。
嘘が本当か信じるかはお任せします。
だって嘘つきのお話ですからね。
今回は秘密基地の山について話そうと思う。
この山は結構な歴史がある山だったらしい。
なんでも、城があったとか。
正直、誰も来ないスッカラカンで面影が全くない。
そんなのあるのを知ったのは中学生時代の歴史の授業の時である。
ある日、何時代だか忘れたけどその時代に差し掛かった時に熱心に教えてくれた。
その先生の授業は結構独特でとにかくインパクトが凄いのでとにかく記憶に残る。
確か最初に教えられたのは中国の時代の名前だった。
2〜3回ぐらい大声で言わされてスッと覚えた。
そんな話はさておき、マニアの間では知る人ぞ知る山らしい。
そんな秘密基地でのエピソードを紹介します。
天狗伝説
と言うエピソードです。少しオカルトが入ります。
これはまず、秘密基地が出来る前の話まで遡る。
小学生の頃に地元の歴史を調べると言う授業で他のグループは透き通った川の生物や歴史について調べる中、私たちのグループ5人は普通でない私の提案で山の歴史について調べることにした。
理由はたしか、川の方を調べるなら現地に行たり役所でパンフレット貰ったりしたらすぐだったのですがそれだけじゃつまらない。他の発表者をあっと驚かせるとかだったと思う。
調べるにあたり、役所でパンフレットを貰うことにしましたが、問題が発生。
無い。パンフレットが。
初っ端から雲行きが怪しくなっていき、まだ子供だった私たちは悩んだ。
すると,役所の人が興味深い話をしてくれた。
あの山には天狗が住んでいると。
私は興奮した。
天狗だぞ。妖怪だぞ。鬼太郎とかで見た記憶があるアレに出会えるのかと思った。
女の子たちは怖がっていたが、私ともう1人の男の子は乗り気で話を聞いた。
役所の人は詳しいことは図書館とか学校の先生に協力してもらってといっていたので
私と男の子は現地調査。女の子たちは大人の力を借りながら図書館で調べ物。
と言う役割になりました。
気分は当時やっていた藤岡ひ○し探検隊だった。
早速、水筒とおにぎり、使い捨てカメラを持って調査を開始。
上りの山道が3つあるので午前中に二カ所午後に一カ所登ることにした。
当時は天狗が本当に居ると信じていたし、ウルト○マンが世界を救ってると思ってたし、サンタはいると思っていた。中国には呪○郷があるとも思っていた。水被って女になりたかった。
話が逸れたがまず、メインの山道を歩くことにした。
片道10分ぐらい。特に何も無かった。
山頂の展望台もいつも変わらずに景色が良かった。
二カ所目は麓にあるお寺のところから、そこは片道20分ぐらいかかり、緩やかだが歩くのがきつかった記憶がある。
こちらも何もなし。お昼のおにぎりを食べて来た道を戻る。
と途中から違和感に気付いた。
男の子が居なくなっていた。
私は山頂に居ると思って引き返した。
男の子がいる気配はない。怖くなってもしかしたら展望台に居るかもと思い、登ることにした。中に入って一歩ずつ階段を登る。
いなかったらどうしよう。もしかしたらメインの方から降りたかもしれない。と頭の中で思いながら下を向いて登っていくと足元に何かを発見した。
黒い何か。
それは鳥の様な足跡だった。
しかもたった一つだけ。鳥にしてはやけに大きく、私の足より少し大きかった記憶がある。
「天狗だ!」
私は叫びすぐに写真に収めた後、一目散に逃げ出した。
メインルートから下山して自転車に乗り家へ向かった。
家に帰ってことの経緯を話しても親は信じてくれなかった。
見間違いだと。
男の子の家にも電話してもらった。
男の子は家にずっといたとの事。
「恥をかかされた」
写真も現像した。手元がぶれてわからなくなっていた。
その日から私は嘘つきになったと思う。
嘘つきはなるものじゃない。誰かが信じなければ、真実だとしてもそれは嘘なのだとそのことを知ったのはもう少し後のお話。
次に訪れたときは足跡が消えていた。
ではあの男の子は誰だったのか、あの足跡は何だったのか。
今となっては分からない。
まるで突風に巻き込まれた様に証拠も男の子も消えてしまったのだ。
いかがでしたでしょか。
私自身、記憶が曖昧で足跡を見た。男の子が居た。
と言う記憶がある。
でも気をつけて欲しい。
普通は知っていると思うが記憶も結構…。
嘘つきですから。