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聖獣。

 あれだけ濃厚だった魔の気配。

 魔の波動。

 それが聖なるマナの波動に変わっていることに気がついたのは、翌朝のことだった。


 結局黒いもふもふ子猫はわたくしとメアリィのお布団で一緒に寝て、朝になると元気に馬車の中をくんかくんか匂いを嗅ぎながら探検して。

 そうしてそのまますっかりくつろいでいた。 


 わたくしたちの旅は馬車が二両、騎乗の騎士様が十数人。御者さんも騎士様が務めるし、馬車を引く馬は二頭になったり三頭になったり、その時々で変わってる。

 騎士様たちは途中で伝令に出たり交代が来たりするから、人数的には数人いつも誤差があるけどだいたいそんな感じ。

 女性はわたくしとメアリィだけ。

 わたくしが乗る馬車は大きめで、普段座るソファーの部屋と後ろにベッドの部屋がある。

 もう一台は基本荷物用。騎士様が休憩で休めるスペースもちゃんとある。


 黒子猫はどうやら男の子で、名前はクロウにした。女の子だったらクロコにするつもりだったけど。

 メアリィからは好評だったから、まあいいかな?

 クロウも気に入ってくれてるっぽいからいいんじゃないかな。


 普段はベッドの上で丸くなって寝てるけど、ふっと気づくとわたくしのそばによりそってくれて。

 クロウって呼ぶと、ちゃんと「にゃぁ」って可愛い声で返事をしてくれる。

 でもってわたくしのお膝の上で可愛く丸くなってくれる時は、思いっきり撫で回しちゃう。

 クロウもそれが気持ちいいみたいで、甘い声でぐるぐるにゃぁと鳴いてくれるものだから、もうたまらなくって。


 撫で回しててわかったけど、この子の中にはどうやら魔石がある。

 魔獣っていうのは本体が魔石、外側はマナでできたガワで、生き物じゃない。

 いわゆる精神生命体な訳だけど、この子はちょっとそういうのとも違う感じ。

 ちゃんと生きている、命を感じるもの。

 どういう事情で体の中にこんな魔石があるのかはちょっとわからないけど、それでも魔獣のように人を襲う存在には見えなかった。


 それに。


 どうやら、最初に感じてた魔の波動。

 この魔石のせいだったのだとしたら……。

 これ、もしかして、わたくしの浄化魔法によって浄化されている、感じ?


 魔石から完全に聖なる波動が出ちゃってる。

 魔石っていうよりも、聖石って言った方がいい? そんなふうに変化しちゃってるみたい。


 とすると、クロウは完全に聖獣? になっちゃってるのかな?


 これは、次に行く国、目的地、ローゼンシュタイン大公国で聖職者の人にちゃんと調べてもらった方がいいかなぁ?

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