表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《WEB版》『お飾り』なんてまっぴらごめんです!  作者: 友坂 悠@書籍化しました!!(電子書籍配信中です!!)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/34

マギア。

 精霊たちは、この世界にいっぱいに、普段は少しだけ位相をかえてちいさくちいさくまるまって存在している。


 そんな精霊を、『ギア』といい、そんな『ギア』に『マナ』を与えることでチカラに変える。彼らの権能によって世界のコトワリに干渉すること、その方法を、『マギア』と呼ぶ。『魔法(マギア)』ね。

 神デウス•エクス•マキナの子ら。そんな精霊たち。


 学院の講義で習ったのはこんな感じだった。


 “神は、この世界にお子達をお遣わしになりました。



 火のアーク。

 水のバアル。

 風のアウラ。

 土のオプス。


 これら四大元素の子らと。


 時のエメラ。

 漆黒のブラド。

 金のキュア。

 光のディン。


 これらの四大天使の子らを。



 物質の化学変化に干渉するアーク。

 物質の温度変化に干渉するバアル。

 空間の位相、位置エネルギーに干渉するアウラ。

 そして、それらの物質そのもの、この空間に物質を創造し生み出すことのできるオプス。


 時空を司るエメラ。

 漆黒の、闇、重力を司るブラド。

 全ての命の源。金のキュア。

 光の、エネルギーそのものを司る、ディン。


 そして、他にも数は少ないですがさまざまな権能を持った神の子らも。



 世界には、神の子ら、精霊達で溢れて居るのです。わたくし達はその精霊達と心を通わせることによって、通常では有り得ない程のチカラを行使することができるのです。それが、この世界における魔法(マギア)の基本的な使い方になります“


 と、そう。


 あらゆる魔法は彼ら精霊の権能の派生。

 そして、そんな精霊と心を通わせることのできる存在、それが聖女と呼ばれた人たちだったのだ。


 わたくしの母も、そう。

 そしてその血はわたくしにも引き継がれていた。


 きっと、帝国の皇帝の血筋には、そういったチカラを持つ人が多かったんだろう。

 帝国の皇帝の家系は何度か変わっていたりする。今でも、もしユリアス兄様に子が出来なかったら? もし、わたくしが出産せずに死んでしまっていたら?

 そうした場合は何代か遡った親族のうち皇帝に相応しい者を選ぶ選挙がおこなわれる。

 そうした選挙権を持つ者が選帝侯と呼ばれる貴族。

 そして、その選帝侯を含め、初代皇帝カエサルの血を引く者が、皇帝として選ばれる素質があると認められるわけ、だけど。


 きっと。そんな初代皇帝の血筋は神の子である精霊たちから愛されているのかもしれない。

 カッサンドラ様をはじめ、優れた聖女はみなそんな皇帝の血筋に連なる者が多かったもの。




 ♢ ♢ ♢


 ふんわりと羽根布団のような空気に包まれながら、地上へと降りた。

 魔道士の塔の横にある王宮の中庭、だ。

 上を見れば、はるか上階の窓から身を乗り出してこちらを見るクレイン。

 わたくしが潰れて死なず、無事に地面に降り立ったのを確認して顔を引っ込めた。

 多分、今大急ぎで階段を降りているのかな?

 あ、だめ、塔の中央にはあまり使われることはないけど、魔具である自動昇降機もあったはず。

 それを使われたらかなり早い時間で一階まで降りられるはず。


 だったら、逃げなきゃ。


 自分の胸元を弄ってみると、あの浮き出たように張り付いてたネックレスの跡が消えていた。

 これなら!


 頭の中に自室のクローゼットを思い浮かべる。

 そして。


 魂のゲートから、マナの手を伸ばす。


 思い浮かべた空間をそのマナの手でぎゅっと掴み、今自分がいる空間と取り替えるようにグルンとひっくり返した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ