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魔神放浪記 ~ドワーフの戦斧を添えて~  作者: ゆずまっちゃ
第2章 ~都市~
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路地裏

 暗い路地裏で立ち止まって、周囲を確認する。人の姿は見えないが、悪臭が鼻に付いた。


「大丈夫か? 足をくじいたりしてないか?」


 ディアベルは肩で息をし、涙ぐんでいる。見るからに辛そうだ。


「……はぁ……はぁ……足は問題ない……じゃが……」


 怖いのだろうか。震えていたフィーネを思い出す。魔神とは言え、こうしてみるとただの女だ。抱きしめると、ディアベルが胸の内で呟いた。


「……うぷっ……気持ち悪い……」


 すぐさま突き放す。


 ディアベルがその場にしゃがみ込んで、情けない声を上げる。


「……うえぇ……しぬぅ……」


「ただの飲みすぎだろーが!」


「……違うんじゃ……急に走らせるから……うえぇぇぇぇ……」


 とうとう吐き出した。このままここに置いていってやろうか。しかしこんなのでも一応は護衛対象様だ。金は貰ってる。金は貰ってるのだ。


 気持ちを切り替えて、路地裏から通りに目を向けた。まだまだ距離はあるが、複数の松明が近付いてきている。やはり追手が増えた。おそらく街にいる追手は今近づいてくる奴らだけじゃない。できればどこの奴らなのか、一人を脅して問い詰めたいが、ディアベルという大荷物を抱えている以上、余裕がない。

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