表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/13

昭和の漫画事情─貸本屋

実名や雑誌名をそのまま書いているので、法に触れているようなら伏せるので教えてください。

 あの頃、少女漫画は「りぼん」と「なかよし」のほぼ独占状態だった。うちは二人姉妹だったので、二冊とも買って読むことができた。付録の取り合いになることもあるが、二つも読めるのだから、姉がいてくれて良かった。

 毎月、景品目当てに感想ハガキを出していたが、当たったことがない。当たるわけないと思いながらも、当選者の欄を毎回隅々までチェックしていた。


 他の漫画が読みたいときは、貸本屋に行った。

 知らない人も多いようだから説明しよう。

 貸本屋とは、文字通り本を貸す店だ。うちの近所にあった古びた小さな店には小説、雑誌、漫画といった色々な種類の本が置いてあった。

 店の中はいつも薄暗く、小説のコーナーにいる大人達は、いつもひっそりと佇ずみ気配を消していた。


 本ごとに借り賃が違い、漫画の単行本が一冊30円くらいだったと思う。会計のときに、おばちゃんがノートに日付と値段を記入する。延滞料はあったのだろうが覚えていない。

 本の発売日には走って店に行った。楽しみにしていた本が借りられてると、一日に何度も覗きに行き、店のおばちゃんに同情されたものだ。

 立ち読みもよくしていたが怒られなかった。しょっちゅう借りていたので、大目にみてくれていたのだろう。

 少年漫画や、普段買わない雑誌の漫画なども、ここで借りたり、立ち読みしたりした。美内すずえ、萩尾望都、竹宮惠子などの名作はここで発掘したようなものだ。


 大人になるにつれ、漫画が好きだと言うと馬鹿にする人が増えてくるのが不思議だった。

 偏見を持ってる人に出会うと「漫画は好きだけど小説も読むよ」と完全武装して会話に挑んだものだ。


 今は、漫画やアニメも文化として尊重されているが、やっぱり「大人のくせに漫画なんて読むのか」と見下す人がいる。

 そんな時は「私は漫画世代だから」と堂々と宣言するようにしている。だからどうしたという感じだが、言われた方は、なんとなく言葉につまるのだ。ぜひ試してみて欲しい。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ