表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私、才能なくてもトップを目指して頑張ります。  作者: あんこミカン
season1 Top争奪編:始まり
4/19

第4歩 Top 3

 「ねえねえ、どうだった?」

 「緊張して全然ダメだった〜。」


 カフェテリアはライブを終えた生徒で賑わっていた。そんな中、イブキのいないヒナミは一人椅子に座っているのだった。親しい人か、先に話掛けてくれるまで他人と話せないコミュ力ウ○コなヒナミにはきつかった。


 「隣、よろしくて?」


 いきなり話しかけられ振り返ると、茶色い髪が腰まで伸びた綺麗な瞳の少女がいた。そして周りを見ると、隣以外の全ての席が埋まっていた。


 「どうぞどうぞ。」


 なんで私に聞くのと思ったが、ちょうどボッチなのでありがたいと思った。


 「貴方、ヒナミさんですわね。わたくしの前で踊っていたので覚えていますわ。」


 「そうだったの…?ですわちゃんの名前は?」


 「ですわちゃんって…。わたくしの名は[紬女(つぐめ)リコ]ですわ。」


 「へー、よろしくね。」


 「ええ。あ、そろそろのようですわね。」


 リコが出入り口の方を見たので、ヒナミも同じ所を見た。すると氷堂がカードのような物を沢山持って入ってきた。


 「はいみんな、注目〜。全員テストライブ終わったね。それじゃあライブでの優秀者を3人発表します。優秀者は特典があるから期待してね。」


 ヒナミが特典という言葉に興味を示した。


 「特典かぁ、何かな。」


 「確か、学食無料とかだったと思いますが…。」


 「はい発表します![響庭イブキ][花園(はなぞの)舞花(まいか)][椎名(しいな)(はるか)]以上!おめでとう!」


 そう言うと、氷堂はカフェテリアの中央に立ち、カードのような物を配り始めた。


 「今配ったのは学生証、またの名を〈アイドルパス〉。だいたいの子はただの白色だと思うけど、top3の子は銀色だね。」


 ヒナミは自分のアイドルパスを見た。確かにただの白い学生証だった。


 「このカードの色は〈アイドルランク〉を表しているよ。詳しいことは今度話すけど、白いカードの子はまだランクなし。銀の子は〈シルバーランク〉だね。じゃあ、明日から学校案内と授業が始まるから、準備してね。では解散!」


 生徒がぞろぞろと寮へ向かい始めた。その中でヒナミはイブキを見つけた。


 「あ、イブキちゃん。おめでとう。すごい人だったんだね。」


 「この方がイブキさんですの?」


 イブキが少し嫌そうな顔をした。


 「あんまり騒がないでよ。ただのTOP3なだけじゃない。」


 「な…勝者の余裕とは腹立たしいですわね。」


 「別に、こんなことが勝利なんて思ってないわよ。」


 二人の間に火花が散り始め、ヒナミはそっと離れた。


 「じゃ、じゃあまた明日ね…。」



 空がオレンジ色になり始めたころ、ヒナミは荷物を持ち自分の寮にやってきた。するとヒナミの部屋のドアの前で楓が立っていた。


 「ヒナミちゃん、来たわね。」


 「えっと、かえで…先輩?でしたよね。私…なにかしましたか…?」


 いきなり部屋の前で立っていた先輩に不安を隠しきれなかった。


 「ヒナミちゃん。私のしたで練習しない?だいたい放課後とか休日になっちゃうけど。」


 「楓先輩のした…。あの、なんで私なんですか…?」


 楓は少し黙ったが、すぐ真面目な顔になった。


 「ヒナミちゃん。あなたには才能があるの。この学年のTOP3だけじゃない…!二年生も、三年生も、あの聖城アリサも超えられる!でもこの学園じゃその才能も埋もれてしまうわ。」


 楓のヒナミの目をみて、手をさし出した。


 「私と一緒に、トップをつかみましょう。」


 ヒナミも楓の目を見た。楓の目はとても輝き、光に満ちていた。そして、自分には才能がある。そう聞いたヒナミはもう、何も考えられなくなった。

ヒナミもまた手をさし出した。


 「はい!よろしくお願いします。」


 この先どうなるのかわからない。そんなこれからの生活に、ヒナミの心は静かに高鳴っていくのだった。

読みづらい名前でごめんなさい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ