表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私、才能なくてもトップを目指して頑張ります。  作者: あんこミカン
season1 Top争奪編:始まり
15/19

第15歩 響庭家のパーティーへ1

 日曜日、ヒナミはイブキが大きな荷物を持って校内ロビーに座っているのを見かけた。


 「どうしたの?その荷物。山籠り?」


 「ちーがーう。今日うちでパーティーすんの。めんどくさいけど参加しないといけないんだよね。」


 「パーティー?」


 「説明しましょう!」


 リコが現れた。


 「響庭(あいば)家は世界的にリッチなところなんですわ。」


 「なにそのフワッとした設定。」


 「そうだ、ヒナミとリコも来る?私と同年代の人いなくて、つまんないんだよね。」


 その時!ヒナミの頭に電気が通った!


 (そういえば、響庭カノンさんはイブキちゃんのお姉さん。もしかしたら会えるんじゃ…。)


 (…とヒナミさんは思ってますわね…。ヒナミさんは舐めてますわ…。上流階級の恐ろしさを…。わたくしがフォローしないと。)


「行く!」

「行きますわ!」


ヒナミとリコはこうして響庭家のパーティーへと向かう事になった。





 「準備できた?じゃあ行くよ。」


 ヒナミとリコが正装の準備を終えると、学園前に長さ20メートルほどのリムジンがやってきた。


 「まじかー。」


 「これ曲がれますの?」




 「ついたよ。」


 慣れない、いや、日本人のほとんどが乗った事のないリムジンを降りると、そこには東京ドームもビックリの巨大な豪邸が待ち構えていた。


 「まじかー。」


 「まさか…こんなに大きな豪邸とは、驚きですわ。」


 警備員が300人ほどいる入場門を抜けると、そこには一般社会(げかい)とは異質の空間が広がっていた。目に入る物が全て輝き、客達は皆フォアグラを食べ、豪華な服を着たトイプードルが踏ん反りかえっていた。


 「見てみてリコちゃん。あの犬偉そう。」


 「ええ、多分あのワンちゃんの服だけで、わたくし達の服と家が買えますわ…。」


 そんなくだらない話をしていると、会場の奥から一人の大男が寄ってきた。ガッシリした体格、蓄えられたヒゲ、綺麗なスーツ。龍◯如くに出てきそうなキャラだ。


 「なんだイブキ、きたのか。」


 「…はい。お父様。」


 (お父様!なにそれ、どうやったらあんなゴリラから美少女が生まれんの⁉︎)


 (ヒナミさん、そんな事思っては失礼ですわ。きっとお母さん似なのでしょう。」


 (いやいや、じゃあなんでお母さんはこんなゴリラと結婚すんの⁉︎」


 (そんなの…玉の輿に決まっているでしょう!ていうか、ゴリラゴリラ言ってると、ゴリラファンにおこられますわよ!)


 以上、ヒナミとリコの脳内会話でした。


 「イブキ、最近はどうだ。」


 「はい、お姉様と同じく、Top3になりました。」


 「そうか。響庭家の名に恥じる結果は残すなよ。お前は[カノン]とは違うのだからな。」


 「……はい。」


 「…挨拶回りはしていきなさい。」


 そう言うと、イブキの父はまた会場の奥へと戻っていった。




 「うわーやな感じ。」


 「シー、聞こえますわよ。あの人は響庭家の党首、[響庭政三郎(せいさぶろう)]ですわよ。一説によればユニ◯ロの社長の2000倍儲けてるとか。」


 「それ、多分うそだよ。でもまさか、イブキちゃん本当に挨拶回りに行っちゃうなんて…。私は…そうだ!カノンさんに会いにきたんだ。ちょっと、探してくる!」


 「ちょっと、ヒナミさん!」


 そういうと、ヒナミは一人リコを置いていき、コミュ障という設定も忘れて飛び出してしまった。


 「……ヒナミさん、地獄を味わいますわ…。」




 その頃イブキは、富豪なおじさんおばさんに挨拶回りをしていた。


 「おお、これは響庭家のお嬢さん、大きくなったね。」


 「はい、最後に会ったのは3ヶ月前ですけど。」


 「これからも我らガツガツドリンクのスポンサー、これからもヨロシクお願いします。」


 「はい…、お父様にお伝えしておきます。」


 イブキがbotの様に、様々な富豪と同じ事を繰り返し話していた。




 「……あのすみません。響庭カノンさん…、どこにいるかわかりませんか。」


 「おお!響庭カノンだって?馬鹿な事を言うんじゃない(笑)。よく見たら君、一般庶民かい?ハハッ、大人しくキャビアでも食ってなさい。」


 「………。」


 これで3回目、ヒナミは地獄を味わっていた。


 「まさか金持ちがこんなに嫌な人達ばっかだったなんて…。ていうかこんなの塩っぱくて食べれたもんじゃないじゃん。回るお寿司のいくらの方がいいもん。」


 ブツブツ文句を言いながらキャビアを食べていると、一人の執事の様な人がカードを配ってきた。


 「響庭家名物、ビンゴ大会です。どうぞ参加してください。」


 「…ビンゴかぁ…。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ