様々なハプログループ
私が今まで扱ってきたハプログループは主にY染色体についてだけど多角的に見る事で見える事もある。多くのこういった他のハプロの失敗は別のものを見ておかしいと思う疑問を持たない点にある。
GM遺伝子の問題は、以前書いたけど、古い中東系を上手く捉えきれない。今の中東系はコーカサス地方との血族と混血した集団のみで、本来の中東系はどちからと言えば黒人に近い。ドラヴィダ、アボリジニー、縄文。これらの民族はイマイチGM遺伝子の調査に乗っからない。日本人には特に不向きなものになる。この問題はアボリジニーを見れば一発で解ける。アボリジニーがGM遺伝子では北方系とされてしまう。特定の南方アジア集団と、コーカソイド、北方モンゴロイドと混血して無いと無視されてしまうのが欠点。
GM遺伝子には例外があって、その例外に日本の縄文集団も入ってるのを知っておくべきである。これ混血の多い大陸では見事なものになってるが、遺伝的に混血の相手になった別集団については実に怪しい。ドラヴィダも南方インドではアーリア人との混血が薄いので、あまりGM遺伝子に反応してる結果になってない。ただドラヴィダは目立つほどじゃなくアーリア人で誤魔化されるのでインドではそれなりには使える。だが、アボリジニーは本当に酷い。どこをどうやったらオーストラリアに住んでる人達を北方系だと言えるのか??南半球では南北逆転だからでは?って理屈でも言いたいのか…。
これは欠点、だが、コーカソイド、南方モンゴロイド、北方モンゴロイド度数ってものが仮にあるなら、これほど的確なものはない。多くの人が気になる人種の形質の違いがもろ出る。日本人は結局縄文人から受け継いだ形質の遺伝子が少ないから無視出来てるとなる。良くY染色体で一重だとか堀が浅いとか下らない話をする人がいるが、そんなもの全く意味が無い。バシキール人を見ろとなる。誰がどう見てもモンゴロイドの人種だが、Y染色体はR1Bが最大比率で出現する。Y染色体は民族の移動を調べるもので、形質を調べるものじゃない。
本来核遺伝子こそがそれをするためには重要だが、GM遺伝子は例外的に形質をある程度判断できる。この点はかなり面白いハプログループだと思う。
MDNAは移動経路などにものすごく弱い。これはどういう風に使うか?と言うと日本人にはあまり使えない。アイヌが一番有効だったと思う。シベリア東部の民族とYと言うグループで共通している。これでアイヌに北方民族との混血が確認された。日本人も特殊なMDNAはあるが、大陸に類似のMDNAが無い。それゆえ縄文人のMDNAなんだなって事ぐらいしか分からない。しかもすでに縄文人の人骨から、それらは採取出来てるので推測が確定されている。他の遺伝子は東アジアは皆同じように混血したんだなって事が分かるだけになる。
MDNAはY染色体の補助として使うのが理想的な使い方と思う。当然男性が居るなら対に成る女性もいるからである。極端に男性だけの集団で移動する事は稀にある。モンゴルがこの典型だけど。男性だけの集団で移動した場合、現地の人と混血すると次の代から母親のMDNAに摩り替わってしまう。この場合は使えないけど、基本的には男女セットで民族の移動をするため、そういった形で見るのが理想的。MDNAだけでいろいろ推測するとぐちゃぐちゃな話しになるケースが多々ある。
さて今回書こうと思ったのはHLA(HALと書き間違えていました訂正しました)という血液に関するGM以外のハプロが中々面白いと思ったから。大きく分けて5つのグループがあり、これをY染色体と組み合わせると具体的なものが見えてくる。
まず1のグループは北方モンゴロイドの形質をおそらく一番数多く伝えた中国華北集団。おそらく混血により、どの集団にも混じってるから、この集団が日本最大になってると見ている。特に高いのが北九州から近畿にかけてなので、対応するY染色体はハプログループはO2だと見ている。
O2は割合が低いじゃないか?となる。まずハプログループは日本人の遺伝子の混血率を正しく表してない。日本人はほぼ渡来人だと言って良い、そこに何割か縄文人が混じってる。形質を決定する遺伝子からするとY染色体のD系は過剰だと見ている。他の調査からもあれは高くで過ぎてるのがもう分かってる。だがO1b2はどうなんだ?となる。
これY染色体の問題だが、O1B2は誰と結婚したのか?でO2の対になる中国人女性がおそらく東アジアで広く混血してると見てる。それと言うのも見事に東アジアのMDNAは均一といって良い割合になってるから。その女性はおそらく北方モンゴロイドの形質が強く出てると見ている。
それと言うのもモンゴル人への勘違いが大きい。古代モンゴル高原の支配者はアジア人ではない。ギリギリアジア人だと言えるのがN系になる。NとQはコーカソイドとの混血率が高すぎて、良く分からない集団。そして完全に違うといえるのがR系の支配になる。トルコ=N、匈奴、フン=Q。これにスキタイのRが加わる。これが古代モンゴル高原の支配者で、モンゴル人はツングース系のグループが東に移動したものになる。
モンゴルが起源だとなるが、これは違う。モンゴル人が移動したとなる。モンゴル地方に住むおそらく母体となる人達の遺伝子と見ている。それが広く中国などにも広がったと見ている。これを単純にモンゴル人と言うのは不味い。それと言うのもモンゴル人の重要なグループであるブリヤート人には含まれてない。ブリヤート人は古代のバイカル湖の住人ではない、後から移動したことがもう分かっている。
私は騎馬民族じゃなくて、その前の形態の中国人の原型の遊牧の前の牧畜民だと見ている。単純に華北からやってきたなら、さすがにY染色体が正確じゃないといってもO2の割合が低すぎる。モンゴル地方から中国北部にかけて共通する何か?の集団だと見ている。
後は、O1B2の中国東北部集団。これは、満州族と韓国人に多いので日本と重なるとなるとこれかな?と、C2Cの高句麗、韓国王族集団もありうる。
ただこれ3つあるが、1つはややこしいグループがある。南方アジアグループと近縁の集団があって、これがもろO1B1とO1B2に対応するのじゃないか?と見ている。やっぱりO1B2は弥生時代より前に北方に移動したのではないか?と見ている。
最後のグループからそれが想定できる。最後のグループは、中国南方を起源とする。これは誰でもO1B2こっちじゃないか?と言うと思う。だが、この集団少数民族では頻度が高くない。どこにでも居る南方集団ほどこの頻度は高くなる。要するにO2じゃないかと答えになる。だってO1B2がどこにでもいるか?なら違うし、かりに血統的に繋がりがあったとするならO1B1の割合が高いいかにも典型的な南部少数民族には現れないのだから。
中国から渡来した稲作集団は、O2だったのではないか?と言う私の予想通りになる。HLAを見ていて、D系がさっぱり分からないじゃないか?となった。起源地が無いとこれ全く使い物にならない。Y染色体の優秀さがこれで分かったと思う。今消えてしまった民族の系統も、アフリカから出てすぐに分かれたタイプじゃそりゃ分からないとなる。そういったものがY染色体で補強できる。
モンゴル集団が単純にモンゴル人じゃないと思ったのもGM遺伝子からになる。おそらく北方モンゴロイドの集団が南下して形質が広がっていったと見ている。中国人は元々南下してきた北方集団じゃなかったのか?と見ている。
バイカル湖は起源じゃない。バイカル湖に逆にブリヤート集団が北上した。北方モンゴロイドといわれるグループは中国東北部やアルタイ山脈あたりが起源じゃないか?と見ている。華北は別集団と混血してそういった日本の渡来系の遺伝子がモンゴル地方より薄くなったのか?と見ている。現ブリヤート人がGM遺伝子の担い手なら、中国東北部が震源地となり、もしその別集団がGM遺伝子の担い手なら、モンゴル高原やアルタイ地方というバイカル湖より南部ではないか?と見ている。ブリヤート人の混血率が高くて、バイカル湖が起源のようになってしまったか?
GM遺伝子はHLAとは無関係に、謎の集団がバイカル湖にいたのか?これは分からない。HLAは免疫だけじゃなくて、血液型のグレードアップ版のようなもので、GM遺伝子と意味合いが違う。GM遺伝子は免疫の変化なので機能に密接に関係する。
追記で、最後わかりにくくなったので再度整理を、北方モンゴロイドの形質とあまり相関関係が無い集団がモンゴル地域に居た可能性です。それがブリヤートの問題になります。GM遺伝子と見た目は直接は関係ありません。むしろGM遺伝子こそが北方モンゴロイドの本当の正体だと思っています。一般に言われる寒冷適応より、ウイルスに対抗する免疫の変化の方が重要だからです。だからGM遺伝子は北方モンゴロイドに共通してると思っています。
ただGM遺伝子ハプロでどんな機能の違いがあるのか?までは分かりません。北方と免疫で思いつくのが、乾燥と寒冷です。これが風邪に深く関係しますからね。直接死に直結しやすいものなので、特にインフルエンザは今でも死亡率が高いです。
現代のブリヤートから北方系の形質の変化は相関するように広がってるって学説を唱えた人が居て、ブリヤートに共通しない集団ってのが北方形質をもった集団って変なんですよ。多分GM遺伝子とは無関係な集団が現代のモンゴルに居るのではないか?
ブリヤート人が移動してきたとなると北方形質は別の集団だったのではないか?またはブリヤート人が居た東北部が発祥の地なのかもしれない。これ難しい問題があって、中国東北部、シベリア極東地域の集団は、バイカル湖起源のインデアンと接触したか?がキーになります。氷河期バイカル湖に住んでいたのはY染色体R、Qで、MDNAは西方のコーカソイドはプロです。ただその後の遺跡からは徐々にアジア的ハプロになっていきます。それでもアジアに多いMはありません、
縄文人が一致したのは、今のブリヤート人です。元々どこにいたのか?かなりややこしい集団です。モンゴル高原はちょうど南方のC2Cと北方のC2Bがぶつかる場所でブリヤート人がそこから北方のバイカル湖に食い込んでいます。
いつブリヤート人がそこに来たのか?で以前見た話では、スキタイ人の後です。それと言うのも、そもそもモンゴル高原の大半はスキタイ人が支配してて、今のアジア人は中国東北部とシベリア極東部から西に移動したものです。ちょうど南方のC2Cと北方のC2Bが混血して、スキタイとモンゴル高原の覇権を争っていたとなります。おそらくスキタイも混血しています。それが今のモンゴルにR1Aが残ってる理由だと見ています。トルコからの中央アジア起源ならもっとR1Bが多くてもおかしくないからです。中央アジアではR1Bがかなり高い割合で居ます。R1Aに偏ってるのは、スキタイだからだろうと見ています。
タイミング的にもスキタイ人とのモンゴル高原の覇権争いが終らないとバイカル湖にはいけないと思います。
元々あったUと言うMDNAが減って他のコーカソイド遺伝子に変わってるので、多分スキタイが変えてしまったと見ています。元々居たコーカソイドは最後の氷河期に絶滅した可能性がものすごく高いと思っています。
ただ万が一残っていたら、今の北方モンゴロイドの形質は白人由来のものでそれらの民族が南下してハプロだけ消えてしまったなんてやっぱ無いですかね。スキタイ人とブリヤート人が混血した可能性は高いですが、原ブリヤート人と現ブリヤート人が混血した可能性はかなり低いです。どちらも白人系の遺伝子なのですが、北方形質の元になったハプロが消滅するってのは考えにくいです。
現ブリヤート人が来る前にすでにGと言うハプロがマリタ遺跡から見つかっています。これは基本東アジアに共通するアジア系です。これらの民族と混血した可能性が高いです。いつ彼らが住みだしたのか?は分かりません。青銅器自体=スキタイの時代にはまたコーカソイド系が増え始めています。バイカル湖ってかなり複雑なんですよ。
氷河期のものは数少なくて見つかったものがコーカソイド系です。東アジアでポピュラーなものは見つかっていません。有名なのはUと言う古いコーカソイドのハプロです。今ではあまりポピュラーなものじゃありません。Y染色体はRとQだけです。O、Cは見つかっていません。新石器時代、農業開始時期ですね。この時期にはアジア的Gが入り込んでいます。MDNAGとC。Dもそうですが、Y染色体と間違えるので会えて書いておきます。
このGとCがアジアに多いMの亜種です。あまりアジア以外ではありません。青銅器自体には、HやVといったいかにもコーカソイド的なMDNAが増え始めます。スキタイの時代です。
モンゴルだけど、モンゴル人じゃない謎のアジア集団ってこういう意味です。O2の流れだけで見たら駄目で、モンゴルと華北に跨る大きな地域での何かの土台となるアジア集団があったと見ています。
これが北方モンゴロイドの土台だというと簡単なのですが、それだとブリヤートから広がった話がややこしくなります。そこで、北方形質とは関係ない集団なんじゃないか?と見ています。ブリヤートはブリヤートでまた別のGM遺伝子に強く関係した謎の集団があったと言う話しになります。現ブリヤート人はこれらの人と混血したのではないか?と見ています。
最近チンギスハンがR系だったのではないか?との新しい説が出ています。モンゴルの大きな墓でR系が検出されたからです。チンギスハンはバイカル湖から先祖が来たとの伝説があって、スキタイと混血したブリヤート人の子孫の可能性も捨てきれないと私は考えています。
すみません、さらに追記で、ついうっかり、沖縄から太平洋岸に広がるグループ忘れていました。これ難しいですね。単純に考えれば海産物狩猟を主に行うC1A1です。ただ、これ満州族や韓国人に多いんですよ。HLAハプログループはすべて弥生系だといえると思います。それでこれにあたるものは何か?と言うと分からないです。O1B2に別系統があって、畑作より漁労を主としたグループがそれじゃないか?と思います。
すべて渤海湾あたりがややこしいんですよ。あそこから満州に陸伝いにいった民族がO1B2だと見ていますが、すべてそうだったのか?と言うと、元々私は漁労陸稲がO1B2のグループだと見てるので、畑作オンリーで満州の陸続きの中潜り込んだ仮説は疑問もあったんですよ。
東北太平洋岸にO1B2って広がっていて、これは奥州藤原家の広がりともいえます。ただ、太平洋岸を進むO1B2系の海人っていたと思っています。そのグループじゃないかな?と。
まあこれ言うと都合よく、ツングースのO1B2と海人のO1B2を2つ創ってしまってるといえます。ただこの問題って母方と父方が別って可能性があると見ています。ツングース系のO1B2は母方がツンスグース系で入れ替わってるだろうと推測がされていて、そのまま朝鮮の海岸に移り住んだグループも想定してる人も居ます。
ただ時期的にそれに相応しい骨が見つかってないんですよね。古代C2C系が原朝鮮人だと見てるので。原住民と混血っぽい弥生的形質を帯びてくるのってかなり後の時代なんですよね。すっかりこれ忘れてました。ややこしいから省いたわけじゃないです。
さらに追加で別エッセイでやるべきですがついでに他の遺伝子による分析って事で書いておきます。
韓国人の研究って事で、これは、半島の歴史じゃないです。朝鮮でも良いですが、朝鮮人は中国東北集団の地域的なものに過ぎません。遺伝子による研究でかなり古いハプロじゃなくて核DNAを調査したものがあり、そこで分かったのは、台湾原住民などと共通する遺伝子だと分かったそうです。MDNAは今でも住んでいるC2C系とC2B系の先祖と一致しました。
これは言われた居たことですが、元々はC2系は沈んだ黄海の大陸に住んでいた人達が沈んだから北上したものです。彼らは北方系じゃなくて、日本の暖流の影響で暖かく湿潤な南方系のグループだって点です。新モンゴロイドはどこで誕生したか?ってものすごく大きな問題です。だから私は今のブリヤート人は新モンゴロイドの重要なグループだと見て無いんですよ。元からバイカル湖に居たグループは絶滅して、1万年ほど前に大陸の北方乾燥地域に移動したCか?O?の集団がその起源じゃないか?と見ています。この集団がバイカル湖に後から移動したのではないか?と見ています。Nでも良いです。
謎のモンゴル集団Nの可能性が高いです。華北に僅かに影響を与えて、モンゴルの古代に土台となったアジア系民族。いかにも遼河文明のNじゃないかと。
もう1つその後に移動してきた江南系農業集団が居るとなっています。これはがO1B2かと。問題はそれが陸稲だったのか?水稲だったのか?です。この年代が1万年前の原住民だと出ています。私の予想通りかなり早い時期に南方の集団は移動して黄河人と入れ替わってしまったのじゃないか?って点です。ミャオ族もその1つです。
原住民の様に言われるミャオ族ですが、ハプロ的にも明らかに北方集団です。どうやって1万年前の遺伝子が?となりますが、それは分かりませんでした。そうやって書いてありました。弥生時代すでに入れ替わってるのは南方は明らかに北方化したらしく、日本に来た江南人とされる人達はすでに北方化した民族だという話が人骨の形態調査からあります。今の残ってる南方形質はおそらくO1B1でO1B2とは直接は繋がらないのでは?と見ています。
新モンゴロイドがどこで誕生したか?はものすごく難解な問題で重要な問題なわけです。この調査で分かったのは、乾いた耳垢などすでに古い江南人ではなく古代集団が備えていたらしいのです。これはおかしなことではなくて、元々もっていた形質が、北方で淘汰されて増えたのは良くある事です。誕生と自然淘汰はまた別です。