6話 買い物と緑のアレ
残り時間がいまいち分からないがシリアルカードを選んで買っておく。
選んだカードは、
スキル
・料理LV1
武器
・タクティカルナイフ
防具
・バックパックポーチ・ガンベルト・小道具類が入るポーチ数個
を、新たに選んでおく。
武器はショートソードの代わりに。攻撃する意外にも使いやすい刃渡りの物を選んだ。
防具類は集めたり移動中に使う物を分けて管理が出来る様に。
ガンベルトはレッグホルスターやポーチ類を纏められる様にだ。着替えとかし易くなるからな。
スキルの料理は生活する上で必要かな?っと思ったからだ。別になくても簡単な料理だったら作れるが有った方が美味い飯が食えると思ったからだ。自分が食うんだったら美味い方が良いだろ?
会計を済ませようと思ったが、紙に包まれている肉がタップリとのっているサンドイッチを2つと500のスポーツドリンクも2つ買っておく。ガインも俺もいい加減に腹が減ったからな。
特に俺はここしばらくまともな物を食べてないからな。
会計を済ませるとシリアルカードの物が具現化されたり光になって消えたりした。最初の会計の時は、全然気がつかなかった。
スキル・才能系は買うと消えて買った本人のモノになると神爺さんから教えてもらった。
具現化された物を最初に買った物と合わせて体に着け直す。
ガンベルトに、バックパックポーチが腰にその右隣にタクティカルナイフ、両隣にレッグホルスター、余ったスペースに小道具用ポーチを設置して固定しやすくした。
荷物入れに食料を入れておく。ビニール袋なんて向こうには無いからな。
ペットボトルは水筒だと言い張って誤魔化そう。何とかなるだろう。
「神爺さんまた来るよ、そろそろ時間なんだろ?」
「神爺さんってワシかい?
呼び名は何でも良いんじゃがな、元々ワシら古い神には名が無いからのう。
今度来る時ココにワシ居ないかも知れんから何か用事があったらこの子に聞いてくれんかの?
この子はミルエルといって、天使の子でな。ココでバイトの様な事をしてもらっている。
とは言っても向こうの世界の手伝いは何もできんがな」
「そうか、分かったよ。
ミルエルさん・・・で良かったかな?
何かあったら宜しくお願いするよ。
俺は暖谷蒼真って名前だから。蒼真って呼んでくれ」
爺さんの隣に立っていた子に挨拶しておく、見た目は金髪のロングの毛先の部分を少し三つ編みにしていて可愛い。
瞳の色は髪と同じで金色の瞳。
身長は160位で体型は全体的に細めで色白の肌、そのせいか、大人しそうな気がする。
「はい、宜しくお願いします。蒼真様。
私はココを離れる事はないので、何時でも当店をご利用ください。
私のことは呼び捨てでも構いませんので」
あ、笑うとこの子余計に可愛く感じる。
「じゃ、俺も呼び捨てで構わないから。
特に様付けは何だかムズムズしてかなわないから。」
なんて事を言いながら店を出て行く。
「「ありがとうございました!
またのお越しを!」」
うん、普通にコンビニだね。
光が一瞬光ったのち元の世界に戻っていた。
ガインは「腹減った―」を繰り返しており、頭の光も弱々しくなっている。俺がコンビニに移動していたのに気が付いていないし、格好が少し変わっているのにも気がついていない。
神爺さんが言っていた通り、時間の流れが止まっていたのだろう。
「だったらこれを食うか?」
荷物入れからサンドイッチを取り出しながらガインに聞くと。
「食う!今すぐ食う!!」
子供か!
っとツッコミを入れそうになったがそのままサンドイッチとスポーツドリンクを渡す。
「このパンの奴美味いな!お前が作ったのか?
それとこの水も変わった味だが美味いな!
この飲み物の入れ物も軽くて透明で中身が見える容器なんて高いだろうに・・・」
もの凄い勢いでサンドイッチに喰らいつくガイン。
しかも食ってるのに、発音が綺麗に聞こえる。何て無駄な技術。
「いや、作った記憶がないからたぶんどこか別の場所で買ったんじゃないか?」
本当はコンビニだけどな。
「そうか、そうだったな。
で、お前さん、これからどうするんだ?」
飯を食うのに2人とも木陰に座って食っているとガインがこれからの事を聞いてきた。
風に揺れて木の枝が揺れると、影の間に日が射してきてガインの頭をチカチカと反射板のように輝かす。鬱陶しいな。
「そうだな、何も知らないからメルギルだっけか?
何か分かるまでそこでしばらく暮らすんじゃないか?」
嘘ではないが本当の事でもないって、感じか・・・・・
「だったら俺も居る総合ギルドで働くってのはどうだ?」
「総合ギルド?」
やはりこの世界にもギルドって組織があったんだ。
「あぁ、色々な専門ギルドが集まっている所で、1つのギルドに登録するよりまとめて登録しておけば色々と楽だぞ?
情報も多く集まるからお前の記憶の手がかりも何か分かるかもよ」
「情報は確かにありがたいな、入るのには審査はどうなんだ?厳しくないのか?」
面倒事は御免だ、なるべく楽に暮らしたい!元々記憶は無くなってないし、勇者的な事をやれなんて言われて無いしな。言われても嫌だけど。
「特には何もないぞ?
一部、訳ありな奴らでも直ぐに登録できるからな。
ソーマでも問題はないはずだぞ」
「そうか、ならそうしようかな。
飯も食った事だし、そろそろ移動するか?ガイン」
飯も既に食べ終わってノンビリとなっているので移動するか?と促す。
「そうだな、行くか」
しばらくして前方に緑色の子供位の大きさの集団が、それぞれボロボロのナイフや棍棒等で武装している。その姿はこれまたボロボロの腰布一枚だけで他は纏っていない。
「なぁ、あれってなんだ」
最初に気がついた俺が、ガインに確認していく。
「んぁ?
チ!マズイな、あいつらはゴブリンだ。
向こうも気がついたみたいだ。
ソーマ、お前、戦えるか?」
どうやらガインもゴブリンも戦う気満々らしい。
てか、ゴブリンっているんだな。改めてもう今までの世界じゃ無いんだな。
「いや、今までは動物相手ばかりだったから戦った事は無いな」
ここは正直に話した方が良いだろう。嘘を言った結果、死にたくないからな。
「わかった、俺が前にでるからお前は周りを見てくれ。
何かあったら直ぐに言ってくれ。
できれば、その銃で支援してくれれば助かる。
それじゃ、行くぞ!」
ガインが合図とともに前に駆け出す。
ゴブリン達も遅れて各々がガインに群がっていく。
最初にしかけたのはガインで、持っている槍のリーチ差を活かしてゴブリンを駆逐していく。
ゴブリンも数の多さを活かしてガインに攻撃を仕掛けていく。
次第にガインが距離を詰められるが、それでもガインの槍は止まらず攻撃を当てて行く。
そんな中一部のゴブリン達がガインを無視して俺に向かってきた。
咄嗟にシグを抜いて向かってくるゴブリンに構えるが撃つ事が出来ない。
生き物を殺す事には慣れてきたと思っていたけど今は違う。より人に近い存在の命を殺す事に躊躇いが出てしまう。
ガインがこちらの状況に気がついて叫んでくる。
「躊躇うな!!
こいつらをココで放置すると他の誰かが死ぬことになるぞ!!」
ガインの声、涎を振りまきながら近づいて来るゴブリンの恐怖。
その中で大きくなる死ぬ事の恐怖、俺は恐怖のあまり感情が変に爆発した。
その時どう思ったのかは俺にも分からないが、最初のゴブリンたちをシグで撃ち殺していき。
撃つ動作が間に合いそうにない奴らには蹴りや打撃を撃ちこんで素手で殺して行った。
最後にはガインに止められて、冷静になってきた俺は、その場で吐いた。
ガインの足に。
ガインの悲鳴が森に木霊した。
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