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14話 町の外

本日4話目です。


そろそろ完全な新規の話も入れていきたいです。







 さて、今日から街の外で講集が始まるという事で約束の時間の8時の10分前には集合できた。

格好や装備は何時もと同じで変わらず、そこに食材等が入っている荷物入れが1つあるだけ。

こちらの世界は時間の感覚が1日24時間で、1週間は7日、1ヶ月は30日から31日ある。閏月だあな。1年は365日と、地球感覚と変わらない。

変わってるのは月の様な星が2つあって、昼夜関係なく空に浮いてる。


「来たな、ソーマ」


 ガインが既に集合場所に来ていて受講者の集合確認をしていたみたいだ。

ほかの教官たちは教官たちで、講集の準備をしているようだった。


「俺で最後か?」


 アレクたちの姿も見えるので、俺が最後だと思っていた。


「いいや、例のアイツ等が来ていない」


 あぁ、アイツラね。


「それにしてもお前、何でそんなに荷物持ってるんだ?

装備と素材とかを入れる袋だけで良いだろ?」


「そうなんだけどな、何が有るか分からないからな。

例えば泊りがけになるかもしれないし、動けなくなる事態にあうかもしれない。

臆病と言われればそれまでだけど、準備をしとくのは問題ないだろ?」


「そうだな、て事はだ。お前、飯の用意してるのか?」


「準備はしてあるけどお前の分は無いぞ」


 なに当たり前の様に聞いて来るだこいつは。


「何故だ、何故用意してこない!」


「当たり前だろ、俺はまだ依頼を受けれないんだから手持ちの金で遣り繰りしなきゃいけないだろうが、毎回たかりに来やがって、食うなら金払うか食材持ってこい」


「っち!ケチ!

食材持ってくれば良いんだろ?

今日の昼飯頼んだからな、他の教官の分も頼んだからな」


 なぜ、他の人の分まで作らなければいけないのか?

それにしてもガインのヤツ、餌付けされたかの様に俺の所に来やがって公園の鳩か何かか?



 しばらく待って、ヤンキー共が漸くやって来た。

集合時間はとっくに過ぎていたが悪びれた様子は無い。教官たちが注意しているが全然聞いていないようだ。


 このまま居ても何も始まらないと言う事で、遅くはなったが街を出て実習を始める事になった。

実習場所はお馴染みの森の中。ここは基本的に森の中でも町に近く、危険な動物や魔物が少ないそうだ。

近くに川もあるので水にも困らない。


 早速始めた実習は、近くに居る動物や魔物を見つけては狩っていき素材を剥ぎ取っていく形だった。

剥ぎ取り自体が初めてだったが、料理のスキルのおかげか意外と出来てしまった。革・肉・骨・角や魔物の魔石等の基本的な剥ぎ取りをおこなっていった。


「ソーマ君は器用に出来て良いよね。

僕はぜんぜん出来なかったよ」


「自分で料理をしてるからな、剥ぎ取りと変に意識しないで料理をしていると思えば意外とできた」


 アレクは不器用なのか剥ぎ取りをした素材がボロボロだった。

あの4人の中で得意そうな感じなのがニコだ。ニコが切断した切り口が綺麗で、教官からも評価されていた。


 昼になり、俺はガインに許可を貰い一緒に運ばれていた馬車の荷物から食材を幾つか貰う。そのまま5人分の料理をする事にした。

昼飯にはまだ早いが、料理の時間も考えて聞いてみたらあっさりと許可がでた。

料理と言っても野外で作るから凝ったものは作らずに、4人分にパンと狩りで採れた肉を串焼きにして、野菜等でスープを作っていく。スープだけはコンビニで買っておいた出汁等を使ってきちんと作っておいた。俺だけはパンじゃなくて作っておいた弁当なんだけどね。

 教官の中の1人が俺の作業を手伝うと言ってきたが遠慮しといた。

残りの受講者の人たちを見ないといけないだろうし、ヤンキー共は適当に理由をつけてはサボりたがっているから大変だろう。「済まない、助かる」と礼を言って剥ぎ取りをしている人たちの所に戻って行った。


 料理が大体終わる頃に残りの全員が馬車の所に戻ってきて、それぞれ昼飯の準備を開始していた。

俺以外の人たちの料理は携行用の硬いパンにスープだけと言った感じだ。手早く作るのにはそうなんだろうな、と思っているとまたヤンキー共が騒ぎ出した。

「飯よこせ」だの「こんなのは聞いていない」だの文句を言いまくっていた。

更にはアレクたちや俺に、飯よこせと言ってくるが向うは人数が多く、昨日の事も有り暴力で訴えてはこなかった。


「ソーマ、まだ飯の予備は作ってあるか?」


「あるにはあるが、串焼きとスープだけだな。

それと、金を払わせろ。タダでは食わせない、だいたい一食100ルラで良い」


「何度も済まないな。

ちょっと待ってろ」


 ガインがヤンキー共に話を付けにいった。最初は金を払うのに文句を言っていたが渋々金を払ってきたみたいで、ガインから肉とスープ貰って食っていた。

ガインから金を貰った手前、俺自身も文句は有るが黙っておく事にした。


 弁当を食っていると、チットが俺の所に来た。


「それ、どこで買ったんだ?」


「朝、俺が作ったんだ。

・・・・・やらんぞ」


「いや、そうじゃない。

美味そうだったんでな、売ってたら買ってみたいと思ったんだ」


 チットが少しがっかりしているから仕方ないなと思ってしまった。


「スープで良ければ食うか?

一応多めに作って有るから食いたきゃ皆で食っていいぞ」


「本当か!おい!コレ食って良いってよ!」


 コイツもガインの様に遠慮なく残りのアレクたちに伝えて食べ初めた。

ガインたち教官組みも満足したのか、美味かったと言ってくれた。


スープも串焼きも、結局俺はまともに食べる事が出来ずに弁当だけ食べた。

物足りなかったので、コンビニに行く事にした。





「良いな・・・お弁当」


コンビニで惣菜とインスタントスープを買っていた時に、ミルエルに「食事は作っていらっしゃるのでは?」と聞かれたから。「弁当の他にも作っていたけど他連中に食われた」って伝えたらこんな感じになってしまった。


「良ければ今度作ってくる?

1人分も2人分もそんなに変わらないし」


「いけませんよ、お忙しいのでしょ」


「別にそこまで忙しくないよ

今の所、基本的にはのんびりとしてるからね」


 ミルエルは断りつつも興味があるって感じだな。


「何時も同じ物しか食べてないんでしょ。

体に悪いから作ってくるよ。

それとこれ、あそこのフードコートで食べちゃうね」


 少し無理やり感が有るけど作ってくると言って約束させた。

神界の神や天使もコンビニができた事で、コンビニ食しか食べていない人?たちが出てきたそうだ。

ミルエルもそんな中の1人だ。


 食べ終わったら直ぐに元に戻って、食後の休憩をしながら後片付けをする。片付けだけは教官たちも手伝っていた。

ヤンキー共?あれは「金払ったんだからやんなくても良いだろ」と言ってやんなかった。

ホント、めんどくさいなってきたな。


 午後からも続きをする様な形になってきたが、少し実戦を入れる様になってきた。

最初は弱った所を受講者に止めを刺させていたが、戦闘事態を受講者にやらせ、教官が後ろに控える形になっている。


 森の奥に、ヤンキー共がガンガンと入っていく。教官の1人に止められていたが、無理やり入って行った。慌ててその教官が後を追いかけて行く。

馬鹿な事をしているなーと思っていたが、その時は気にも留めていなかった。










 しばらく経つと、森の奥から叫び声が聞こえた。










引き続き、ご意見ご感想お待ちしております。

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