「校則」
SOU.Rです、どうもです。
オリジナル小説として書かせてもらってます!
序章も終盤ですので、挨拶も早々に済ませて本編へGO!
「次はこっちがこの世界、この学校の事を説明する番だね。ちょっと待っててね?」
そういうと彼女はこの部屋を出ていってしまった。
何をしに行ったんだ?とか思いながらも、オレはソファーの背もたれにダラッともたれ掛かった。
…話を始めてどれくらい経ったのだろうか?少々頭の中身を整理する事にした。
今になって思えば、オレはいつからあの少女に目をつけられていたのだろうか?…わからない。
何故オレに希望を与えようとしているのだろうか?彼女にもそんな経験があったのか?…それもわからない。
オレはこのまま現実の世界から逃げて、ここで過ごすのは正解なのか?
…どうであれ、これはオレの道だ。オレが決める以外にないだろう。
絶望的な現実に苦しみ続けるくらいなら、いっそこういった異次元の話に踏み込みたくもなってしまう。簡単に言えば現実逃避か…。
基本的にネガティブ思考ではないはずのオレだが、自分の事にもなるとどうも暗くなりがちだ。だからと言って、誰かに哀れんで欲しいなんて思わない。
むしろ逆だ。同情して仲間になってもらっても、本当に趣味や思想が合う人間に出会ったとはオレには思えないからな…。
段々と心が冷たくなっていくのが自分にはわかる。
そしてオレはこの瞬間、無意識に嗤っていた。
それと同時に自分の中に何かが居ると実感した瞬間だった。
こいつが、オレの知らない自分自身なのか!?
手が震える、心音が高鳴る、胸の内から何かが込み上げる感覚がする。
わかる。オレは今とてつもない恐怖を感じている…!
丁度その時だった。
『たっだいま~!!』
「うぉあっ!?」
勢いよく開けられた扉と元気過ぎる挨拶に驚く。全くもって心臓に悪い。
「ジョーカーか!?お前ビビらせんじゃねぇよ!」
「おぉ、名前で呼んでくれた!えへへ~♪」
緊張感の無い奴だ、でも今回はそのおかげで助かった。
衝撃で恐怖感は吹き飛び、この緊張感の無さでさっきと同じ調子に戻ったからな。
「全く…、ん?そのファイルは何だよ?」
よく見ればジョーカーは部屋にファイルを持って戻って来ていた。
「これ?校則とかいろいろ書いてるヤツ!読んでみて!」
そうだ、この世界の説明をしてくれるんだったか。というか、答えがいい加減過ぎるだろ。
呆れつつもファイルを開き、目を通す事にした。
細かい部分は省くが、ここは全寮制で食事は食堂や購買で済ませるらしい。
肝心の金はこの世界独自の通貨で、月に一度"種族によって"ある程度の食事が出来る様に支給される。
そしてまた月に一度出るテストの成績によってボーナスの様なものも用意されているのだとか。
「ん?種族?」
そう、"種族によって"という部分が気になる。
人間は大体が一日三食と聞くが、人間じゃない種族が居るって話なのか?
もしも居たとして、どんな奴だ?まさかヤバい奴も居るんじゃないのか?
「そこまで極端に凶暴な人は居ないよ、極端にはね。」
曖昧な返事、少し不安にもなってくるな…。
そんな事を思いつつ読み進める。
授業は時間帯を問わず行われているようだ。ところで、その教員どももまた人間なのだろうか?
疑問に思った時、答えはすぐに返ってくる。
「教員は私の用意したもの。生き物ではなく、私の用意したお人形達だからね。」
「不気味な話だな…、やはりただ者ではないんだなお前。」
しかし考えてみれば、恐らく異種族なるものがいるのだから普通の人間で無事にまとめる事は難しいだろう。
行事も時に用意してあるらしく、参加すれば成績の向上に繋がるとか。
参加か不参加かは一応自由らしいが、要するに日々を過ごす金に困っていないなら見てるだけで構わないという感じだろう。
「まぁ、行事の参加は報酬がそれなりだから大体が参加してくれてるけどね~」
「学校の形としてはいいんじゃないか?」
関心を示してる風に一言、そして次へ。
読み進めてみると、問題を起こした場合の処罰なども載っていた。
問題を起こした場合には、ある程度ならば指導。
度を越えると反省房という区域に連れていかれるのだとか。
場合によっては生徒会で裁判を起こすという。なんともおかしくも、この世界の秩序を守るための制度が存在している。
「今や沢山の人が集まっているこの世界、ルールが無ければやっていけませんよ!」
「まぁ、そういうものだしな…」
法が無ければ盗みや強奪、殺しすらも正当化されてしまう恐れがあるだろう。
どんな世界でも、皆仲良くやっていきましょうなんて出来る訳がないのだから…。
残りの細かい部分で言えば、服装は基本自由だが制服の購入や果てには自主製作が許される事だとか。サークル活動なども生徒会長の許可を取れば許されるだとか。問題の取り締まりは風紀委員が行うだとか。
…読んでみれば結構な量はあった。
「…生徒手帳とかあんの?」
流石に少し読み疲れた。生徒手帳や同じようなファイルなどがあればもう少しゆっくり読みたいんだが…。
「あるよ~、でも作らなきゃいけないから明日だね。」
それならそれでいいか…。
後は部屋の場所やら明日からの過ごし方などだな。
「じゃあ、今日はここまでにして部屋に案内するよ。その後に校内の案内図も渡すから、その瞬間から君はここの世界の住人だ!」
「ここの世界の住人だ!とか言われてもねぇ…。」
こうして、オレのこの世界で最初の試練は終わった。
やほぉぅ!ジョーカーでっす!
主人公の零君が言うに、ラスボスですっ♪
零君は凄いね~、肝が据わってるって言うんだっけ?
大人びてると言うか、落ち着いてる感じ?
でも未知の出来事には弱いのが人間らしくていいね♪
あ、そうそう、他の校則やルールは多分零君がちょこちょこ解説してくれるはずだからよろしく頼んじゃうよ!
おっと、それじゃあ今回はこの辺で、また会おうねぇ~♪ Adios!