「異能力」
どうもぉ、著者のSOU.Rでっす!
今回は主人公が異空間に飛ばされて他の人と会話する回で。
メタ発言も少々含む作品になってるのでそこも楽しんでくれれば良いなぁ程度に書いてますww
ではでは、挨拶も手早く済ませて本編へGO!
「ッ!?何だ!?」
視界が歪み、目の前に黒い空間が広がる。
オレはその空間に吸い込まれてしまった…。
「…はっ!?」
目が覚めた。今回は確実に倒れていた状態から意識が戻った。
「どうなった…?」
とりあえず周りを見渡す。状況確認からだよな、やっぱり。
見渡してみればこの部屋は応接室の様な雰囲気。オレはその入り口辺りで倒れていた。
手には入学届(?)の手紙、そして荷物のカバンと背負っていたギターもそのまま持っていた。つまり身に着けていた物ごと黒い空間に引きずり込まれたのだろう。
しばらく部屋で思考を巡らせつつ立ち尽くしていると、扉が開き誰かが入って来た。
「誰だ!?」
『私だ!!』
今にも"ドンッ!"と効果音の出そうな勢いで言い放たれたその一言を理解するのには数秒の時間が掛かった。
そして困惑するオレに何故か期待の眼差しを送り続ける目の前の相手。
その相手の見た目は長い赤髪で前髪に黒のメッシュが入った制服姿の美少女。少女と言っても高校生くらいの若さに見える、つまりは同年代くらいか…。
と、悩んでいるとその少女が先に口を開いた。
「ねぇねぇ、ツッコミ待ちなんだけど?」
…知るかよ。とも言えずに難しい顔になってしまったのが幸いだったのだろうか、相手が続けて話掛けて来る。
「ゴメンゴメン!ちょっと緊張感を解そうと思ってさ!悪気は無いから許してやってよ~」
お前は自分でそれを言うのか、そうかそうか。
「まぁ冗談はさておき、何でこんな所に居るのかをいい加減知りたいんじゃないの?」
ここに来てやっとまともな話が出来そうな流れになった。きっとこの機会を逃せば次はまたいつになるかもわからない。
オレは得体の知れない少女を相手に勇気を振り絞り喋りかける。
「お前は…」
「ちょっと待って!」
オレの言葉は遮られた。が、続けて少女はこう言う。
「とりあえずソファーに座ってよ。これから君がここに入学する為の面接をするんだから!」
は?面接?いや、オレ既に学生やってるんだがな…。
…だが、まずは相手の話から聞いてもいいだろう。現状は何が起きてるかすらわからないし、出てきたのが言葉の通じる相手だったのは幸いだっただろう。
考え事をしながらソファーに座る。
すると少女の面構えが真面目な様子へと変わった。
そしてオレのこれからの生活の始まりとなる最初の試練が始まった…。
「では、これより君が我が校に入学する為の面接を始めさせていただきます!」
「待て、その前に何でこんな状況になってるかを話してくれないか?」
今度はオレが話を遮ってやる。
勝手に進められて変な事に巻き込まれるのはごめんだからな。
「じゃあまずはそこを説明するよ。質問は話し終わったら聞くから、それでいいね?」
「親切にどうも…」
「ここに連れて来たのは君の為になればいいなってのもあるから、これくらいは当然だよ!」
少女は微笑み、そう言った。
…オレの為?何でこんな見ず知らずの素行の悪そうな人間の為にそんな事を…?
「君も、君の居た世界で独りだったからだよ」
疑問に思っていた事に答えるかの様に少女は言った。
「何故そう思っているんだ?」
孤独を感じていたのは間違いでは無かった。だが、同級生でもなければ近所に住んでた訳でもない、見ず知らずの相手に何故そう思われていたのか、不自然だ。
「もう!質問は後でって言ったでしょ!」
「あ、あぁ…、すまない、続けてもらえるか?」
叱られた。いや、忘れてたこちらが悪いのは確かか。
「丁度その部分も含めて話すべきとは思ってたから構わないけどね?それじゃあ、気を取り直して…」
一呼吸置いて、話を戻す。
「さっき君を連れてくる為に開いた異空間。その中がまさにこの学校な訳で、あの能力を利用出来るのは私だけなんだ。そして、それを利用して様々な世界を行き来することができる。」
なんてファンタジーなお話だろうか。でもそんな目に遭ってから話されてるんだから案外信じられるものである。
「と言うか、ここに来る前に不良達と喧嘩してたでしょ?その直前に君は私と話してたんだよ?」
…ん?言ってる事の意味が理解出来ない。
「その時は"私"だったけどね!」
マジかよ…、つまりアレはオレのテンションから出てきた軽いノリじゃなかったって訳か。
…待てよ、コイツつまりずっと私生活覗いてたのか!?変態か!?
「あまり失礼な事考えないでよ!!」
「お前考えてる事までわかるのかよ!?」
これじゃコントだな。しかも片方はテレパシーの様な能力も使う様だ。
「覗きってのは心外だよ…、それにずっとって訳じゃないもん…」
あからさまに落ち込む素振りを見せる少女。
「悪かったよ、理由も無く観てた訳じゃないんだろ?それを早く教えてくれないか?」
強引に話を戻そうと試みる。
「…君、度々意識が飛ぶ事があるでしょ?その時に異常な気迫と言うか、気配を感じるんだよね。それを探っていたんだ。」
「何!?」
つい大声を出してしまう。少女は驚いた様で体がビクッっと跳ねた。
「あ、すまない。取り乱した…」
「いや、いいよ、教えてあげる。ここで過ごす為にもその能力は重要になると思うからね。」
能力だと?この少女が使う類いのヤツか?流石にこれは半信半疑にもなるな…。
「いい?君の中に有る能力、それは"二重人格"だと思う。ただ普通とは違うのが、人格が変化した瞬間にまた違う異能力が使える様になるという事なんだ。」
「…こればかりは自分の目で見れないから信じるのは難しいな。」
そう言い放ったその次だ。
「いや、もしかしたらこれは共存出来る能力かもしれない。自分の意思で発動して、操る事も出来るかもしれないんだ!」
少女の口から出た言葉は衝撃だった。
今までその能力のせいで孤立してきたオレからすれば、それは希望に満ち溢れた言葉だったからだ。
如何でしたかな?
実はまだ主人公の名前すら出て来てないんですねぇ(主人公だけでなく他もではあるが)
名前はきっと面接開始辺りで見れるでしょう。
そこまでどれだけ掛かるかは知らないがね!!
いやぁ、やっぱ趣味ではあるけどこういうのを書くのは楽しいもので…www
まだまだしっかり続いていきます!ではまた次のお話まで、Adios!