異変(3)
赤司紅夜・白羽波琉そしてこの嫌な空気を出す何か。
こいつらは一体なんなんだ。俺が何をしたって言うんだ。今まで平凡だった生活を返して欲しい。
「_________っっっっ」
「おい。京介!!」
突然の激しい頭痛。順平の声。遠のく意識の中・・・あいつの声が聞こえた。
「大丈夫?僕が彼を保健室まで連れて行くよ」
なぜアイツが・・・?赤司紅夜が俺を・・・?
そこで俺の意識は途切れた。
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________お前の覚醒は・・・近い。
誰だ?これは誰の声なんだ?俺が覚醒?何の話だよ。俺は平凡な高校生。これからもそれでいいじゃないか。なぜ変える必要がある?どこに変わらなきゃいけない理由がある?そんなものどこにもないじゃないか。
________理由は・・・ある。あっち側の連中が動き出した。
そんなの俺は知らねえし。あっち側ってどっちだよ。なんにしろ俺には関係ないね。
________まぁそのうちわかるさ。
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目を覚ますと視界に入るのは白い天井。
ここは・・・
「あ、京介。目ー覚めたか?ここ保健室だぜ」
「じゅ・・・んぺ・・・い・・・?」
「お前大丈夫かー?随分うなされてたけど変な夢でも見たか?」
「いや・・・大丈夫だ。ところで赤司は?」
「は?赤司?なんであいつ?」
「だってあいつが俺を保健室連れて行くとかなんとか言ってなかったけ?」
「ああ。あんな奴に俺がお前をおとなしく渡すわけ無いだろ?
『京介は俺のものだー!!』って叫で俺が連れてきた」
「お前な・・・。この後どんな顔して教室行けばいいんだよ」
「だいじょーぶ。何とかなるさ。俺はこんなキャラで通ってるしお前は意識なかったし。京介はこれからどうする?俺はもう教室行くけどまだ寝とくか?」
「いや・・・俺ももう教室行くよ。今何時間目?」
「ああまだ30分くらいしか経ってないよ。」
「じゃあ今あってる授業が終わった頃に行こう」
ガラガラッ
「おー京介大丈夫か?」
「八神くん平気?」
クラスメートが声をかけるなかふと自分の隣の席に目をやると・・・赤司が待ってましたとばかりにニヤッと笑う。俺はこいつのこの笑い方が嫌いではない。何か知っていて、教える気はない。そう告げるような笑み。
ふと思いだし白羽波琉の姿を探した。彼女は俺の顔を一瞬見て何事もなかったように今まで読んでいた本を再び読み始めた。
ゾクリ。あの感覚。そして気のせいでなければこの嫌な空気は日に日に強力になっている。
その日の授業はほとんど頭に入って来なかった。
変化の時はもうすぐそこに