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転校生(1)
「行ってきます」
俺は慌てて家を出た
7:50
遅刻ギリギリだ
なんで今日に限って寝坊なんてしてんだろ
普段はもうとっくに学校に着いてる時間だ
キーンコーンカーンコーン
「フーッ よかった 間に合った」
「お、京介 お前どうしたんだよ 今日は遅かったじゃねえか」
「ああ 寝坊した」
「まあ席着けよ もうすぐ先生来るぞ」
俺は八神京介
どこにでもいる平凡な高校生
さっきまで俺と喋っていたこいつは東順平
俺の親友
俺は学校では真面目で優秀 運動神経もそこそこのいわゆる教師に好かれそうな生徒
順平は友達思いの優しい奴 俺の中学から一緒の親友 時々はじけすぎるため教師からは目をつけられやすいタイプ
ガラガラッ
「静かにしろー 今日は転校生いるからな 入ってこい」
「結構遠くから来ました 赤司紅夜です」
キャーーーーーー
女子の黄色い歓声
そう 俗に言うこいつはイケメンだ
そんなことを考えてると一瞬目があったような気がした
まぁ気のせいか
これが俺とアイツ 紅夜との出会いだったんだ
俺はまだ知らなかった
アイツが何者でこれから何をもたらすのかを
アイツとの出会いが俺の一生を変えてしまうことを