第18杯 ②
大家さんは目の前にある材料を見つめ、考えている様子。
「ふむ――――――何から教えようかね……」
悩む大家さん。
あたしはそんな大家さんの助けになればと、フリマの事を話してみた。
「フリマって色んな年齢層が来られるから、年齢にあった飲み物とか教えて頂けると助かります」
「そうだね。老若男女が来るだろうから、色んな人にあう飲み物を教えようかね」
「はい、お願いします」
あたしの話を聞き終えた大家さんが、冷蔵庫へ行くとコーラをもってくる。それから、グラスコップを取り出した。
「まずは作っておいたコーヒーをグラスに注ぎ、そこへ冷水、レモン汁を入れ混ぜる。次に……」
そう言いながら、大家さんはまた冷蔵庫の前へ。
冷蔵からはボウルに入った生クリームを取り出した。下の冷凍からはいくつか氷を取り出す。それらを持って、グラス前に戻ってきた。
「氷を入れてから、コーラを注いだら、一番上に七分だてにした生クリームと……」
大家さんは目の前にある材料から、目で何かを探し始めた。見つかったのか、それを手に持つ。
そして、小さなナイフでそれの皮を切るのだった。
「はい。これで完成」
大家さんがそう言って、作業をやめた。作業で丸くなっていた上半身をピンと伸ばすと完成したグラスが見えた。
あたし達は改めてグラスコップを見ると、生クリームの上に、最後にナイフで切った黄色い皮がトッピングされていた。その黄色い皮はレモンで、それが飲み物の見た目のアクセントになっている。そして、透明な琥珀色したグラスのみかけが、とてもきれいに感じられた。
グラスの中では、コーラの炭酸がシュワシュワとしているのが、たまらなく喉を刺激される。今すぐにでもいっきに飲みほしたくなるのだった。
「この飲み物の名前は?」
「コーヒースカッシュだよ、ふたりとも飲んでみるかい?」
「いいんですか?」
「ああ」
そう言って、グラスにストローを2本さしてくれる大家さん。
大家さんからグラスをもらって、あたしと弥生は交代でコーヒースカッシュを飲んでみた。
先に飲んだ弥生が感想を述べる。
「すごく爽やか、レモンの汁とコーラがよく効いて、コーヒーじゃないみたい」
続いて、あたしもひと口飲んだ。弥生が言っている感想に納得。
「うん。コーヒーの苦みが消えてる、ジュースみたいにおいしい。これなら子供でも飲めるね」
感想きいた大家さんがあたし達ふたりに、微笑む。
「これはあまりコーヒーを飲まれない年代の方や、夏の暑い日におすすめなんだよ」
「ホントに飲んでみると、納得ですね」
と、弥生は満足げな表情で言った。
インスタントコーヒー 小さじ1
冷水 50ml
レモン汁 小さじ1/4
コーラ 100ml
生クリーム(七分立て)大さじ1
飾り用レモンの皮(千切り)適量
■作り方
[1]グラスにインスタントコーヒー、冷水、レモン汁を入れて混ぜる。
[2]氷を加えてコーラを静かに注ぎ、生クリームをトッピングしレモンの皮を飾る。