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第1杯 新生活はじめました。

 あたしは大学合格と同時に何ヶ月も4月からひとり暮らしする為の部屋を、大学近くの街で探していた。

 そんなある日、突然――――それは目の前に現れるのだった。


 小さな道路前を横切ろうとした時、あたしの視界にCafeを設けているハイツが、とび込んでくる。

 その素敵な雰囲気が気に入ったあたしは、すぐに物件があるかを、街の賃貸ショップに問い合わせた。

 まだ空き部屋がある、とショップの担当者に聞いて即決で住むことを決めたのだ。


 それがあたしの新生活の始まりになった。

 大学を終えて、まっすぐに帰ってきたあたしは、部屋で講義の復習を踏まえ、ノートにわかりやすく今日学習した事をまとめていた。


 ふと、視線が静かな部屋に向く。

 自分以外誰も居ない部屋。あるのは実家から出る時に持って来た家具だけ。 当たり前だけど、この部屋からは人が話す声、テレビの声などが聞こえない。

 急に実家のにぎやかさを思い出し、急にさびしくなる。

 そんな静かな雰囲気にいたたまれなくなり、あたしは部屋を出るのだった。


 部屋があるのはハイツの3階部分。

 3階は女性しか住んでないし、男子禁制でもある。それにドア前の廊下を進んで階下に続く前の階段には約4メートル程の鉄柵。

 鉄柵にはご丁寧にも頑丈そうな錠が取り付けてある。


 それを見て思い出す――――あたしがこのハイツに住む前に賃貸ショップで説明された事を。


「えーと、それではですね、宮野董子さまご契約前にご確認ですが、こちらの物件はまずおひとりで住まれる事。異性の出入は禁止である事。住人同士の恋愛は禁止である事を条件にお貸しさせて頂いております。その点をご了承頂いてのご契約でよろしかったでしょうか?」


 目の前にいるショップの店員があたしに最後の契約の確認をする。

 にこやかに答えるあたし。


「はい、大丈夫だと思います」

「では、最後こちらにご捺印お願い致します」

「あっはい」


 店員に促がされたあたしはテーブルにある契約の書類に判をおす。それからハンコに付着した朱色のインキを拭いて、鞄になおしながら、あたしは鍵の事をたずねる。


「部屋の鍵はいつ取りにくればいいですか?」


「ご入金を確認致しましたら、部屋の鍵と階段を上がった廊下前にある鉄柵の鍵をお渡しとなりますので、こちらからお電話さして頂きます」

「えっ鍵って、ふたつもあるんですか?」

「そうでございますね、その階の住人の方にお渡しする事になっておりますので」

「そうですか――」


 店員がホッと胸をなで下ろす様子が気にはなったけど、あたしはそれよりもハイツが気にいっていたので、深く考える事もなく了解した。

活動報告更新(主に更新予約時間お知らせなど)Choco 2011.1.13

少し文章を修正。              Choco 2011.2.18

中編から長編ゆっくりお話が展開します。

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