始まりの始まり7
転送しリリーが心配でキャリーケースを見ると収納した花の数が減ってなく、ご飯しっかり食べなかったのかと心配しなり慌ててリリーを出すと、
「きゅ?」
普通に元気だったので存分にモフりながら考察するに多分だがこの中に入ってる間は時間が止まっているのではないか、だからリリーが食事をしていないのではないかなどといろいろ考えたが……まあリリーが元気だから良いかと深く考えるのは諦めた、
「よし!リリーとりあえず散策を続けるか」
「きゅ!」
いや~リアルがすでによくわからない状況でストレスマックスなのでもう今日は現実逃避してリリーと散歩でもしながら気晴らしだとのほほとした雰囲気全開で歩いているとトラブルがこんにちはしてきやがった!
キンキンとなにやら金属音がぶつかり合う音が、音の方へと歩いていくと小型の二足歩行の鳥型モンスター?同士が戦っていたので急いで身を隠した。
ケンカ?
そう思っていると、やがて片方が倒れて生き残った方が凄まじい雄叫びを上げ、その大きさにびっくりして尻もち着いた瞬間モンスターがこちらに気づいたらしくボロボロの剣を片手にこちらに向かってくる!
やばい気づかれた
どうする!?リリーは一撃で死ぬから戦えない……落ち着け状況を整理しろ、相手は満身創痍だがこちらはレベル1ほぼ赤ちゃん状態、接近戦では不利だ……まだ相手は音でこの位置を把握してるだけ……遠距離攻撃……石を使うか?いや攻撃力が低い……となるとあの倒された敵が持っている剣で足りない分を石でがベスト!
見つかれないことを祈りながら忍び足で倒れてる敵の方へ移動する、
慎重に
慎重に……
相手との距離を見ながら……今だ!
倒れてる敵の剣をもぎ取りこちらを認識していない敵の背後を剣が襲う、そして念のために落ちてる石を拾い闇雲に投げつける、リリーも口に含みそれを吐き出してくれている……
そして、敵は動かなくなった……
助かった喜びと、そして二足歩行の人型に近いということもあるのかもしれないが敵を殺してしまったという罪悪感……
裏世界という場所に存在するものが生物なのかわからないがリリーを見る限りちゃんと意志がある、それを殺したことに変わりない……そんな風に思っていると、
「きゅ~きゅきゅ~♪」
俺の頭の上でリリーが歌い出した、それは不思議な歌で不思議と落ち着き元気が出て来るような感じがした、
ステータスを確認すると
ホワイトラック
リリー
レベルUP 15
HP 130
MP150
スキル幸運の象徴
状態 順属
ソングマジック:歌に魔力を流し使う魔法
ランク3
癒しのメロディー
→少量HP回復及びバッドステータス回復(弱)
惑わしのメロディー
→一定期間相手を操ることが可能
忘却の唄
→一定時間身を隠せる
レベルUPしていたことも驚いたがリリーが心配してきっと癒しのメロディーを歌ってくれたのだろう……
「ありがとうリリー」
「きゅー♪」
嬉しそうに、俺の頭で鳴くリリー白いフワフワの体をピョンピョンと跳ねながら黒い目で褒めて~と言わんばかりに見つめてくる。
「そうだな、うん!ここは現実の世界とはちがう……強くならないと」
そう思いながらこの気持ちは忘れちゃいけないと倒した敵を拝みながら立ち上がると、
「きゅ~!」
リリーが付いて来てと言う感じで鳴き、ピョコピョコ歩きだした。
少しいくと鹿の様なモンスターとそこから少し離れたとこにダチョウの様なモンスターがいた。
するとリリーは少し離れた岩場で止まり歌い出した。
「る〜る〜♪ ら〜ら♪」
リリーが歌い出すと鹿の様なモンスターがダチョウの様なモンスターに向かって動きだした。
「リリーもしかして操っているのか?」
リリーは歌いながらこちらを見て顔を上下して答えた。
しばらくすると鹿はダチョウに向かい突撃をかました。
ダチョウは不意打ちに避けることも叶わず跳ね飛ばされ、鹿はさらに追い討ちを掛けるように倒れているダチョウにのしかかれダチョウも反撃を試みるが上手く決まらず一方的にやられている。
これで終わったかと思った瞬間……
「キー⁉ 」
ダチョウが雄叫びの様な甲高い声で鳴いた
ドドドド
すると俺たちの背後から地鳴りがした…
そして10羽ほどダチョウ達が現れた!
あまりの迫力にリリーは驚き歌うのを止めてしまい鹿は逃げてしまった。
まずい…
ダチョウ達はこちらに向かい戦闘態勢
「集団でやられたらかなわないぞ、リリー逃げるぞ」
「きゅー!」
逃げるか……足は向こうが早い…
このままじゃすぐ追いつかれる……
…なにかないか、そのとき人が一人入れそうな小さな洞窟のようなモノが視界に
あそこなら……先ほど投げたボロボロの剣を回収して全力で洞窟に滑り込み臨戦態勢をとる
洞窟の入り口で顔だけしか入れず渋滞を起こしてる顔をボロボロの剣でぶっ叩く!
「喰らえ!」
無我夢中で鳥の顔面を殴り倒したが、次々と入れ変わる常に一対一とはいえ数が多すぎる相手の攻撃に合わせて嘴で攻撃してくる
「リリー 回復を」
「きゅー!」
リリーが歌い出しなんとか微々たる量ではあるが緩和してはいるもののモンスターも諦めてくれない……このままじゃジリ貧だ!なんとかしなきゃ、
その時背後から
「なにやってるの? 助けてあげましょうか」
花の匂いと女性の声が聞こえた…