始まりの始まり6
そして昨日乗った車でそのまま基地へ向かい施設内を歩いていくといかにも重役という机の上にネームプレートがあり轟長官という超威圧的な筆文字で書かれておりそれに相応しいくらい圧力を放つ人物から放たれた一言が
「正式に君の配属先が決まった、君はこれから清水学園にて教師になってもらおうとおもう」
「ふぁあ?」
思わず変な声が出てしまった
「まぁ驚くのも無理は無い、そんなに大事に考えなくても大丈夫だ……私たちが運営する育成施設の学園に副担任として配属してもらう……ただしそれは表向きだ」
「教えてるってなにを……あと表向きとは?」
「君の本当の仕事はそのクラスにいる3名のエースクラスの候補生の救援及びサポートだ、先日のテストから君が裏世界で短時間ではあるが高いステータスのユニットを動かせ能力があり、更に戦略性も素晴らしいモノをもっている……君にはプロトタイプの素体を使い彼らの成長を促す役をしてもらいたい」
「素体?テスト?すみません急展開過ぎて全然わからないのですが」
「そうか、まだ説明してなかったな……われらは裏世界へ行くにあたり直接行くのはリスクがある為、肉体ではなく疑似ユニット「素体」を投入することにした、この素体は動かすためには体力ではない意志の力とでも言ったら良いか…君はゲームをやるのだったな」
「はい」
「ならMPと言った方が分かりやすそうだな、素体が強固なほど必要MPが多く高性能のものほど稼働時間が短すぎたり、そもそも機体の性能について行けなかったりして動かせない問題があった」
「わかるような、わからないような」
「その後、試行錯誤を繰り返してでた結論が、裏世界での討伐を通した経験、ゲームで言うところのレベル上げをすることでMPが強化されていくといことがわかった」
「……」
「君は昨日の試験を覚えているかね」
「あのゲームですか?」
「そうだ、君は当初投入予定であったプロトタイプの素体を動かすのと同じ負荷がかかるように設定していたのだが、そのデータを見る限り短期であれば君は高出力で機体を維持できることがわかっている安心してくれ君には才能がある、それを若い彼らの成長の為に貸して欲しい」
「あのゲームが…」
というか短期でしかMPが持たないってどういうこと?集中力ないってこと?
あと俺も若いんですけどそんなに歳はとってないけど
「君には表向きは副担任という形で居るだけで特に何かするわけではない精々なにかの教科を教えてもらう程度だ……その質は問わない、サポート役に徹して欲しい」
「出来るんでしょうか私が……」
「現在誰も動かせなかった高性能プロトタイプ機を君仕様にチューナナップしているあの機体なら問題ない」
「え?」
「あと言い忘れたがサポート役で常にスタンバイしてることは秘密にしておきたい……常にセフティーネットがあると思うと成長の妨げになる、くれぐれも秘密裏に君は動いてもらう」
「はあ…」
話が急展開すぎて何が何やら…パニック!
「では、学園に向かおうか」
「ちょっと待ってください、なぜそれで先生なのですか?」
「それは、彼と常に行動しても怪しまれず観察もできある程度の自由もきく」
「わからなくはないですが教員免許ないですよ」
「そんなものはどうとでもなる、さあ行くぞ」
「え?えええ!?」
こうして俺の就職がきまった……
清水学園に向かう車中
「高井君、我々は選ばれた存在なのだ だからこそこの力を有効に使い平和を導かねばならないのだ、そして侵略者は我らより高度な技術で侵入してきている時間がないのだ」
まるで政治家の演説のようだ……
昨日の今日でこの状況……
お互いの主張は矛盾してるどっちも正義だと主張する……
どっちが正しいの……わからんわ~~~
考えることに疲れて爆発したので現実逃避で学園に着くまで空を見上げてぼーっと考えていたら小高い丘の上に歴史がありそうな古い洋風な校舎が見えた、
そして学園の前には役所のお偉いさんみたいな俺たちを笑顔で出迎えた。
「お待ちしておりました、轟理事長」
「ああ、昨日説明していたとおり、彼も臨時職員として派遣する」
「はい、わかりました…」
「高井くんこちらは、この学園の学園長している桜井君だ」
「はじめまして高井大介です」
「おお、君が高井君だね、よろしく頼むよ」
なんとも言えない嘘くさい笑顔で手を差し伸べてくるので、こちらも作り笑いで握手をしたが……不安だ、
学園長室でいくつかの書類にサインして手続きをすませたあと櫻井学園長から
「君には2年3組の副担をしてもらいます、担任は涼風先生ですので、この後挨拶をして来てください」
「涼風先生ね…」
もう 驚きませんよ…
職員室に向かう為に理事長室を出ようとすると、轟理事長も帰るのでと言い一緒に部屋を退出した
「高井君 もうわかっているだろうが、涼風というのは君も知ってるウチの職員だ、詳しくは涼風が説明してくれるだろう心配はない、我らはこの地球を守る為 戦力をつくそうではないか」
そういって豪快笑っているが……不安しかない
その後、轟理事長と別れ職員室に向かい同僚となる方への簡単な自己紹介等を済ませると、暖かく迎えてくれてる雰囲気に安堵したがここにいる人がほとんど組織の人と思うと何とも言えない怖さがある、
すべては手配済みってことですか、権力があるとなんでもありですか〜
苦労した就職も長官の一言で決まる、なんだかな…
担任の涼風さんと合流しクラスへ歩きだした。
「ようこそ清水学園に、今日から私と一緒にクラスを受け持ってもらうわ」
淡々と状況説明をする涼風さん
「はい」
「あと、このクラスには裏世界へ向かうメンバーがいることは知ってるかしら?」
「はい、先ほど轟理事長から三名いると」
「ええ、それで間違いないです、三名の名前は北原慶次、宮本波江、マイケル-ハートよ、彼の特徴など教師をしながら見極めて今後の作戦に生かしてください」
「はい」
「昼休みに彼らとの時間をとるから、詳細はその時に」
話しているうちにクラスについた。
目の前には普通の学校とかわらない感じで20名ほどの生徒がいた、
「はい、皆さん蓼科先生が家の関係で急遽退職されました」
ざわつくクラスを見ながら内心
(家の事情ね…どんな手をつかったんだか…)
「高井先生 自己紹介を」
「はい、えっと高井大介と言います、不慣れ点もあるかもですが、よろしくお願いします」
俺が自己紹介してるその時
ガラガラ
クラスの扉が開いて茶髪の青年が入ってきた、そしてそのまま何もなかったように席に座った
「北原君遅れてきて何も言わないのですか?」
北原は悪びれもせず外を見ている
「これ以上 問いただしても時間の無駄のようね、高井先生 話を戻しましょう」
「はあ…」
良いのかよ!ほっといて
「では 自己紹介を」
自己紹介を行うと生徒からいろいろ質問攻め、まるで転校生が来たときのような盛り上がり若さってすごいなと思いながら、さっきまだ若いと言ってた自分が歳をとったな~とおもった瞬間でもあったが、すぐに俺はまだ全然若い久しぶりだったからそう感じただけと自己肯定をしながら受け答えをしていきあっという間にホームルームの時間は終わり、その後 俺は給料の振込先などの細かな確認などをおこなっているとあっというまにお昼休みとなり涼風先生によばれ職員室で3人を待っていると
「失礼します」
声のする方を見ると3人の生徒が入ってきた。
先程見たやんちゃな感じの青年北原、次に優等生そうな金髪の生徒、活発そうな女子が1人だ。
「こちらへ」
涼風先生が応接室の方へ彼らを誘導する、そして椅子に座ると
「あなた達には初めて説明するわね、こちらが今日からこの学園に配属された高井先生よ、私と同じ組織に配属されているから今後は二人体制でバックアップしていきます、今まで私が居ない時に対応できない面もあったけど今後は私が居ない時は高井先生に連絡してちょうだい」
「高井です、よろしくお願いします」
「北原だ」
「宮本です!よろしくです」
「マイケルです」
三者三様の挨拶がかえってきた。
「高井先生は任務遂行により学校生活で弊害が君達起きないように、生活面など君達とは連携を密にとることになるから、協力して下さい」
「まあ、せいぜい足引っ張らないように頑張ってくれよ」
「ちょっと北原君」
宮本さんが止めに入る。
この北原、大人舐めてませんかね…!?
「宮本さん、彼の言い方は問題あるが、本質は間違っていない」
「そうかも知れないけど」
マイケルが淡々としゃべり出した
「我々は人類を救う為に行動しているのだ、他の問題は彼らの仕事だ」
「うん…」
「では連絡事項は以上のようなので、私は予定があるのでこれで」
そういうとマイケルは早々に部屋を出て行った、
「んじゃ、俺も昼寝するから」
「ちょっと待ってよ、先生ごめんなさい」
そういうと3人はいってしまった
「まぁ いろいろありますが、高井先生よろしくお願いします」
涼風先生なんかいろいろと諦めてらっしゃる?…⁉︎
放課後は初日ということもあり、学校の施設の方に挨拶をしたり、他の先生達と些細な話をしたり歓迎会を開くからと言われ日程を聞かれたりとバタバタと1日は過ぎて行き定時に帰宅した。
ふーつかれた〜
社会人1日目何が何だか分からんが大変だったし、これからいろいろ苦労しそうだ…
はあ〜〜
それにしても、意味がわからないことだらけだ!
片方では組織は危険だからコアを守れとか言われるし
片方では地球の為にコアを探す少年たちをサポートしていけとか
どっちが正しいんだ!
俺は床の上をゴロゴロしながら悩んだ…意味はないけど
それからコンビニに行き弁当やらを買って晩飯を食い一段落つくと
悩んでも仕方ない!と気持ちを切り替え
「とりあえず!情報収集だ!そして裏に行ってリリーをモフろ!」
転送!