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優しさは否定されるのか8

俺は村につくとラッタさんのトリップハウスに向かった


「うお!」


中に入って驚いた、先日とは違い結構な人数が居たからである


「お泊りですか?お食事です?」


「ラッタさん!」


「はははは、冗談ですよ なかなかの盛況ぶりでしょ」


「ええ 驚きました」


「まあ ここら辺にはトリップハウスが少ないのもありますし、精霊のトリップハウスって噂も広まってこの通り」


「すごいですね」


「まあまあですかな 後で紹介したい人もいるのですが その前に吾輩に用がありそうですな」


「ええ 実は・・・・」


これまでの経緯をラッタさんに話した


「ふむふむ なるほど」


ラッタさんは頷きながら話を聞いている


「では 彼らの為にも良い街にしないとですな」


「ええ」


ラッタさんはそういうと軽くほほ笑み だれかを手招きしている


「人が増えるなら丁度よかった」


木の杖をもった若い女性、肌は薄緑と白を混ぜたような色、髪は長く服は葉っぱをおり合わせたようなスカートとセータの上着をきている。


「はじめまして あなたが高井さんかしら」


「はい はじめまして」


「ふふふ ラッタ殿聞いた通り良い流れをお持ちで」


「流れ?」


「ふふ あなたを取り巻く流れ 私にはみえるのよ」


「こちらはヴィリジ 木の妖精です」


「はじめしてヴィリジよ」


こちらさまも妖精とは


「はじめまして 高井です」


「ふふ そんな緊張しなくて良いわよ」


「彼女は昔の知り合いで、この近く森に住んでいまして先日ひょっこり来まして話しているうちに一度高井殿に会ってみたいと言っておりまして」


「そうなんですね」


「ええ、この方なら先日のお話受けても良いですよ」


「おお それは助かる」



「あの~」


「おお 説明せねばならないですな、先日この町への協力を要請したんですよ」


「ええ、領主さんがどんな人か会うまでは保留していたのですが 合格ですよ」


なんだかわかないが とりあえず合格らしい


「ありがとう ございます」


「それでは彼女と協力してこれから来る住人の為に家をつくりますか」


「あら もう人があつまるのね さすがね」


そこから今までの旅の話をひと時してヴィリジさんは帰宅した。


「よかったですな、彼女はあなたを大変気に入っていたようですよ」


「はあ そうなんですか どこが良いのか」


俺自身の弱さや、先日の学校での情けない自分のことなどが頭をよぎる

そんな俺を見て


「なにか 悩んでるようですな」


「あの その」


「ふむ いろいろありそうですね、そういう時はあれこれを悩むことより一個づつのが良いですよ」


「はい 今一番悩んでるのが私は時折自分の里に戻って先生をしているのですが、うまくいかなくて自分には資格がないんじゃないかって」


「その先生というのはどんなものなのかな?」


「えっと子供たちを指導し行く職業なんですが」


「ふむ職業の内容は分かりました、その先生という文字の意味を教えてもらえますか?」


え?言葉の意味


「えっと文字の意味ですか?先に生きると書いて先生ですから」


「なるほど そこまで分かれば問題ないです、良いですか言葉や文字には謎を解く大きな

ヒントがあると私は常に考えているんです」


「はい」


「先ほどあなたは自分に先生としての資格があるかと言ってましたが、あなたは子供達より先に生きている時点で資格はある」


「いや でもそんなことを言ったら俺じゃなくてもだれでも・・・・」


「そう、でも君は資格があるかどうかを気にしていた。」


「はい」


「先に生き経験を積んだものが 先生 だとしたら君にもできる、君の先に生きた経験を伝え、もしわからないなら一緒に経験を積めば良いのではないか?先ほどの印象だと失敗や上手くいかないことを資格や才能のせいにしてないかな?」


「そうです」


「領主もそうですよ、領の主という資格をあなたは手にした」


「でもそれは」


「偶然だったのかもしれない、でも今あなたは領主だ その領主が才能がないと嘆いて落ち込んでいたら領民はどう思います?」


「・・・・・」


「先生の下にいる教え子はそんな先生を認めてくれますかな?」


「認めないと思います」


「失敗やうまくいかないことは幾らでもある、もちろん運や才能が始めるからあるのもいる、でも大概はみんな何かしら壁にぶつかって悩むものですよ」


「はい」


「君はまだ壁に触れたばかり、これからですよ」


「そうかもしれません」


「あたってきなさい、倒れそうになったらまた支えてくれる人がいる 周りを見る目があれば それは私かもしれないしまだ見ぬ誰かかもしれない、だが今は私が支えましょう困ったらいつでも来なさい、だから今は思う存分あたってきなさい」


「はい、がんばってみます」


「うんうん、それでいい」


「ちょっと行ってきます」


「いってらっしゃい」


ラッタさんは笑顔で俺を送ってくれた


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