始まりの始まり44
丸山って確か…この前きまった新歓祭の実行委員だったな…
急いで保健室へ運んだ
「軽い貧血とあとこの子たぶんあまり寝てないわね」
保険医の桃井先生が診断してくれた
「そうなんですか」
「ええ 断言はできないけど、なにか悩みとかあるかしら」
何か問題があったのだろうか…
ガタ
ドアが開き宮本が飛び込んできた
「先生丸山さんは!」
その音に丸山が目を覚ました
「あ 私一体」
「バカ!倒れたのよ、根つめすぎだって何度も言ったでしょ!」
宮本が丸山に対して怒っている
「ごめん、戻らなきゃ」
「今日はもう帰った方がいい」
俺がそう言うと
「でも、まだ新歓の作業が」
「いいかげんにしなさい」
静かに言い放つ そして酷く冷徹な目を丸山に向けている。
そして
「今日は帰りなさい」
低い声で 宮本はそういうと出て行ってしまった。
「桃井先生あとは頼みます」
保健室を飛び出して走り去る宮本に
「宮本」
「先生 何か用ですか」
なんというか冷静なんだけどその底にある怒りが感じ取れる。
「ちょっと言い過ぎじゃないか?」
「彼女にとっては良い薬でしょ、これで治らないようでしたクズの仲間でしょうが」
何かキャラが変わってらっしゃる
「でも 彼女は一生懸命やった結果…」
「一生懸命?たしかに一生懸命かもしれませんがそれで周りに迷惑を掛けていたら意味がないでしょ、ああいうのが一番ダメな人間なんです」
「そこまで言わなくても良いんじゃないか」
「優しさ?違いますね…人に親切にしていれば嫌われない、良く見られたい、自分を否定されたくない…だから優しいんですよ」
「それは違うんじゃないのか」
「優しい人は付け込まれやすいんですよ、利用され良いようにあしらわれ、気づけば自分すら守れない上に周りにも被害が及ぶんです…」
「それは断じて違うぞ」
「じゃあ 今日の放課後 新歓の作業を先生がしてみればわかりますよ!なにも見てない見せかけの先生には何も見えてないんです!」
そういうと宮本は行ってしまった。
事実放課後に準備の為にクラスに行ってみるとすべての進行は丸山に丸投げされていた。
正直今の段階で宮本の発言を否定する材料はどこにも無かった。
流れで先生になったものの…俺は仕事を何も出来ていなかった




