始まりの始まり41
「それ私に献上しなさい」
「イヤです」
なんでこうなった…
事の始まりはギルドを後にして城に入ったのだがその時、城下を見ていた姫があるモフモフを見つけてそれを所望した…
「み〜」
「る〜」
リリー達もイヤイヤ!と言ってるようだった
姫は12〜13歳という感じで、まだ幼く青い髪を横に束ねた子だ
確かにこの位の子にはリリー達は可愛くて仕方ないかもしれない…
「姫様が所望している、金ならそちらの希望の額を払おう」
家来の方からも金で揺すられています
一体どうすれば…
助けを求めファンさんを見ると…
頭を抱えてらっしゃる…
こうなったら…
「ごめん!ファンさん」
ファンさんの手を取り
「リリー!クロ!」
二匹に声を掛けて!
困ったときの奥義! とんずら!
「すみません!」
俺は一言謝ってダッシュして逃げた!
用事を済ませてとっと帰ろう!
ギルドに言われた俺を呼び出した戦士長の部屋を探した。
なんとか周りに聞きながら探し部屋に入ると屈強な男が待っていた。
「初めまして高井です。こちらにいるのは旅の仲間です。」
「初めまして私はシャインこの国の戦士長だ、話聞いた英雄のイメージとは違うな」
なんか偽物みたいな目で見るは止めて欲しい…
その後 戦闘の状況などを細かく聞かれたが…
とりあえず適当に誤魔化した!
「ふむ…まあ話はわかった、今回君来てもらったのは魔物の強い暴化していてその助力を頼みたいという件で…」
こんなところに長居してたら姫追手が来てしまう
「すみません、少々先を急いでおりまして」
「それはすまなかった…」
そのとき戦士長の兜の右耳がピカッと光った。
「少々すまん」
戦士長が兜に手を当てて話している。
「は! ええ確かにテイマーのようです、本当ですか⁉わかりました。」
イヤな予感…
「高井殿 国王がお会いになるそうだ」
りりー、クロ…
ピンチかも知れない…
「み…」
「る…」
俺は王様の謁見室に通された、
そこには案の定あのお姫様がいらっしゃった
「そちが高井か儂はこの国の王ライズ2世」
少しやせ形でりっぱな髭をした王様が玉座に腰かけながら話しかけてきた。
「はい、冒険者の高井です」
「この度は ランクの高い魔物を撃破しとか」
「はい たまたま運がよかっただけです」
「ふむ、そちの力ではなく運か・・・聞けばまだ新人らしいの」
「はい 先日 冒険者になったばかりで」
「ふむ、それではいろいろと金銭面など、そこでじゃそちの使役しているモンスターを姫に売ってくれぬか」
そうきたか・・・
「いえ私の大切な仲間ですので お金にはかえられません」
姫様がふくれ面で騒いでいるのが聞こえる。
「気持ちはわかるが、そこをなんとかならんか」
「申し訳ありませんが」
断ると王様の顔が険しくなってきた
「儂が頼んでいるのに断るのか」
「……」
俺は無言の返答をした。
「良い度胸だの…」
「こればかりは譲れません」
王の顔が赤くなってきた。
沈黙を続きそして痺れを切らした王が
「…まあ良い」
えーっ と姫が言ってる
黙れ小娘!
「褒美は結構ですので失礼してもいいでしょうか」
「いや 褒美は与えよう、ここから南東に陸続きの島に村があるそこのエリア領主に任命する」
なんか周りが苦笑しだした。
俺が黙っていると
「これまで断ることは言わんだろう余の好意を」
「…わかりました」
これ以上もめるのも嫌なので早々と帰りたかった。
「詳細は即刻ギルドを通し書類等を渡すようしておく」
嫌な笑い方をしてるのが気になる…
俺はそれを聞くと急いで城をでた
後ろで姫が騒いでいるが見て見ぬふりをした
街に戻り
「助かった〜」
「るー!」
「みー!」
リリー達も安堵した様子
「ほんとあんたトラブルメーカーよね、でも王様にあそこまで対応できたのは褒めてあげるわ」
ファンさんも安心した様子だ。
俺は宿に行きレッドさんに詳細を話すと
「あのバカ息子の子はとんでもない我儘に育っておるの~」
呆れた顔で経緯を聞いている
「あと 報酬ももらったのですが なんでも陸続きの小島のエリア領主にしてくれるらしいです」
「……」
レッドさんがこっちを見て固まった。
「まさか受けたのか!」
レッドさんがようやく言葉を発する
「はあ 早く外に出たかったので」
「むむ~ハメられたかもしれないの~」
レッドさんが頭を抱える
「なにか問題でも?」
「エリア領主は名誉なことで通常であれば大出世なのだが周囲のその笑いを聞く限り・・・」
ものすごく難しい顔をしている
「エリア領主というのはその土地の言わばトップじゃ、もちろんそこで発生した利益も手にできるが、問題がある場合はそれに対処せねばならん 改善が認められん場合は罰金等があるのじゃ 年に一回丁度 今月がその月じゃ」
「まさか・・・・」
「うむその罰則の肩代わりにリリー達をせしめる算段だろう、ちなみに検査するのは連合の職員だからそこは公平じゃ」
「まずいわね・・・」
ファンさんも頭を抱える。
「とりあえず行ってみるしかないの~」
「そうですね」
「転送カードはもらったのかの?」
「転送カード?」
「領主はどんなに離れても一瞬で領地にもどることができるのじゃ、それを実行するためのアイテムじゃ」
「詳細はギルドにすぐ送るって行ってましたから」
「ギルドにいくかの」
俺たちはギルドに向かった 職員さんが俺をみるなり苦い顔をする
「この度は…これが領主に関する詳細とアイテムです」
俺は一式を受け取るとレッドさんにそれを渡した。
「!」
レッドさんが目を見開いている。
「高井大変じゃ 監査団が来るのは今日の夕刻じゃ」
「え~~!」
「すぐ行くじゃ このカードをつかうのじゃ」
俺たちは急ぎ小島に向かった。
なんじゃコレ!
そこには唖然とする状況が広がっていた。 村だろう広場にはゴミが山となっており
人が一人もいない。
「やられたの~」
レッドさんが呆然とする。
「み~」
「る~」
リリー達も完全に落ち込みモード
「むむ これはひどすぎるな 地形も良くない ゴミは山盛りせめてこのゴミだけでもなんとかできればかなりの改善状況をアピールできるのじゃが」
ああ~~~やっちまた~
こんな大量のごみどうしたら良いんだ。
ファンさんが俺の肩を掴んだ
何か良い案が!
俺が期待の目で見ると!
「高井・・・にげましょう!」
ですよね~
「無理じゃ一度登録されたらにげれん」
レッドさんが止めを刺す。
ああもうこの世界に廃品業者とかないのか・・・・
?
廃品回収か・・・・・ ニヤ
「神様出番です!」




