始まりの始まり26
内容が決まったのは良いが……
それだけでそこから進まないというかみんな何やら理由を付けて逃げて行ってしまった。
残されたのは学級委員長の丸山ナミと実行委員の宮本だった。
組織が忙しい宮本が実行委員になっているとは思わなかった。
「先生どうしましょうか?」
「そうだな〜 しかしみんなやりたいこと決めたら、さっさと帰ってしまったな〜」
「まあ、そんなもんですよ、面倒くさい部分にはあまり関わりたくないんですよ」
宮本はそう苦笑しながら答えた。
「なんか〜美味しいとこだけやられてる感じで、嫌な感じ〜」
委員長はふくれっ面である。
「まあ、効率の良い人が勝つような世の中よ……」
「まあでもアレだ、苦労したらその分経験値が溜まって自分の力になるからな」
俺なりにフォローしたつもりが
「必要ない経験積んでも、必要な所に経験がなければ認められないんですよ」
宮本にばっさり切られ
「そうだ、そうだ!」
委員長がそれに賛同の声を上げる。
「それならなんで実行委員を…」
「ほら、先生早く話を進めましょう」
うむ〜話を宮本に遮られてしまった。
「あーもしかして先生話長引かせて、遅くなったからって送ってあげるとかいってそのまま……」
茶化すように委員長がいってくる
「んなわけあるか!」
急いで否定するが宮本と委員長の面白がってからかってくる
「無いからマジで」
「ふふふ、先生かわいい」
委員長達は爆笑
「大人をからかうな!」
そんなこんなで、結局映画のセットの中で映画を見ながら軽食を提供するということになり、映画の脚本などを宮本、喫茶のメニューや衣装などを委員長、その他雑用、物の手配は俺が担当となり後日ホームルームでみんなに報告という形になりその日は解散になったが、みんな言うだけ言ってあとは押し付けるというカタチになんだかモヤモヤしながら
癒しを求めて裏世界へと飛んだ
裏世界へ着くと広大な平原で休憩しており、丁度出発する前だったこともあり丁度良いタイミングで合流できた。
抜ける青空と緑の中をひたすら走るのは気持ちがよかった。このまま何も考えどこまでも走っていたいと思えるほどだったが途中休憩していると
バッチン
「遅いわよ、どこでさぼってたのよ!」
「いえ・・・さぼってたわけじゃなくて」
「いろいろ大変だったんだよ」
「あら?何かあったの?」
「いや~なんていうかね、良かれと思っていろいろアドバイスしたけどなかなか伝わらなくてね」
「ふ~ん、もしかしたら相手に取っては余計なお世話だったのかもね~、あんた自己中だから」
「え?俺自己中なの?」
「まだ一緒に居て日が浅いから直観だけど自己中というか自己陶酔型かな~、お姉さんの感ってとこかしら」
「そうなのかな~」
「まあ 大いに悩みなさいよ」
そういってファンさんはリリー達をモフモフし始めた。
「う~ん」
休憩もおわりしばらく走ると急に
ズっガン!
衝撃が走ったなんと岩がくさむらから飛んできた。
「くっ⁈なんじゃいきなり」
レッドさんが周りを確認する。
「あれじゃ!」
指さした方にうさぎの様なモンスターが岩を耳で持ち上げて投げつけてきている。
「ロクビットか~あれは仲間を呼ぶからちょっとやっかいじゃ」
ロックビットはレッドさんの説明通り仲間を呼びだした
「よし手分けしてやるぞ 儂らで前方と側面をやるから、後方を頼む」
レッドさんが支持を出し即座に体制を整える。
「みんな行くぞ」
「リリー歌で俺とファンさんを隠してくれ、クロはエアピストルで敵を牽制」
俺とファンテさんで敵との間合いを詰める。クロがエアピストルで敵の岩を打ち抜き注意をひき付ける。
作戦通りリリーの歌で消えているので敵に気づかれず間近まで接近することができた。
「くらえ!」
「リーフストーム」
俺とファンさんの範囲攻撃で問題無く倒すことが出来た
「楽勝ね!」
「ああ あっちは心配するまでもないね」
レッドさんが瞬殺で敵を片付けた。
「おつかれだったの、しかしの~ちと困ったの」
レッドさんが困った顔をしている。
「さっきの岩の攻撃でマジックバンの修理をせにゃならん、急ぎはするがちょいと時間が掛りそうじゃ」
仕方ないのでしばらくこの場で待機することになった。
暇だったのでステータスをチェックすると
ステータス
レベル16→17
HP210
MP380
オリジナル流派開眼
打杖術レベル3
一点集中
覇扇
臥龍烈風
職業テイマーレベル7
意思疎通レベル2
ブースト
スキル:同情 悪運 弱者共感 平行管理 観察レベル2 偽善者 化神使い(初心) 神武一体
スカイラック
リリー
レベル1→8
HP200
MP250
状態 順属
スキル 幸運の守り神
ソングマジックレベル4
NEW癒しのメロディーレベル2 (回復力増加)
惑わしのメロディー
NEW 忘却の歌レベル2(効果時間増)
戦いの歌
破壊の歌
フルクロッコ
クロ
レベル10→13
HP200
MP190
状態 順属
スキル 浮遊
高速移動
エアピストル
NEW グラビティ(加重力で相手を抑え込む)
ふむふむ、俺とリリーは特にスキルが増えてはいないが底上げされた感じだ、クロはまた使えそうな技を覚えたな。
それからしばらく経ちなんとか再度出発をしたが、予定より大幅に遅れてしまい目的のトリップハウスにはたどり着けなかった。
「まいったの~このまま野宿するにはここは危険すぎる」
レッドさんがいうと
「うむ~このあたりには花族の集落があるはずじゃが、場所はわからんのじゃ」
レッドさんが言うと
「私知ってるわ」
「おお!ナイス ファンさん案内してよ」
しかし ファンさんの顔が曇っている。
「じゃが…ほんとに良いのかい?お主花族じゃがその……」
歯切れが悪いような物言いでファンさんに聞く。
「ええ、みんなの安全には変えられないわ」
俺はこの意味を知るのは村を訪れてからのことだった。




