始まりの始まり25
みんなの活躍で被害もなく何とか事態は治まったが……
今だにうずくまっているガラナに対しレッドさんは
「ほらたたぬか」
半ば放心状態のガラナはようやく立ち上がった。
「こんなはずじゃないんだ!剣だったら誰にも負けなかった!成績も良かったんだこれは何かの間違いだ」
此の期に及んで言い訳を叫びだした。
レッドさんはガラナの前に立ち
「お前さんは今の状況を把握していないのかい?いくら練習でうまくいっても結果はこれじゃ」
「これは何かの嘘だ!剣の先生だってお前が1番だといつも言ってくれた」
「それはお前さんに都合の良いことだけ言ったんじゃないのかの?」
沈黙するガラナ
「まあ どっちにしても今はそんなことは関係ない、現実から目を背けてもなにも変わらんぞ、お前さんのその過剰な自信で部下が何人か亡くなり、守らなければならない住民をも危険にさらした。」
「うるさい!あれは部下が弱いからいけないんだ!そうか、だから住民も巻き込まれたんだ」
「話にならん、自己満足の上に、周りに踊らされた者はこれほど哀れなのか…」
レッドさんはそのままガラナを放置し復興作業に戻った。
「俺は悪くない、俺は強いんだ」
ガラナの叫びが虚しく響くが誰も取り合おうとしない。
「彼が自分の世界しがみついている限りそれは大きな世界から隔離され続けて行くんだろう。」
レッドさんが唖然としてる俺に話掛けてきた。
「ええ…」
それからしばらくしてガラナは姿を消した……
レッドさんをはじめとするおじいちゃん達はは2、3日この街に滞在するとのことだったので俺は一旦 表に戻る事にし、 ファンさん、リリー達に帰る事を伝えようと探しているとクロが俺の肩に乗ってきた。
「みー♪」
「この前は活躍だったな、今じゃこの街ではちょっとした有名モンスターだ」
クロを見ると
フルクロッコ
クロ
Level1→10
HP150
MP110
スキル 浮遊
NEW 高速移動
重力魔法
ゼロ :重力を0にする
NEW エアピストル
空気の塊に重力を加え打ち出す
あれだけ活躍したから当然だな
クロを撫ぜてやると満足げに
「みー♪」
それから俺はみんなに事情を伝え表へ戻ったのだが…
時計を見ると!あと3時間しか眠れない!!急いで寝たが結果は今日も寝不足である…
「おはようございます」
「あ、おはよう」
何人かの生徒すれ違った、そんな中校舎で北原にあった。
「おう、北原おはよう」
「ああ」
煙たそうな目でこちらを睨む
「昨日の件だが…」
「ああ もう解決したから、長官がいろいろ手配してくれる、あんたはもう用無しだ」
「いや…」
「高井先生」
俺の背後で声がした
「涼風先生…」
「じゃ そういうことで」
そういうと北原は行ってしまった。
「高井先生ちょっと準備室に良いかしら」
「はい」
準備室に行くと涼風さんから圧を感じて思わず直立不動になった
「高井先生 長官も言っていましたが、彼らのメンタル面は我々が対処しますので」
「でも、教師として」
冷たい目をこちらに向ける
「高井さん、彼ら貴方とは違います」
「しかし」
「もう一度言います メンタル面は我々が対処しますのであなたは言われたことをして下さい」
それだけ言うと涼風先生は席を立って行ってしまった、
その後、日々の業務をこなしながらも……確かにゲームならそれでいいかもしれんがあそこには生きてる人たちが居て……でもデータだとしたら命と言えるのだろうか……
「先生!」
「ああ すまん」
いかんいかん今はホームルーム中だった
「でわ、新歓祭の出し物を決めますね」
新歓祭とはこの学校春の行事で、新入生が学校に馴染めるように行う学園祭の様なものだ。
それからしばらくガヤガヤし色んな意見がでた。
喫茶店、お化け屋敷だの青春だね~と思いながら聞いていると最終的に
「では 意見が多かった映画製作と喫茶店で投票を」
「二つやれば?映画喫茶とかにすれば」
この意見にみんなが賛同
こうしてうちのクラスは、映画喫茶になったのだが…
これが先生としての最初の試練になろうとは思いもしなかった。




