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始まりの始まり24

ムジンのことを考えながら ぼ~っとしていると


「何ボケてんのよ!ほら行くわよ」


ファンさんが声をかけてきた。


「行くってどこへ?」


「もう何を聞いているのよ!レッドさんの発案で被害にあった村の手伝いに行くって話をしたでしょう」


「ごめん聞いてなかった」


「ほんとにもうしっかりしてよ」


呆れ顔のファンさん、リリーとクロは俺の両肩に乗ってぴょんぴょん飛び跳ねている。


「わかった わかった」


その後、慌てて出発の用意をしてマジックバンに乗り20分位走り町の近くまでやってきた。


「酷いありさまじゃ」


緑色の服を着たもう一人のお爺さん、名前をリーフさんというらしい

そして彼が言う通り遠目に確認できる範囲ですら町の建物は粉砕され木々が倒され、あらゆるモノが壊れていた。


「酷い…」


つぶやくと


「ほんとね…」


ファンさんも頷いて何かに祈るような仕草をしている。

それから間もなくして村に着いた。


人々は家の片付けをしていたり、野営の病院の手伝いなど復興に向け作業をしている。

俺たちも手持ちの食料を使い炊きだしする事にした。


「少しでもみんなの力になればよいの〜」


レッドさんが率先して料理をつくり雑炊のようなものを作り配給を始めた。


「こちらで配給をします、宜しければ食べて下さいね」


俺も精一杯手伝いをした。

食料が不足していたようで、みんなから感謝されたが…


「冒険者の諸君 ご苦労、我はこの地の領主の息子ガラナじゃ」


「はあ、これはどうも」


俺は急なことで 対応に困ってしまった。


「ふん、それでじゃ お主ら食料を我に献上せよ」


「はあ?」


「なに心配するな、金なら」


俺はあまりの身勝手さに呆れていると


「お前さんにやる食料はないぞ」


レッドさんが穏やかな口調で言った。


「なんだと!金は払うと言ってるだろ」


「ふむ、お主この状況がわかっておらんのか?金なぞ今はなんの役にもたたんぞ」


「うるさい!世は領主の息子ガラナだぞ」


「だまらっしゃい、惨劇の前には誰もが平等じゃ」


「うるさい!黙れ」


ファンさんがしびれを切らして


「あんた領主の息子ならみんなに食糧配るだとか救済に力を貸しなさいよ」


「なんだと!オレはムジンの討伐に派遣されたんだ!そのオレに食い物を献上しろと言ってるんだ」


しかし、それを称えるモノは誰一人として居ない、そして住民からの白い視線が男に突き刺さる。


「くっ! ああ!オレが居ればムジンなど敵ではない!たまたま居合わせなかったからこうなっただけだ!俺が討伐してやる」


そういうと部下を連れ森の方へ、行ってしまったのでほっておいて瓦礫の撤去などをしていると、


「うあああ!助けろー!!」


森の方からガラナが逃げてきた…… モンスターを引き連れて!

突然のモンスターたちの襲撃により町の人は逃げまどい辺りは騒然とした。


「やれやれ・・・なんとも嘆かわしい」


レッドさんは額に手を当てながらモンスターへ歩み出した

俺達も分散し戦闘態勢に入ってたモンスターは少なくとも20匹 イノシシ型やオオカミ型それぞれが群れを成している。

リーフさんの目の前にモンスターの先頭を走るガラナが通り過ぎようとしたとき。


「またんか!」


首根っこを掴みガラナを止め そのままモンスターの目の前に投げた。


「ひ~!」


「戯けが、自分の起こした問題から逃げるでない!」


ガラナは蹲りもう何も聞こえてない様子だった。


「はあ、なさけない」


レッドさんは大きなため息をつくと


「ファイナサークル!」


群れを成すモンスターを一気に囲いドーム状の檻を作った。


「今じゃ!」


その言葉に他のおじいちゃん達が凄まじい攻撃を浴びせる。


「これは、俺の出番はないな」


誰もがそう思った時


バサ!


上空から巨大な鳥が襲撃してきた、その衝撃で建物が崩れその下には逃げ遅れた子供がいた、俺は何とかしようと走るが間に合わない


もうダメか


「みー!」


突如クロが光だし泡の様な球体が建物の崩れた瓦礫を包んだ


「おお」


周りから歓声が沸いた、なんとその泡が瓦礫を包みプカプカ浮いてるではないか


「クロあれはお前がやったのか」


「みー!」


そうかあれがクロの重力魔法か~すごいな


「みー!みー!」


クロがその瓦礫を鳥の頭上に移動させてそのまま頭上に落とした。


「おおお」


再び沸く観衆


「みー!」


クロは嬉しそうに声高々に鳴いた


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