始まりの始まり15
「高井君 今送ったMAPを見て移動速度の高いバイクモードで至急移動し、その後アーマード化し迅速に救援を行う流れで頼む」
「了解です」
「安全が第一ではあるがくれぐれも正体がばれないように」
「はい」
バイクに跨りプロト1起動した
「パターン確認・・・・・認証終了 マスターいつでも稼働可能です」
「プロト1 救援対象の位置をナビできるか」
「了解・・・・補足しました、モニターに位置を映し指示マークを出します」
「北の方角……急ぐぞ」
「了解 エアロスモードに移行」
バイクの形状がやや低くなり前傾姿勢へと体勢が変化する、そしてペダルを踏むと凄まじいスピードで加速する
「プロト1!俺あまりバイク運転うまくないけど~~~」
「マスター問題ありません 運転時の補正作業、障害物回避はこちらで行います。落ちなければあとはこちらで」
「落ちなければって~~」
ジェットコースターより怖いですよ コレ!
あっという間に北原達の近くに着き辺りを見回すと後方に町が見えた、
急がないと……
「プロト1このあたりで減速してくれ」
「了解、アーマード化の申請を」
「司令聞こえますか?」
「到着したか?」
「はい アーマード化の承認お願いします」
「わかった アーマード化承認 データロック解除を」
「アーマード化要請……承認を確認……ロック解除データ転送」
この前試した通り装甲が外れ鎧化したが前回と違い目の部分にバイザーが付いている。
「正体が分かりにくいようにバイザーを追加してある、そのバイザーはモニターにもなるので活用してくれ」
「了解」
バイザーに北原達の位置、損傷状況が表示されている。
「プロト1急ぐぞ」
「了解」
鎧の性能もあって走るスピードも尋常ではない!視覚情報がギリギリついていけるかどうかの世界だ、
「救援対象者を補足」
「プロト1 武器を」
「了解 Sセイバーを2刀選択……パージします」
太ももの横の装甲が開き収納されていた小太刀が両サイドから出てきた。
「一気にこのまま突っ込むぞ!」
「了解」
小太刀を両手にモンスターに突っ込み、右手で一撃加え、体を回転させ左手で二撃目を加え剣圧と風圧で砂を吹っ飛ばす!
「なんだ!」
北原がこちらに気づいて声を上げるが気にしてる余裕はない、初めて実戦で機体性能と思考のズレを修正するので精一杯だ、
さらにモンスターは先ほどの一撃も砂を吹き飛ばしただけで有効打にはなっていないが、こちらの攻撃で吹き飛ばした部分は遠くへ飛んでおりその部分は修復出来ていない、そしてその部分から中心部に赤い丸い玉状のモノがあるのを見つけた。
「プロト1 モンスターの玉状のモノを確認できている?」
「愚問ですマスターが見たものは、私も認識してます」
「じゃ その玉を狙って攻撃をしたい」
「了解 サポートします」
そういうとバイザーにターゲットカーソルが現れて玉の位置をロックしてくれる
「マスター 刹那を使いますか?」
「刹那?」
「プログラミングされた攻撃パターンの一つで、マスターの声に合わせて発動することが可能です」
「必殺技みたいなものか?」
「…?必殺?言ってる意味がわかりませんが、通常攻撃とは違い現状のスペックを最大限に生かした攻撃モーションをすることが可能です、ただ活動時間を通常の攻撃より減らします」
「わかった、それを使おう」
「了解 では敵から少し距離を置き 音声キーワードを発動させて下さい」
言われるがまま敵から距離をとり
「刹那」
と言うと両足の踵のサイド側が開き、小さなブースター状に、小太刀の刃先が光だした。
「マスター、つぎ踏込と前方に向けて高速で全身しますので対象が近づいたらそのまま小太刀をクロスして振り抜いて下さい」
「分かった」
ターゲットをバイザーで確認すると覚悟を決めて踏み込んだ、次の瞬間ものすごい勢いで前進すると急加速していく。
「くらえ!」
目の前に敵が迫った瞬間 俺はクロスした小太刀を振り抜くと目の前の敵が消えて突如視界が開けた。
そして後ろ振り向くとそこには動かなくなった砂の塊とこちらを呆然と見ている北原たちが居た、そして宮本が
「あなたは誰?」
と遠くで語りかたけて来たのがわかったが正体がばれるわけにいかないのですぐさま森の中へと駆け込んだ、北原達も追いかけてこようとしたが今の俺に追いつけるわけもなくやがて彼らは帰還して消えた。
「長官 終わりました」
「こちらも確認した。後のことはこちらで対処して置く、帰還してくれ」
「了解です、プロト1もお疲れ」
「いえ、私は命令を遂行したに過ぎません」
「まあ そうだけどお疲れ」
初任務を終え、表へと帰還することができた




