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ナメんなガキ!

「いいか、芸能人、有名人というのはな、虚構、虚飾、偽りの世界にいるんだ。一般社会はな、もの凄く厳しい社会だ。本当に厳しい社会だ。過酷な現実が一般社会なんだ。恐ろしく厳しい現実に生きる人々こそが真実だと、まずは自覚しろ」


「痛い! 痛てててててて!」


「自分の欲望を満たすためだけに金を使うのは大罪だ」


「痛いって! 離せよ! 痛たたたたた!」


「自分を育てて貰った母親に恩返しをする事を優先にして働け」


「痛たたたたた! 頭、痛たたたた、頭がわれる!」


「わかったか?」


「僕には芸能界の先輩に、有名な舞台女優さんがいてな、その女優さんが第二の母親なんだ。いつも御世話になっている女優さん、つまり第二の母親を優先したい。彼女のアドバイスのお陰で僕は有名になれたんだからな!」


「ナメんな!!」と俺はマス・オーシャン武田のおでこを殴った。


「痛いぁ〜い!」


「第二の母親だと? 笑わせんな。子供の同士のママゴトじゃないんだぞ。あやふやで、上っ面の偽善的な関わりでしかない第二の母親より本物の自分の母親が1番大事だ」俺はマス・オーシャン武田の頬をビンタした。


「あんあ〜ん! いやん! 痛い!」


「いいか、芸能人、有名人というのはな、物凄く病的な人たちなんだ。実体を持たないでいる人たちがほとんどなんだ。自分を捏造して欺いてばかりいるのが芸能人なんだ。偽りの世界、殺伐とした世界によって己の心や魂を奪われるな!! 怪しげで胡散臭い芸能人や有名人の言葉を信じるよりもだ、自分の生みの親である母親の言葉を絶対的に信じろ!! 浮ついた偽善者どもに騙されるな!! まやかしものたちに騙されるな!! 現実を生きろ!! 地に足を着けて落ち着いて現実を生きろ!! 簡単に騙されて自分の魂を売り飛ばすな!! 自分を殺して嘘の世界に飲み込まれたら一巻の終わりなんだぞ!! 自分の母親、たった一人の母親を助けてやるのが男だろうが!! ナメんな糞ガキ!!」


「す、すいません、大変、お待たせ致しました。無事にウンコが出ましてね、便器いっぱいにウンコが出ましてスッキリしました。昨日食べたカキに当たったみたいです」とタクシーの運ちゃんは言って戻って来たが、かなり青ざめた顔をしていた。


「それは大変だったな」と俺は言ってタクシーの運ちゃんをねぎらった。


「痛い痛い痛い痛い! 離してくれ!」とマス・オーシャン武田が言った。


「お客さんお客さん、ちょっと、ヘッドロックされてるお客さん。静かにしてください。お腹に響く」とタクシーの運ちゃんはタクシーを出さずにバックミラーを見ていた。


「運転手、このおっさんに誘拐されているんだ! 助けてくれ!」


「そんなわけないでしょうが」とタクシーの運ちゃんは言って笑った。


「本当に誘拐されているんだ! 早く助けてくれ!」


「何をバカな事を言っちゃってさ。そんなわけないでしょうが。あんたね、ナメんなよな」とタクシーの運ちゃんは言ってシートベルトをしようとしたら、体が止まった。


「お客さん、何度もすみません。やっぱりね、まだウンコ出そうです」


「かまわんよ。ウンコしてきなさい」と俺は優しく言った。


「本当にすみません。こんな時にかぎってウンコとはね。ではお客さん、ウンコしてきます」とタクシーの運ちゃんは言ってよろめきながらコンビニに行った。


「いいか、芸能界で自分自身を保つのは非常に難しい。身も心も魂も、黒く染まっていくような世界だからな。既にお前は芸能界に毒されている」


「僕は毒されてない!」


「いや毒されまくっている」


「僕のバックには誰がいるのか分かっているのか?」とマス・オーシャン武田は脅迫めいたことを言ってきた。


「貴様こそ、俺のバックには誰がいるのか分かっているか?」


「あっ、見ろ! タクシーの周りに人垣が出来たぞ! ざまみろ! おっさんの悪行がバレたぞ!」


俺はタクシーのドアを開けた。


「わー、握手してくださーい」と5人の若いギャルが俺に駆け寄ってきた。俺は一人ひとりに握手をした。


「サインお願いします」と杖をついたお年寄りが俺に言ってきてメモ帳とボールペンを渡してきた。俺はサインをしてお年寄りに返した。


「ありがとうございます。冥土の土産にします。死んだ妻に見せたかった」と泣きながらお年寄りは言った。


「すみません、一緒に写真をお願いできますか?」と高価な着物を着た婦人が俺に言った。


「良いですよ」と俺は着物美人さんと一緒に写真を撮った。


「小僧、頑張れよ」と中年の男性がヘッドロックされているマス・オーシャン武田に言った。


マス・オーシャン武田はグッタリしていた。


俺はマス・オーシャン武田をタクシーの後部座席に投げ入れてから隣に座り込んだ。


「ちょっと待ってくれよ。お、おっさん、あ、あんた、一体、何者なんだよ?」マス・オーシャン武田が俺にビビりながら言った。


「俺か? 俺は俺だから俺なんだ。俺以上でもなければ俺以下でもない。等身大の俺がここにいて今日も元気に俺は生きている」と俺は言ってマス・オーシャン武田をヘッドロックした。





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― 新着の感想 ―
お~!嵐山さん人気者ですね!
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