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体力測定で無双する 4

 「さぁ!最後は1500m走!学園長の予想はやはり…?」


 「うむ!もちろん一条君がトップを取ると思ってる!」


 「ですよねー!そのトップ予想は一旦置いておきまして、この学校は400mトラックを備えてるのでタイムは期待できますよね!」


 「うむ!好タイムも期待してるぞー!」


 そして、いよいよスタートの時が来ました。


 「位置について、よーい」ドンッ



 「おっと!?いきなり一条君が飛び出しました!かなりのハイペースですね!?」


 僕は、スタートから一気に加速して独走態勢に入った。


 「果たしてこのまま独走できるのでしょうか…!?」


 実況している人の声を横に聞きながら、ペースを落とすこともなく1周目を通過する。


 「1周目は……!?なんと65秒です!言い方は悪いですが化け物と言わざるをえません!」


 実況の物言いにほんとに言い方が悪いな…と、少し落ち込みつつもペースはそこまで落とすこともなく走り続ける。



 「ね、ねぇるりるり」


 「なに?珊瑚ちゃん」


 「はるはる、早すぎない…?しかも全然表情変わらないし…」


 「んー、それは私もいつも思ってる……でも、はる君は今日朝からすごい張り切ってたし、1500m走が一番得意なことも、スロースターターだから今くらいが1番ベストな状態だってこともわかってるから、はる君が本気で走ったらこんななのかなぁってちょっと私は納得してるよ?それよりも三田君の50m走速すぎない?5秒台なんて初めて見たよ!?」


 「んー、ゆうゆうはなんでも平均以上はできるけど、部活でちゃんとやってたのもあって短距離は誰にも負けないと思ってたんだ!まぁ、はるはるといい勝負だったからビックリしてるけどね!」


 「うん…それも私もビックリしてる……」


 「ところでさ?」


 「なに?」


 「るりるりとはるはるって付き合ってないんだよね?」


 「え!?うん……」


 「付き合いたいとかは思わないの?」


 「うーん……私ははる君と付き合いたいなって思ってるし、付き合う相手ははる君以外には考えられないと思ってるよ?でも私じゃはる君には釣り合わないなって思ってて」


 (え、あんなにお互い好き好きオーラ出てるのにそんなこと思ってるの?拗らせすぎじゃないかな……!?)


 「?珊瑚ちゃん?」


 「はっ!なんでもないよ!でもなんだかどきどきするね!」


 「うん」


 「あ、そうだ!るりるり、はるはるのこと応援してあげなよ!」


 「えぇ!?」


 「そしたらはるはるも嬉しいんじゃないかなぁ?」


 「そ、そうかな……」


 「うん!1人で言うのが恥ずかしいんだったらうちもゆうゆうのこと応援するから一緒に、ね?」


 「……うん!わかった!」



 僕は、2周目(800m)が過ぎた時点で既に2位とも30mくらいの差をつけて独走はしていたけど、さすがに少しペースが落ちて今で2分20秒くらいだった。

 (うーん、流石に抜かれることはないと思うけどここからペース落としすぎるのもダサいよな…でもいつも以上に飛ばし過ぎてちょっとキツイかも…)

 そうして、心の中でも少しネガティブになってきてしまった時だった。


 「はる君!頑張って!!」

 「ゆうゆう!がんばー!」


 聞こえてきたのは瑠璃の応援だった。多分珊瑚さんが唆したのかなとは思うけど、それでも瑠璃からの応援は何よりも僕に力を与えてくれた。それと同時に冷静さも与えてくれた。

 (よし、この3周目はもう少しだけペースを落としてラスト300mにスパートをかける!)


 そう決めてからの僕の気持ちはとても落ち着いていた。



 「さぁ!3周目通過1位は変わらず一条君、タイムは3分40秒です!……!?おっと!?一条君が凄まじいペースアップをしています!ゴールまであと300mを残してのロングスパート!さすがに無謀か…?」


 「いや、あれは覚悟を持って闘志を燃やしてる目をしてるよ。多分あれで走り切るつもりじゃない?」


 「さぁ!2位との差もどんどん開けていく一条君の行方は…?」


 とにかく無心で、無駄な考えは取っ払って走ることだけに集中した僕は、上げたペースのまま圧倒的な1位で走り切った。


 「た、タイムは……4分15秒です!!さ、最後の300mを35秒で走り切っています!?」


 「うーん、化け物じみてるよねぇ」


 そんな実況と学園長の解説を聞き流しつつ、僕は瑠璃のいるほうへと向かった。


 「瑠璃!」


 「はる君!」


 「ありがとう。瑠璃の声が聞こえたから僕は頑張れたよ」


 「ううん!頑張ったはる君の努力の成果だよ!」


 「僕は……いつだって瑠璃のためなら頑張れるから……」


 「そ、それって…?」


 そこからはよく覚えていない。さすがに体力を使い果たしてしまったからか頭がもう回らなかった。でも、瑠璃にかっこいい姿は見せられたかなと思う。あ、もちろんその後に来た陸上部の勧誘は断ったけどね?


 こうして、激しくも楽しかった体力測定は無事に?総合1位という成績を残すことができた。


〜最終種目 1500m走〜

1位 一条遥輝 4.15.00

2位 三田悠真 4.46.52

……

次話は、瑠璃メイン回になるので瑠璃視点となる予定です!よろしくお願いします!


もしよろしければ評価や感想などいただけると嬉しいです!

何卒…何卒……

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