入学式とクラスメイト 1
「ただ今より、星光学園入学式を開会いたします」
入学式が始まると、当たり前ではあるけれど厳かな雰囲気で式は進んでいった。そして、僕の出番である新入生代表挨拶の番が近づくにつれて、少しではあるけど緊張感が出てきた。
「次に、新入生代表挨拶。新入生代表、一条遥輝」
「はい!」
僕は、名前を呼ばれると返事をして一呼吸整えてから壇上へと向かった。その時、隣の席のクラスメイトから小声で「頑張れ」と言われたことに驚きながらも落ち着くことはできた。
「桜の花が咲き誇る穏やかな今日、私たちは星光学園に入学いたします……」
なんとか滞りもなく挨拶を読み上げ終えて自分の席に戻ると、さっきのクラスメイトがまた小声で「めっちゃ良かった」って言ってくれたので少しだけ表情を綻ばせた。そして、その後も式はつつがなく進み、終了した。終了すると緊張感が抜けたのか講堂はざわざわし始めたけれど教室に戻らないといけないので僕はさっきのクラスメイトと一緒に教室へと移動した。
「なぁなぁ!改めてだけどさ、さっきの挨拶めっちゃ良かったぜ!」
「ありがと!」
「あ、そういや一条の名前は知ってるけど俺自己紹介してなくね?」
「ん?確かに」
「後でクラスでも自己紹介あるとは思うけどとりあえず!俺、三田 悠真!よろしくな!気軽に悠真って呼んでくれていいから!」
「う、うん。じゃあ、これからよろしく、悠真」
「おう!こちらこそよろしくな!遥輝!」
僕は、ちょっと騒がしいけど気のいい友達、三田悠真とここで出会った。
「同じクラスでよかったね!はる君!」
「そうだね、瑠璃」
「……?そのお隣の男の子は誰?」
「ん?あー」
「七宮さんだよな!初めまして!俺、三田悠真って言うんだ!入学式の時遥輝と隣だったから話しかけさせてもらった!よろしく!」
「よ、よろしく…?」
「あ、あれ?俺なんか警戒されてる?」
「そんなことないと思うけど…」
「あ、あー!大丈夫大丈夫!遥輝と七宮さん付き合ってるんだろ?俺狙ってるとかじゃないからな!安心してくれぃ!」
「「付き合ってないから!!!?」」
「え、あーー……なんかごめん」
そう、僕と瑠璃は仲良くしているけれど付き合っていないのです。もちろん僕は瑠璃の事好きなんだけど、瑠璃は僕のことをどう思ってるかわからないし、告白してもしフラれてしまった時にこの関係が終わってしまうのが嫌っていう逃げです。
「は、話変えようか。僕達のことはいいんだよ、悠真のこと教えてよ」
僕が話を変えることに成功し、悠真が語り始めようとした時でした。
「あ!ゆうゆう!探したんだよー?」
「んぁ!珊瑚!」
これはまた、賑やかな予感がしてきました。
友達登場!!
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何卒…何卒……