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風邪とそれぞれの本音 2

 瑠璃のそばに座ってどれくらいの時間がたったんだろう。うだるような夏の暑さから隔絶された部屋の涼しさに、僕は少しずつ眠くなってきていた。そんな中、瑠璃がまた寝言を呟いた。


 「……んぁぁ……はる君……それはだぁめ」


 「(ど、どんな夢見てんの瑠璃!?)」


 明らかに普通の夢は見てなさそうな瑠璃の寝言に、思わず大声でツッコミを入れそうになるところをなんとかこらえて心の中でツッコミつつ、表情がニヤけ始めた瑠璃がいつも以上に可愛く見えたので、寝ているのをいいことに僕は頭を撫で始めた。

 そうすると、ニヤけた顔から穏やかな笑みに変わり、瑠璃は静かな寝息を立てて深めの眠りについたようだった。その様子をしっかりと確認しつつ、僕は瑠璃の熱にあてられたのか、1人呟き始める。


 「この想いはさ、いつか絶対に瑠璃にはちゃんと伝えるつもりなんだけど、その予行練習って言うのかな?今瑠璃に話したくなったからさ。聞こえてないとは思うけど。僕達はさ、生まれた日も一緒、家も隣同士でずーっと一緒に過ごしてきたよね。今までこうしてずっと、楽しい時も悲しい時も、2人でその気持ちを共有してきた。僕達は2人で1人みたいな感じだよね。でも、今はまだ僕達の関係性はただの幼馴染。だけどね、瑠璃。僕は物心ついた時から……いや、生まれて初めて瑠璃を見た時から貴女に恋をしてるんだ。普段の大人っぽい姿も、ちょっと子供っぽい笑顔も、照れやすいところも、普段は隠してるけど僕の前では意外と涙脆いところも。全部が愛おしいんだ。だからね……」

 「僕は、七宮瑠璃さん、貴女のことが誰よりも大好きです」


 これは、僕がずっと秘めていた想い。瑠璃との今の心地よい関係性をこれを伝えることによって壊したくなくて、ずっと秘めてきた、想い。でも高校生になって、この先のお互いの進む道を考えた時に高校卒業後はこうして同じ時間を一緒に過ごしていく可能性が減ることを感じていた僕は、前に悠真には言ったけど、高校生でいるうちにこの想いをちゃんと伝えなくちゃいけないと思っていて。何よりも僕はこの先何年、何十年も……いや、2人の命尽きる時までずっと一緒に隣で笑っていたかった。その思いが、今日こうやってなんだかんだ久しぶりに瑠璃の部屋に来て、2人でいることで溢れてしまった。まぁ、瑠璃は寝ているようなので聞かれている心配はないけれど。

 そんなことを考えていると、緊張が解けたからか急激な眠気に襲われて、僕はそれに抗えずそのまま眠りに落ちてしまった……

さぁ、遥輝の想いが伝えられた今話!

次話では瑠璃の想いも…?

ここで、物語は一つステップが進むのではないでしょうか!!


ということで、この作品がいいなと思っていただけましたら評価や感想などいただけると嬉しいです!

何卒…何卒……

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