風邪とそれぞれの本音 1
今日もバイトを入れていた僕は、いつもと変わらず店に向かっていたんだけど、珍しいことにオーナーの理玖さんから電話がかかってきた。
「もしもし」
「お、遥輝くんお疲れ!今日なんだけど遥輝くんお休みで!」
「え?僕何かやらかしちゃいましたか?」
「あー、主語忘れてた。さっき悠姫から連絡きたんだけど、どうも遥輝くんのお友達?の七宮さんって子が今日熱出してお休みしたらしくてさ、それだったら遥輝くんにはお見舞いに行ってもらおうと思って」
「え、聞いてないんですけど」
「あー、そうなの?じゃああれかな、遥輝くんに心配かけたくなかったとかそういう感じかな?」
「それに、お店は…?」
「うちなら大丈夫。何かあったとしてもボクがなんとでもできるから。だからこっちの心配は無用だよ?お見舞いに行ってきてあげな?」
「は、はい!ありがとうございます!」
僕は、理玖さんの気遣いに感謝しながら瑠璃の元へと急いだ。
「うぅぅぅ……しんどい…」
私は熱で朦朧とする意識の中、来るはずのない人を待っていた。
「はる…君……会いたいなぁ………」
そして、私はそのまま眠りについてしまった。その後のことは良くは覚えていない。
「琥珀さん!!瑠璃は大丈夫ですか?」
「遥輝くん?ちょうどよかった!瑠璃は今は薬飲んで少し落ち着いてるところなんだけど、ちょうど私これから仕事なの……もし遥輝くんさえ大丈夫なら瑠璃のこと見ておいてくれないかしら?」
「もちろんです!僕はそのために来ましたから!」
「ふふっ、いつも瑠璃のこと気にかけてくれてありがとう」
「いえいえ!!」
瑠璃の家に向かうと、ちょうど家を出ようとしていた瑠璃のお母さんである琥珀さんと遭遇し、看病する許可をもらったので、2階にある瑠璃の部屋へと向かった。
部屋に入ると、まだ少し苦しそうな表情をしながらベッドで眠る瑠璃の姿があった。薬を飲んだことは琥珀さんから聞いていたけど、それでも辛そうな表情を見せる瑠璃のことが僕は心配で仕方がなかった。かといって、眠っている瑠璃相手に今の僕にできることは特にないので、とりあえず今の時間(13:00)を考慮して、何か食べられるような軽いものでも作っておこうとキッチンを使わせてもらうために1階に降りようとした時だった。
「……ん……はる……くん……」
寂しげな瑠璃の声が聞こえてしまった。そんな声を聞いてしまうと、僕はもうここから動く気にはなれなかった。なので、瑠璃が寝ているベッドのそばに腰掛けるのだった……
昨日投稿できなくてすみません!!!!
昨日の分まで今日投稿できればなと思っております!!
この作品がいいなと思っていただけたら評価や感想などいただけると嬉しいです!
何卒…何卒……




