はじめてのバイト!(瑠璃)
色々な最初の行事も終わり、学校にも慣れてきた5月の中頃。私は秋葉原にあるとあるお店に来ていました。
「七宮瑠璃です!よろしくお願いします!!」
「瑠璃ちゃんね。バイトの経験とかはあるかな?」
「ないです!」
「そっかそっか……ところで、初めてのバイト先がここで大丈夫?」
「え?ここって何かあるんですか?」
「いや、そういうわけじゃないんだけどね?初めてのバイト、それも瑠璃ちゃんみたいな綺麗な子が初めてで選ぶ業種ではないんじゃないかなぁ…って思っただけでね?」
「??」
「いや、瑠璃ちゃんがいいのであればうちとしてはぜひ採用させてもらいたいんだけど」
「ほんとですか!?ありがとうございます!!」
「じゃあ確定ということで…初回はいつにする?」
「いつでも大丈夫です!」
「んー、そうしたら明日の18時からお願いしてもいいかな?」
「はい!よろしくお願いします!!」
「では最後に……ようこそ『メイド喫茶 ふわりんどりぃみん』へ。私達はあなたを歓迎します」
「ありがとうございます!不慣れな私ですが頑張ります!」
私は高校生になったらやってみたかったこと、アルバイトをこれからこのお店で始めるのです!ワクワクしてきました!
「ねー店長!」
「なに?」
「さっきの女の子、めっちゃ可愛くなかったですか!?思わずじーっと見ちゃったんですけど!」
「その気持ち、よくわかるわ?スタイルも良くて、顔もすごく可愛くて、性格まで良さげ。うらやましい……」
「いや、店長も可愛いですからね!?」
「そ、そう?まあうちの店はビジュアルはかなり厳しく見てるからみんな可愛いのは当たり前なんだけど、ちょっとあの子は別格だったわね…」
「これから楽しみですね!」
「そうね!」
メイド喫茶、ふわりんどりぃみんの未来はとても明るかった……
面接に無事合格しバイト先が決まった私はその夜、その嬉しさを早く伝えたかったのではる君に電話をかけた。
「もしもし、瑠璃?珍しいね電話なんて」
「えへへ…実はね?バイトきまったんだー!」
「おっ!瑠璃、ずっと高校生になったらアルバイトしてみたいって言ってたもんね!よかったじゃん!ちなみに場所はどこ?」
「秋葉原のカフェだよ!詳しいところは私がちゃんと働けるようになってから見にきてほしいから言わないけど!」
「秋葉原…カフェ……?それって……」
「どうしたの?はる君」
「あ、あー。なんでもないよ!とにかく、おめでとう!大変だとは思うけどたのしくがんばって!」
「うん!頑張るね!」
こうして、喜びをはる君と共有できたので明日が楽しみだなぁという気持ちで、私は眠りについたのでした…
「秋葉原のカフェって……絶対コンカフェかメイド喫茶だよな…」
はる君が少し複雑そうだったことを、この時の私は気づくことはなかったのです。
可愛い瑠璃のバイト編始まります!
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何卒…何卒……




