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零話 青い空と無表情

『ねぇ、知ってる?悪い予感て適中するんだよ。』





 (イシズエ)亞裡沙(アリサ、高校1年生。

彼女にはこれといって親しい友人が居なかった。高校に入学し、学校自体が始まったばかりだというのも理由の一つだろうが、それだけが理由ではない。彼女は中学時代も友人が居なかったのだ。

苛められている訳ではない――が、誰も彼女に近寄ろうとはしない。そして彼女も人に歩み寄ろうとはしない。

けれども、彼女はこの状況を嘆いているわけではなかった。

窓際の席で、澄み渡った青空を見上げてポツリと呟く。


「退屈。なんて出来の良いシナリオ。」





 学校も終わり、彼女は一人帰路についた。

春風がスカートの裾を少しだけ揺らし、彼女は顔に纏わりつく髪の毛を煩そうに掻上げながら、ただ淡々と道を歩き続けた。

目的の場所を目指して、前だけを見つめ、無表情のまま。


 そして、着いた場所は学校から最寄の駅だった。

否、彼女は電車に乗るわけではない。

目指したのは駅の公衆トイレ。左程広くは無いそこで、彼女は一番奥のトイレに入った。洋式、蓋が閉まっている。

その蓋を開けると其処には―――赤ん坊の顔があった。







 「ご苦労だったな、亞裡沙。疲れただろう?少し休め。」


「疲れてません。でも時間に余裕があるなら休ませていただきます。」


「そうかい。」


部屋を後にする亞裡沙の後ろ姿を見送りながら、男は(おどけたように(かぶりを振った。


「女の子ってのは、もっと笑った方が良いと思うけどなぁ…」

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