瓦礫の王編
僕は刑事の黒池皇希です!
僕は普通の警察とは違い、剣を持って皆さんの生活を見守っているんですよ!
僕は大抵、ろくでなしの上原英次先輩に仕事を押し付けられ、行動していますが……。今回は火事がよく起こってるらしいです!火事は怖いですからね、みなさんも気をつけてください!
10月。空気が乾燥しだす季節だ。空気が乾燥すると、喉は痛くなるわ肌の調子が悪くなるわで大変だ。そしてもう一つ、気を付けなければならないものがある。
そう、それは、火事だ。
部屋のものや、落ち葉などの水分が乾燥し、火がつきやすくなる。そして火事になるのだ。
「……ふぅ」
そこまで書いてペンを置く。
先輩が「黒池ちゃん、暇なら今度小学校でやる防災イベントの文章書いてくれない?」と頼んできたのでこんなことをしている。
「どうどう?黒池ちゃ……ん!?」
チラッと覗いてきた先輩は言葉を詰まらせた。
「なんですか」
「なんですかじゃない!それ、本気で出そうとしてるの!?小学校に?!かーっイマドキの子はーっ!」
「じゃあ先輩が書いてくださいよ」
「いやいや、文豪の黒池ちゃんならきっとやってくれると信じてその紙を渡したんだよ」
ちょんちょんと紙をつつく。かわいいヒヨコが描かれた枠には提出期限が書かれており、期限は明日までとなっている。どうやら二週間近く放置していたようだ。
「文豪って、そんなこと言って乗せられる僕じゃありませんよ!僕は文化系というよりかは体育会系なんで」
「そんなヒョロヒョロの体で?もっとランニングとかして、筋肉つけなきゃ!」
「先輩にだけは言われたくないですっ!あっ、先輩もランニングします?」
「パスで」
「先輩???」
「黒池ちゃん、目が怖い!」
僕はため息をついて、再びペンを持つ。とりあえずさっきのは下書きということにしておき、小学生向けの言い回しに変えておこう。
このあとは火事のメカニズムと逃げる準備、あとは連絡手段の確保の話と防災について……っと。
『次のニュースです。ここ数日繰り返し火事が発生しており、今日もまた火事が発生しました。場所は____』
「最近火事多いですね」
設置していたテレビがニュースを吐き出す。僕はチラッと見て感想を述べた。
「だからその防災イベントがあるんだよ」
「これ毎年やってるじゃないですか」
「でも日にちはいつもより早いよ。時は金なり!思い立ったが吉日!ってやつだからね」
「……」
「スルーしないで!?」
「先輩こそ、文章書くのを邪魔しないでくださいよ……文豪の邪魔は大罪ですよ」
「揚げ足タイプだよねぇ!?」
「放火事件、ですか?」
それは小学校の防災イベントのために作った資料を郵便局に届けに行った僕が部屋に帰ってきたあと、すぐに聞かされたことだった。
最近の火事に便乗して放火事件を起こしたのだろうか。だが、なぜただの放火事件なのに僕の耳に入ってきたのだろう?
「そ。黒池ちゃんと見てたニュースの火事以外にも数件火事があってね。ニュースのは普通に不注意とか乾燥による火事とかなんだけど、こっちのは違う。ほら、よく見て」
珍しく自室から出てきた先輩は机の上に写真を拡げる。どれも真っ黒焦げな写真だ。
「どれも一緒じゃないですか……嫌がらせですか?一軒約30枚はいじめレベルですよ」
「ほらほらこれ、見てよ!この真っ赤なハイカラソファー!」
「ん?……あぁ、これだけ守られたんですね。運のいいソファーですね」
崩れ落ちた真っ黒な木材や、その他たくさんの物の上にドーン!と乗っかっているソファー。周りは真っ黒焦げなのにこれだけ新品そのもののようだ。
「黒池ちゃん、これを見てよくそんな感想が出てくるね……。次はこれ」
次は白いソファーの写真。青いソファーの写真。また別の白いソファーの写真。緑のソファーの写真。……なんかいっぱいあるなぁ……。どれも新品、もしくはその家のものなのか、ちょっと汚れていたりしている。
「そんなソファーだらけの写真、なんで……。…………!?」
「見つけたようだね」
よく見ると、ソファーの上に誰か座っている!?
僕は赤いソファーの写真を掴み、よーく見てみた。遠い……遠いけど、人影が写ってる……。
「これは!?」
「マネキンだよ」
「マネっ……マネキン!?」
「全部に乗ってる」
本当に全部に乗っている。誰だ、こんなことしたの……。
「で、でも……放火事件とかって、僕たち、関係ないですよね?」
「今回は普通の事件とはちょっと違う、いわば怪事件ってやつだ。だからこっちに回ってきた」
「ここっていつから探偵じみてるんですか……」
「最初から。頭のお堅い人たちには到底理解できない事象を、ここ『特別能力推攻課』が受け持つってこと。隣の建物で本部立ててるから、行っておいでよ」
「先輩は?」
「別のお仕事~♪おっ、ギルイベ始まる」
「結局ゲームじゃないですかっ!!」
僕は言われた部屋に向かった。確かに新しい捜査の本部ができてる……。えーっと、なになに?
『瓦礫の王』……?
「ん……?」
変な名前……と見ていると、部屋の中から三十路くらいの男の人が出てきた。
「早く早く、もう始まってるよ!」
「えっ、あのっ、火事の……」
「そう!上原さんに聞いてるから!さっさと入る!」
「はいっ!」
中に入ると、十人くらいが集まっていた。確かに火事を捜査するなんて珍しいし、ましてやこんな怪事件、『特別能力推攻課』くらいしか手をつけないだろう。なので少なめだ。
「あー、揃ったな。聞いての通り、これはただの火災ではなく、放火事件だ。一軒だけの火事ならまだしも、何軒も火事になっているから捜査することになった。この写真の通り、誰かが火を放って消防隊が鎮火し、次の日には真新しいソファーが置かれている。そこには、俺が王だと言わんばかりに足を組んでるマネキンが置かれている。だからこのヤマは『瓦礫の王』と称した」
バン!とホワイトボードを叩いたのは刑事課の人。コワモテってやつで、目を合わせたくない人ランキングの上位を占めている。
「はい、質問です」
「なんだ」
「消火中は置いていなかったのですか?」
「あぁ。消防から話は聞いているからな」
「ありがとうございます」
そう言って席に座ったのはさっきの人だ。
「よく質問できますね……」
「あの人、よくペットショップにいらっしゃるんですよ。それで仲良くなったんです。弱みって、発覚したら意外と接しやすくなるんですよ」
「あ、あはは……参考になります~……」
苦笑いして返す。
あの人がペットショップに……かぁ……一度見てみたいものだ。
「そこ!何しゃべっている!」
「ひゃ、ひゃいっ!すいませんっ!」
「ったく……さすが上原の後輩だな。その肝の据わってる感じ!変なところが似るよな」
「ご、ごめんなさい……」
「……続けるぞ。とりあえず周りの防犯カメラが捉えた映像に、不審者が映っていたそうだ。それがこれ。まぁ不審者って感じだな」
キャップ、パーカー、全身真っ黒。わかりやすい。
「質問です。ここまで聞いていて『特別能力推攻課』の必要性が感じられないのですが」
この質問をし、ちらっとこっちを睨んだのはまた刑事課の人。『特別能力推攻課』は特殊に特殊を重ねた事件を中心に仕事をしている。なのでパトロールが主なのだが、この人の言う通り、聞いている限り当事件には必要性が感じられない。
「いい質問だ。簡単に言うと鎮火して、ソファーを置くまでの間にどうして誰の目にもつかないのかというところだ。不可解なことが解明された今……イレギュラーは、『[[rb:特別能力推攻課>イレギュラー]]』に任せないと、だろう?……横川、お前が推攻課のことが嫌いなのはわかってる。だが、これは仕事だ。協力しよう」
「……はい」
「あとはその資料の通りだ!これから聞き込みを開始する。解散!」
……イレギュラー。僕たちはそう呼ばれて久しくない。他にも僕たちは『タブー』やら『警察庁の汚点』、『監視対象』など何やかんや呼ばれている。言いたい放題だ。全部僕たちの耳に入っているというのに。
周りがザワザワとし、外に出ていく。僕は机の上に置かれた資料に目を落としたまま、膝の上で拳を握った。
「…………」
「黒池くん、だっけ。そんな悲しい顔しないで」
僕に声をかけてきたのはさっきの人。僕は驚いてその人の顔を見た。
「……ですが……」
「黒池くんが優しい人だって、見ればわかるよ。だから君には笑っていてほしい。上原さんにそう頼まれてるからね」
「先輩に?!」
「そう。あぁ……おれの名前は薄井玲二っていうんだ。よろしくね」
「うs____」
「玲二先輩って呼んでよ」
「へっ?!あ、はいっ、玲二先輩」
……上原先輩と仲良くなる理由が少しわかった気がする……。
玲二先輩はベリーショートの灰色の髪をしている。あとでわかったことだが、彼は着痩せするタイプで、脱ぐとすごい。(筋肉が)
「黒池くん、一緒に捜査してくれるかな?」
「いいですよ。早速行きましょう!」
とりあえず上原先輩に『薄井玲二先輩と行くことになりました』とメッセージを送ると、『そーなの!玲二くん、いい子だから相談相手になってもらうといいよ』と返ってきた。それを見ていた玲二先輩が口を開く。
「はは、上原さんらしい。何でも相談していいからね」
「でも……迷惑じゃありませんか?」
「いやいや。上原さんの頼みだから」
「……。上原先輩に何かされましたか?それとも、弱みでも……」
「ん?いいや。世話になっているからね」
「そうなんですか……」
あの先輩のことだからやりかねないと思うけど……。
「黒池くん、疑り深いね……子供の頃とか、嫌なこと……あった?」
「ぁ……」
「……ごめん、忘れて」
「いえ……玲二先輩なら相談できるかもって思っただけです」
「そ、そう?信用してくれるなら嬉しいよ」
にこっと笑った玲二先輩はスマホで地図アプリを開いた。聞き込み調査する場所はもう目星がついているのだろうか。
「そこですか?」
「うん。亡くなった方のご家族に話を聞いて、他の刑事たちとの話と照合するんだ。まずはそれからだよ」
「共通点を探すのですね!行きましょう!」
「あ、待って」
「え?」
ゴソゴソとポケットの中を探る玲二先輩。一体何を探しているのだろうかと心配になっていると、嬉しそうにポケットから手を引っこ抜いた。
「あった!」
「それは……コンパス?」
「おれさ、方向音痴だから」
「……そのアプリは使わないのですか?」
「地図アプリなんて、処理が遅けりゃただの紙の地図だって」
「そ、そうなんですか……まぁそうですけど……」
コンパスの角は少しだけ凹んでおり、長く使っている間に何度か落としたりしているのだろうと見て取れた。
落ち着きがないのだろうか。
「さっさと済ませて、帰ってのんびりしよ!」
そして僕たちがまず向かったのは、緑のソファーの家の隣の家だ。
ピーンポーン……ガチャ。
「はい」
チャイムを鳴らし、出てきたのは若い女の人だ。大学生だろうか。全休の日なのか、パステルピンクのルームウェアを着ている。
「お忙しいところすいません。僕たちは警察です。少しお時間をいただけないでしょうか?」
「だ、大丈夫です……。あの、もしかして隣の火事のことでしょうか?」
「その通りです。当日は家に?」
「はい。レポートを書こうとしていたら、母に「早く出なさい!お隣さんが燃えてるから!」って言われて、慌てて外に出たんです。これがその時撮った写真です」
そう言って、ポケットに入れていたスマホの写真を見せてくれた。炎を上げて燃えているのがよく分かる。
その後、燃えた家から人は出てきたかや、怪しい人はいなかったかなどの話を聞いた。
「貴重な情報、ありがとうございます。お話は以上です。レポート、頑張ってくださいね」
「はいっ!」
彼女は目を輝かせて笑う。そして扉は閉じた。
「黒池くん、ちょっと怖いよ……」
「え!?」
「いや、無自覚なら何も言わないけどさ……。……これが可愛い系イケメンのオーラか……ブツブツ」
「えっ、えっ!?なんですか!?教えて下さいよ〜!」
__________
「……それで、これが調査結果だと」
署に戻ったあと、このヤマの責任者……先程前に立っていたコワモテの刑事課の人に調査結果を印刷した紙を渡した。玲二先輩に聞いたところ、富山裕次郎さんというらしい。
「はい。怪しい人や逃げた人物は見つかりませんでしたが、地図を見たところ気になる点がありました」
「ほう?それは何だ?」
「この……緑、白、白2、赤、青などの被害物件の場所にマークをつけ、繋ぎます……」
コピーした地図に、キュッキュと赤丸を付けていく。
「このあたりは大学がいくつかあります。一つの大学の分校みたいなのも存在しています。最初に聞き込みを行った家の他に、下宿生が多かったのです。そして被害にあった家は、どこもこのエリアの大学からそう遠くはない場所ということがわかりました」
「つまり、犯人は大学生だと言いたいのか?」
「僕には、はいそうですとは言えません。ですが、今回は大学生の可能性も考えておいたほうがよろしいのではないでしょうかという意見を提示させていただこうと思い、このコピーを用意しました。いかがでしょうか?」
「ふむ……」
と、富山さんの資料を見る目が怖い……っ!!いかにも体育会系ですというようなその体型を見れば、誰でも萎縮してしまうだろう。でも、そんな富山さんがペットショップに……。
「オレには当てずっぽうの推測にしか思えません」
「横川……お前まだいたのか」
部屋の角から姿を表したのは、会議中に異を唱えていた横川一郎さんだ。彼はもたれていた壁から、よっと離れてこちらへ向かってきた。今にもビンタされそうな危機迫った顔を見て僕は少し気圧されてしまった。
「……。黒池って言ったな」
「何でしょうか」
「オレはお前らには絶対負けないからな」
睨みつけながら言うと、横川さんは部屋の外に出ていった。
「まったく、最近の若者は……。すまんな。横川、推攻課にはいい思い出がないみたいなんだ。はぁ、警察には勝ちも負けもないんだがなぁ」
「あの……横川さんはなぜ?」
「さぁ?ここに入る前にあったんだろうな」
「そうなんですか……」
「ま、気にすることはない。お前だけに向けられたことじゃない。もしかすると上原の馬鹿に何かされたのかもしれないしな」
「上原先輩に?」
「考えられることはそれくらいしかないだろう」
先輩、どんだけ人望がないの。
「わかりました……それでは、失礼させていただきます」
翌日。僕は昨日書いていたプリントを提出しに小学校へと向かっていた。
「あ!おはよっ、くろちー!」
「おや、魅鴾ちゃん。おはようございます」
横にピョン、と現れたのはお隣の灰澤姉妹の妹、魅鴾ちゃん。テニス部の元気な女の子だ。お姉さんと二人暮しなので警察の僕が保護者として安全を守るようご両親に頼まれている。
「何しに行くの?警察署、あっちでしょ?」
「これから小学校に防災のプリントを渡しに行くんです」
「え!くろちーの手作り?」
「はい」
「うわーっ!いーなー!欲しい!」
「ふふ、データは取ってありますからポストに入れておきますね」
「やったー!約束だよ!じゃ、今日部活だけだから!」
「行ってらっしゃい!」
魅鴾ちゃんはサイドテールを揺らして駆けていった。
しばらくして、僕は小学校に到着し、プリントを依頼した先生を待っていた。その間、僕は連絡事項を見ていた。
「『幻條大芸術祭!最高の芸術がここに!』……芸術祭ですか……」
「気になりますか?」
「あっ……、はい」
「今週末に発表なんですって。行ってみてはいかがですか?」
「考えさせていただきます。それでですね、先生。こちらが本題のプリントになります」
「確かにいただきました。お忙しい中、ありがとうございました」
ペコリと頭を下げた低学年のクラスの先生。女の先生で、まだ入ってあまり経っていなさそうだ。僕より一つ二つほど下に見える。
「いえ。新鮮で楽しかったです。あの、お隣の女の子がプリントが欲しいと仰っていたので、渡してもよろしいでしょうか?」
「はい、大丈夫ですよ。彼女もこの機会に防災に気をつけていただけたらこちらとしても嬉しいですからね」
そう言って先生は仕事に戻ってしまった。
……芸術祭、か……先輩ならついてきてくれそうだ。とりあえず今は校舎を出て、提出したことを報告しよう。
「……あっ、先輩。提出しましたよ」
僕はスマホを耳元に当てた。
『何を?』
「何をって、この前の防災のプリントですよ。先輩に押し付けられた!」
『あー、あれね!託したって言ってくれよ』
「あれはどう考えても押し付けられたの部類なんですけど……」
『まーまー。あっ、そうだ。黒池ちゃん、また火災が発生したようだよ。もうちょっとしたら電話しようと思ってたんだけど……』
「また!?というか何ですぐに電話してくれなかったんですか!」
『リアルタイムゲーギルドバトルの時間だったからな……』
「(絶句)」
現実が負けた瞬間であった。
「とにかくそちらに向かいます」
『頼むよ。地図、送るから』
「はい。……ここって」
『そうだ。予想していたエリアだよ。君たちが送ってくれた作戦、正解みたいだよ』
「ですがそこがわかっていても根本的な解決ではありません。一刻も早く犯人を捕まえなければなりません」
僕は早足で現場に向かいながら話す。
『それもそうなんだけどね……』
「……先輩、今週末……あいていますか?」
『え?急にどうしたの?デートのお誘い?』
「違います。……いえ、半分合っていますかね。幻條大の芸術祭に行きませんか、先輩」
『芸術祭?いいよ、ネタ集めにちょうど良さそうだ』
「やった!……あ」
『ははは、黒池ちゃん、心開いてきたねぇ』
「ううう……恥ずかしいです……」
横断歩道の信号が赤になっている。そこまでではないが、もしかすると僕の顔も赤くなっていることだろう……。
『ふふ……黒池ちゃん、昔と変わったね。初めて会ったときは小動物みたいに震えて、怯えて、睨んで、呆然としていたのに』
「……昔の話です」
『昔、か……こっちはつい昨日のように感じるがね』
「年ですか?」
『まだまだ現役だいっ!!』
「ふふふ、冗談ですよ」
そう言って青信号を渡る。
小学校から元気な声が聞こえる。この季節は運動会がある。その練習だろう。僕も子どもたちに負けないように走り抜けないと!
走って、走って……紅葉を踏んで申し訳ない気持ちになったり、どんぐりを踏んで転びそうになったり。しっちゃかめっちゃかだが、秋の空気を久しぶりに吸えた気がして少し嬉しかった。
「ゔっ」
突然、僕は思わず口を手で塞いだ。えも言われぬ嫌なニオイ。何かが焼け焦げたニオイ……火災現場が近い。
「ゔぅ……」
吐きそうになりながらも、遠くに見える『KEEP OUT』の文字が書かれたテープを目指して歩き続けた。
近くでは野次馬が集まり、何があったんだ?中の人は?などと騒ぎ立てている。僕は彼らを掻き分けてテープの中に入った。
「すいません、すいません!通してくださいっ」
「あっ、黒池くん!こっちこっち」
人混みを抜けたあと、テープの先では玲二先輩が手招きをしていた。どうやら僕が最後のようだ。鎮火も終え、最後のチェックらしい。犯人がソファーを持ってくるならこのタイミングだ、ということでこうなっている。
「玲二先輩!遅くなりました!犯人は!?」
「まだ来ていないよ。張り込みを続けよう」
「先輩、マスクとかは……」
「大丈夫。マスク苦手だし」
「はあ……。あの野次馬に犯人が隠れている可能性とかはありませんか?」
「ソファーを持って来ないといけないからね。多分無理だ。犯人はどこか違うところから来るはずだよ」
今は九時前。僕は早めに小学校に来たので、こうなっている。いつもは警察が駆けつけたときにはもうソファーが置いてあるそうだ。だが、もう来てもいい時間なのに来ない。今回は放火するだけ放火したのか?むしろ違う犯人なのか?
「……遅いですね」
「まだだ。二時間は張り込もう」
「了解です」
「本来はこれくらいで来るはずなんだけど……」
「……とにかく待ち始めて十分も経っていません。今回は重くて下敷きになってるかもしれないですよ?」
「ははは、あり得るね」
張り込み続けて三十分が経った。時計は九時半を回りかけていた。来る気配はない。野次馬の最後の一人も帰ってしまい、ここには僕と玲二先輩と焼け焦げた家だけが残っていた。
「………………」
いつも朗らかな玲二先輩は眉をひそめ、険しい顔で現場側から道路を見ている。この人はいつもこうなのだろうか。本来はこっちが本当の薄井玲二という男で、あの優しくて少し天然な玲二先輩は演技に似たものなのだろうか。
「……」
「ん?どうしたんだい?黒池くん」
「えっ?!あ、何でもないです……」
「そう?気を引き締めてよね」
「は、はい!次から気をつけます……」
と言っても先輩の顔を横目で見てしまう。
そうこうしているうちにまた三十分が経った。現在、十時。
「……来ませんね」
「おかしい。ここは法則に則った場所なのに」
今までの家を並べると、大きな円になっている。このままいけば、その円の中心から考えて犯人に辿り着けると思っていたのだが、ハズレなのかもしれない。
だが、現に僕たちの背にある建物は燃えた。ここに現実があるというのに。
____プルルルルッ!
突然、僕のスマホが鳴った。今はクラシックは封印しているので、初期設定のような音が鳴る。電話してきたのは上原先輩だ。
「はい、もしもし。黒池です」
『黒池ちゃん、大変だ!』
「どうしたんですか?」
『火事だ!思っていた円より内側だ!今から地図を送るよ!』
そう言った直後、カタカタとタイピング音が聞こえた。先輩のゲーム用スマホにはマイクがある。それで電話してきたということはよっぽど急いでいたのだろう。
それより、円より内側ということはやはり読みが間違っていた!?
「……これは……」
確かに円より内側だ。コンパスで丸を書こうとして失敗して少し内側になったみたいに綺麗に逸れている。しかし、地域内だ。
「そこが次の現場か……よし、行こう!」
玲二先輩が勢いよく走っていく。
「玲二先輩!そっちは行き止まりです!玲二先ぱぁ〜い!!」
__________
「ぜえ……はあ……」
「大丈夫かい?黒池くん」
「だっ……じょ、ぶ……でっ……」
大丈夫じゃない。普通に大丈夫じゃない。
玲二先輩があらぬ方向に走っていくので追いかけて行ったら大変なことになった。体力がごっそり無くなった。足が棒とはこのこと。最近運が悪すぎないだろうか……?
というかこんなこと記憶にある気がする!
「ほんと?無理しないでね、何かあってからじゃ遅いんだから。遠慮なく言ってよ」
ありがたくて涙が出そうだ。どっかの引きこもり先輩も見習ってほしい。……こんな優しい人にお前のせいだとは流石に言えない……。
「はああっくしょい!?」
「ちょっとー、上原さん、部屋の中で倒れないでくださいよー?」
「だ、大丈夫だよ……黒池ちゃんに噂されてるのかな?」
「火事の件ですか?また黒池先輩に行かせてるんですか!」
……こんな会話が脳裏に浮かんだ。いや本当にやってそう……。
「来た来た。黒池!」
「え!?」
前で手を振っていたのは白黒兄弟の弟だ。兄は相変わらずふんぞり返っている。
白黒兄弟は職場でも有名な兄弟で、髪が真ん中で白と黒に分かれている。兄と弟で色が反対になっている。
イケメンが二人でしかも兄弟ということで女性には大人気。毎年大量のバレンタインチョコを貰っているので、引き出しから溢れ出すチョコを見るたびに「ああ、今日はバレンタインか……」となる。
一方、男性には不人気で、女性を全て持ってかれるというのも理由ではあるが、いつも高圧的な態度なので嫌われている。なお、女性から貰ったあの大量のチョコは「甘いものが嫌いなので」との理由で捨てており、そのこともあって嫌われている。
「何を驚いているんだ。お前たちが来ないからこっちが駆り出されたんだろ……」
「……別に来なくてもいいですよ」
僕は最大級の嫌そうな顔を見せた。
「……こっちだって嫌なんだよ。でも火災現場の拡大によって人手が足りずに呼び出されたんだよ」
「拡大ですか?」
「そ。一気に4件、しかも範囲が狭まっているときた!これは犯人が決めに来たって証拠だよ!痛ぁ!?」
ベラベラとバラす弟をデコピンする兄。
一気に4つ?多すぎないだろうか?
だが範囲が狭まっているとなれば、一気にそんな数を実行するのは不可能ではないかもしれない。自転車移動が不可能なのであれば、車で移動することができる人間ということになる。
やはり大人、もしくは……。
「……」
「何か思い当たるフシでも?」
「……恐らくは今週末に判明するでしょう」
「事態は刻一刻と迫ってるのですよ!」
「僕を信じてください」
「……」
「……」
二人が顔を見合わせる。そして兄がこちらを向いた。
「……あなたを信じることはできません。こちらはこちらで捜査を続けます」
勝手にやってろ、と僕は言いかけたが、そんな言葉をかけてやる義理はないのでやめておいた。
そして、運命の日がやってきた。
白黒兄弟と別れたその後も3箇所の火事が続いた。どれもスルリスルリと逮捕されずに逃げ回る犯人がすごいのはすごいが、僕には3度もあったチャンスを空振った白黒兄弟を馬鹿にする気持ちのほうが大きかった。
「黒池ちゃ〜ん!」
「遅いですよ、先輩!」
幻條大の芸術祭。僕はこれが決め手となるだろうと思い、パンフレットを開いた。
僕の仮説が正しけりゃ、法則はただの丸ではなく……。
「って、何買ってきてるんですか!」
「何って、出店のフランクフルトだよ。はい、これ黒池ちゃんの分」
「あ、ありがとうございます……」
調子が狂うなぁと思いながらフランクフルトを咥え、再びパンフレットを読む。上原先輩もフランクフルトをモグモグ食べながら覗いてきた。自分の分を貰って来ればいいのに。
パンフレットには、さまざまな作品の説明が載っていた。幻條大は芸術専門の大学ではないため、体育会系の人も多い。むしろ半分以上がそうだ。だが今回は芸術祭なのでその文系の少数派以外の人たちは出店を出している。その一つがフランクフルト屋だった。
作品が少ない分、目当てのものを探しやすい。もちろん、体育会系の人も出している。が、申し訳ないがとても大学生の作品とは思えないものなので、温かい目で見てあげることも大事である。彼らは思い出作りのためにネタ枠で出しているので笑われたほうが嬉しいのではないかとは思うが。
「あっ!迷路面白そう」
「先輩、僕たちは遊びに来てるんじゃなくて捜査のために来てるんです。終わったら迷路に行きましょう」
「え!?遊びに来たんじゃないの!?」
「もしかすると今日逮捕できるかもしれないんです。むしろ、今日逮捕できなければ二度と逮捕できない気もするんです……」
「……そうか。それなら協力するよ。黒池ちゃんにこのヤマを押し付けたのはこっちだもんね」
「ありがとうございます。先輩。ここで食い止めなきゃ、防災の勉強をする子どもたちに示しがつきませんから」
「はは、それもそうだね」
ペラペラとパンフレットをめくる。……と、一つ気になるものを見つけた。美術系サークルの生徒のようだ。題名は「無題」……。写真は無く、場所だけが書かれていた。
「「怪しい……」」
「行くか!」
「もちろんです!」
僕たちはその場所へと急いだ。
場所は一階の端っこ。ロープで区切られたところがある。説明プレートとテレビ画面以外何も無いが。多分ここが「無題」なのだと思う。
「説明プレートしかありませんね」
「なになに……ってこれは……!」
「ビンゴですね!うーん、作った人の名前がありません。ここの先生に聞きましょう」
……結局先生は取り合ってくれなかった。なんでも、大学の問題だから……まぁ妥当だろう。
「……先輩。容疑者のプロフィールがわからないので、最終的な火事現場(予定)に身を潜めようと思います」
「どこにあるんだい?」
「僕の考察ですと、ここから500メートルほど離れた場所で火事が起こる予定です。なので、そこで待機しましょう」
「必ず、そこなのかい?」
「必ず。僕のことを信じてください」
「黒池ちゃん……」
「先輩」
「…………黒池ちゃんって、結構向こう見ずなんだね」
「あとで口にフランクフルト3本刺しますから覚悟しててください」
「ゔぇっ!?」
大学を出て、その現場に向かう。
煙が立ちのぼっていた。
「うっ……遅かったか……」
「あっ!あそこ!」
……ビデオカメラがあった。
無題に置いていたテレビ画面に繋がっているのだろうか。
「ビデオカメラですか。……」
「黒池ちゃんはそこを見てて!あっち見てくるから!」
「わかりました。野次馬も追い返してください」
……すでに鎮火はされている。
犯人が消化器で消したのだろう。何回かそういうことがあったからだ。それはどれも家が集まる場所での犯行が多かった。
現に、置いてある。
指紋を調べれば犯人がわかる。だが、今そんなまどろっこしいことをしている余裕はない。
スマホを見る。午前11時55分。
もう少しで正午か……。そういえば正午に打ち上げ花火をやるらしい。あのパンフレットに書いていた。それと同時に『これ』を中継するのだろうか。
「……まだソファーは置いていないみたいですね……」
「困りますよ!お兄さん!」
「!!」
バッ!と振り返る。
……美術部だろうか。ペンキだらけのエプロンを着た男性が出てきた。
「何が困るんですか?」
「これから本番なんです。それにそこ、映るので入ってこないでください」
「そ、それはすいません。……あの」
「まだいたんですか。何ですか」
大きなものに被せた布の端っこを持って彼は振り向いた。きっとソファーだろう。
「このあたりに放火して回っているのは、あなたですね?」
「…………」
「どうなのですか?」
「……黙秘します」
周りを見れば一目瞭然なのだが。
「そうですか。……僕だってあなたを逮捕するのは心苦しいんです。未来ある子供を逮捕するなんて」
「……お兄さんは誰なんですか」
「申し遅れました。僕はこういう者です」
そう言って警察手帳を開いて見せる。彼の表情がこわばった。そしてソファーの上に置いていたパレットナイフを手に取って、近寄るな!とも叫ぶ。
逃げようとして一歩、二歩と後退る。彼は辺りに散らばる木材に足を取られた。
「う、わ、わっ」
「危ないっ!」
僕は咄嗟に前に出た。
それが災いしたのだろう。はは……僕ってこういうとこ、あるからなぁ……。
ブスッ。お腹に鋭い痛みが走る。
そのまま僕と青年は横に倒れた。少し遅れたら彼は後ろに散らばる木材で頭を打ち、気絶もしくは死亡した可能性があった。
……まぁ問題は僕なわけだが。
「あ……あ……」
「っ、つぅ……」
食いしばった歯の間から空気を吸う。青年は、やってしまったという顔をしている。が、僕は言ってしまえば悪運が強い。だからこんなことで死ぬ僕ではないのだ。
むしろ運命が僕を死なせてくれない。そう思うこともある。
「……よかった……守れて」
「い、今抜くからっ」
「抜かないほうが……いい……です」
その時、パーン!と大きな音が鳴った。横たわる僕の目には大きな花火が見える。正午になったんだ。ビデオカメラから音が聞こえた。タイマー式だったみたいだ。
だが、見せるべきソファーは無い。
「黒池ちゃん!……黒ッ……おい、お前!」
上原先輩が来た。上原先輩は倒れる僕を見て血相を変えて向かってきた。
「黒池ちゃん!」
「だい、じょぉ……ぶ、です……」
「お前!放火どころか黒池ちゃんまで傷つけて!何をやったのかわかっているのか!」
「う、うぁあ……」
「お前を今すぐ逮捕する!」
激昂した先輩は震える青年に手錠をかけようとした。だが……。
「待って……待ってください……!」
「黒池ちゃん?」
「展示、させてあげてください」
「黒池ちゃん……でも、これは」
「これまで燃やされてきた家……報われないまま、何もなしに終わるのは……僕は嫌です!」
気を抜いたら意識が吹き飛びそうだ。だが、そうはならないという自信がある。
モクモクと立ち上る黒煙。その向こうに、何者かが立っている。ジッと見つめて立っている。
人間ではない、何者かが。
いっそ死神であってくれ。そう願いもした。今まで何度も何度も願った。……しかし一度も叶うことはなかった。今、ここで僕が立っている……いや、倒れているのだがそれはそれとして。生きている。生き残ってしまっている。
人間の中で恐らく一番業が深く、常に自分の影に地獄から伸びてくる手の幻覚が見えているようで。早くおいで。早くおいでと言っているようだ。だが、それは地獄ではないかもしれない。もっと酷い結果になるかもしれない。
そんなのクソ喰らえだ。
僕はただの人間では居たくない。人間でない存在にされるのならどんと来いだ。だからそう言っていられる。
ヘラ。ただの悪魔から一歩飛び出してしまった人物。あの何者かから彼と同じ雰囲気を感じ取れる。もしかすると彼も……いや、ないだろう。向こうから来てはならない。こちらから追い求めるだけなんだ。追い求めないといけないんだ。
「……黒池ちゃん!」
「……ぅ」
目が覚めた。白い天井。……また病院か。
布団をゆっくりと剥がすと、お腹に包帯が巻かれていた。パレットナイフって意外と刺さるんだ。覚えておかなきゃな……。
窓を見る。もう夕方だった。5時間くらい寝てたのだろう。……先輩との迷路、行きそびれちゃったな。
「……先輩……発表は……」
「……白黒兄弟の監視のもと、させてあげたよ。あんな目をした黒池ちゃん、久しぶりだったからね」
「それなら……よかったです。……先輩……今日はせっかくのお祭りなのに……」
続きを言いかけた僕の口を先輩が人差し指と中指で押さえる。先輩は意地悪そうな顔をした。
「おっと、それ以上は言わないことだ。…………黒池ちゃん……もう無茶はしないでくれ。毎回少し大きな事件になるとボロボロになる黒池ちゃんは見たくない」
「…………」
「わかったとは言ってくれないんだね。黒池ちゃん……それが答えだと受け取っていいんだね?」
「…………はい」
先輩には申し訳ないけど、これが僕の回答……僕には僕の体を使い潰す覚悟がある。あの悪魔に復讐するまでは。
「そういえば、どうしてあそこが事件の現場だってわかったんだい?」
「そのことですか……。先輩は黄金螺旋はご存知ですか?」
「きれいに見えるとかそんな感じ?」
「はい。あれはただの円ではなく、黄金螺旋なのでどんどん中心に小さくなっていきます。芸術系の事も頭に入れて考えてみたところ、黄金螺旋が出てきました」
「よくそんな芸術系って仮説が立てられたね」
「あそこまできれいに線を書くならって。一か八かでしたが……。白黒兄弟に先手を打ててよかったです」
「こらこら、競争じゃないんだから」
「わかってます!いてて……!」
刺されたお腹がズキズキ痛む。
「興奮しないの。…………容疑者の彼。黒池ちゃんに礼を言っていたよ。最後まで完成させてくれてありがとうございます。って」
「そう……ですか」
「少し元気がなさそうだね」
「……大丈夫です」
その時、ガラガラっ!と病室の扉が開いた。先輩が周囲のカーテンを開けていたので、入ってきた人物が明らかになる。
「先輩!先輩先輩先輩〜っ!!無事だったんですね!よかったぁ!!」
「くる、くるし……苦しい……」
「ああっ、ごめんなさいっ!」
ケーキの箱をテーブルに置き、目を赤くして抱きしめてきたのは後輩の山野くん。ケーキ屋の息子で、毎回僕のお見舞いにケーキを持参してくる。しかも「どうせ上原先輩も来られてるんだろうしホールで!」とホールを持ってくる。今日も例外ではなかった。
病院では甘いものはダメなはずなのにどういう手品なのだろうか。
「グッチーも来てますよ!」
「グッチーって……谷口くんのことですか?……相変わらず見えませんが」
見えないのは透明人間だからである。
「でも珍しいですね!剣士の黒池先輩が刃物にやられるなんて!」
「僕だって人間ですからね。刃物には何であろうと弱いですよ」
テヘヘ、と笑う。が、先輩は首を横に振った。
「またまた〜!黒池ちゃん、あれってわざとでしょ」
「あ……はい。実は」
「え!?わざわざ刺されに行きます!?普通!」
「それも黒池ちゃんの性格なんでしょ。さ、帰った帰った!そろそろ面会の時間が終わる。ナースさんに怒られちゃうよ」
「夕方ですもんね……では!先輩!また明日!」
僕から離れた山野くんが敬礼をし、僕もベッドの上から返す。
彼らは「ナース」と呼ぶか「看護婦」と呼ぶのかの討論をしながら帰った。その声が聞こえなくなったところで僕はさっきのホールケーキの箱を開いた。
いつものように少し不格好なケーキ。山野くんが作ってくれているらしい。しかも見様見真似。美味しいからいい。それに真心もこもっている。
誰かが作ったものではなく、自分の手で作り上げたものはどれほど温かさがあるだろうか。そしてそれを壊すのはひどいことだ。
本来ならあの大学生をすぐにでもぶん殴って展示をさせない方向に向かっていただろう。だが、もしそれが僕だとしたらやっぱり展示したい。
「……」
家に置いているコートの中で、光が溢れる。1だったものが0になった。
どうも、最近Twitterで絵ばかり描いているグラニュー糖*です!
トプ画が黒池さんになりました!長い髪の男の人がとても好きなので、描いてて楽しいです!
ええ……怪奇討伐部だけじゃなく黒池さんのもやりますよ!やりますとも!ちょっと怪奇討伐部のイベントが盛り沢山だったからって放置してたわけではありませんよ!ちゃんとキャラ募集とかしてましたから!
では、また!