地元の友達に声を掛けよう
趣味で書き始めました。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
「満足したかーい!ヨシヒロ―!!」
余韻を味わうようにゆっくりと立ち上がった佳大は右手から掛かった声に顔を向ける。
いつのまにかクリス達は集まっており、佳大を遠巻きにしていた。不機嫌そうなジャックとアルカイックスマイルを貼りつけたナイの間から、ターニャが恐々と顔を覗かせる。
クリスだけが旧い友人にそうするように手を持ち上げ、近づいてきた。
ロムードが絶命してすぐ、潮が引くように体調が良くなった。
達磨になった彼女は、全身を本来不可能な方向に折り曲げたまま、静かに横たわっている。
「いつから見てたんだ?」
「僕は佳大が咳き込んだところから。ジャック達も、ロムードの上に乗った頃にはいたね?」
水を向けられたジャックとターニャは無言を貫いている。ナイ一人が質問に答える。
「えぇ。衆人の心胆を寒からしめる暴れっぷりでした。晴れ晴れとしたお顔を見るに、さぞ気持ちよかったのでしょう?」
「まあな……巨人族のところにいって、後は帰るだけだ。お前ら、どうする?やりたいことあるなら付き合うが」
佳大は一同の顔を順繰りに見渡す。
「僕は特にないね。ヨシヒロに邪魔されて欲求不満だし、はやく巨人と戦いたいな」
「俺も無い」
「ターニャはどうです?」
男達の視線が、小柄な女に集まる。
「あ…あの…ナイだけ、ついてきて」
「いいですよ。ちょっと失礼。……なんですか?」
一同から2人だけが、少し離れた。
ターニャは耳打ちする様なか細い声で、友達がどうなったか知りたいと告げた。
佳大達と旅するようになってから、彼女は一度も人鼠の同胞と連絡を取っていない。ナイが伝え聞かせると、次の行き先は獣人領に決まった。
「いいのか、ヨシヒロ?」
「仲間の用事に付き合う度量くらいあるさ。もう何週間も経ってるんだ。焦っても仕方がないし、俺の用事はほとんど終わったよ」
佳大パーティーは一路、東大陸に通じる門のある平野に引き返す。
砂の多い平坦な土地に、疎らに植物が生えている。佳大の提案で浮浪者を独り捕まえ、彼の魔力で大陸を越える。
「無鉄砲と思いきや、結構吝嗇家ですね貴方。門を通過する際の魔力など、貴方にとっては微々たるものでしょう」
「わざわざ俺達が負担する意味があるか?それに正気度喪失しちゃうじゃない」
「貴方なら平気ですよ」
チェリオ市から徒歩20分の位置にある湖のほとりに現れた彼らは、チェリオ市に立ち寄ることなく獣人領に向かう。
シャンタク鳥の背中に跨って、ベヒモット村に近づいていく。佳大は村に寄るのかと考えていたが、人鼠の集落は村の中には無いらしい。
佳大が話しかけた時、ターニャの駆るシャンタクの動きが不安定に揺らいだ。
3名はターニャとナイが人鼠達に会いに行く間、村の前で待っている事にした。
「ヨシヒロ様…」
「やあ、レニ」
「あぁ、どうも」
村の前で屯している彼らの元に、十数名の村人が近づいてきた。
先頭にいるのはレニだ。彼は口周りを引き攣らせ、佳大とクリスが何をしに来たのか、恐々としている。
ほぼ自給自足の生活をしているだけあり、獣人領外の混乱はまだ届いていない。
「…お戻りになられたのですか?こちらには――」
「鼠獣人の女が仲間になってな、向こうの用が済んだら、すぐに出て行くから」
「そうですか…御用向きがある場合は、村の集会所まで」
ターニャたちはその頃、山間に穿たれた洞窟の前で2人の友人と会っていた。
胸のあたりまで伸ばした髪をおさげにし、左右に垂らしているのはエミール。段差をつけたショートボブに、切れ上がった目尻の持ち主がファム。
2人とも、身長がターニャより頭一つ高い。地元の友人――というか、ほぼこの2人くらいしか話す相手がいない。
ナイは久方ぶりの友人との語らいを邪魔しないよう、5mほど離れた木の陰に控えている。
「すげー久しぶりだな、しばらく近況伝わってこなかったし。パーティに入ったらしいって聞いたけど、追い出されたのか?」
「ちげーよ、巨人族ン所に乗り込む話なって、その前にちょっと寄りたいって言ったの」
「巨人!?……ってお前、何やってんだよホント」
ターニャからすればこっちが聞きたい。
2人は仲間達と世界中旅して回っており、巨人領への侵入を考えているとだけ話した。
北の島でエルフと会った事を話すと、彼女達も興味惹かれたらしいが、友好的に歓談したとお茶を濁した。
散々殺したなどと、口にする度胸はターニャには無い。冥界降りやイース侵入についても同様だ。
「何か用事があったんじゃないの、ターニャ…」
「あぁ、お前らさ、アタシらん所に入らない?」
「パーティか?なんで」
「なんでっつーか…ほら、今いろいろヤバいこと起こってるじゃん。私のパーティー、結構強いしさ。残しとくのも心配なんだよ」
ターニャは居心地悪そうに顔を逸らす。
「以外にマメなトコあんな、お前…」
「はぁ?喧嘩売ってんのか」
「ちげーよ。感心してたんだよ…けど、止めとくわ。お母さん1人になるし」
「連れてこりゃいいじゃん」
「え、あぁ……だったら一応、聞いてみるけど」
ファムは気の進まない様子で言った。
「ターニャ、私はついてく」
「あ、そう?」
「ついていかなったの、すごく後悔したから。これからはずっと一緒だから」
「お、おう……」
仏頂面で顔を寄せられ、ターニャはやや怯んだ。
「じゃあ、今晩くらい村で待っているから、駄目でも来てよ」
「いいけど…お前、そんな決定権あるのかよ。出世したな」
「あぁ…まあな」
ターニャはファムと別れると、ナイに声を掛けた。
この男の事は、2人は手下と紹介している。本人もその紹介に、口を挟むような事は無い。
「ファムさん、同行してくれるといいですね」
「え!?あぁ…そうね」
ターニャはシャンタクを呼び出すと、エミール、ナイと共にベヒモット村に向かう。
ジャックはともかく、クリスと佳大に合わせるのは不安だ。後者の2人について、ターニャはオブラートに包んだ表現しか使っていない。
ありがとうございました。




