佳大パーティーの冥界降り
趣味で書き始めました。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
「川に何かいないか?」
「え、魚?」
「そんなわけないだろ…人間か?」
川面が浮かび上がり、相好のはっきりしない人影が船にとりつこうとする。
老人はオールで一突きしてから、向こう岸を目指して、船を漕ぎ始める。
「カロン=グレアムだ。間違いない、ステュクス河……ナイ!!」
ステュクス河、の一言で佳大にも事情が分かった。
冥府だ。ロムードが刻んだ対話の呪印により、神々の特徴や権能は名前を知るだけで把握できる。
「どういうことだ!何故俺達を冥界に連れてきた!?」
「私は西大陸に出口を開けました。外部から妨害されたのでは?」
「妨害だと……」
ナイに掴みかかっていたジャックは、佳大に顔を向ける。
「あぁ、神か。魔術が得意な神っているのか?」
「いる。アルテミス=アイラ。月と魔術、狩猟を司る女神で、アポロン=カナメ神の妹だ」
アルテミス=アイラ、と佳大は名前を口に出す事無く反芻する。
ロムード神以外には用は無いのだが、無駄な敵が増えて、全面戦争の様相を呈してきた。
それならそれでいい、あくまで自分の邪魔をするなら皆殺しにするだけだ。神々を相手取る事の重大さは承知しているが、借りを返す、返さないには影響しない。
「ん、んん…」
佳大の腕の中で、クリスが身を捩る。
「起きた」
クリスはゆっくりと瞼を開く。
「ん…えぇ?降ろしてよ、ヨシヒロ…恥ずかしいからさ」
彼は佳大に抱えられている己を自覚すると、転がるように腕の中から降りた。
「元気ないな」
「……」
「負けたのが応えたんだろ、静かでいい」
クリスはジャックを恨みがましい目で見るが、口を利くことは無かった。
ジャックの意見に根拠はない。しかし、佳大には大いに納得できた。出会った当初からあれだけの戦闘力を持っていたのだ、誇りに思っていただろう。
先の戦いでそれが砕けたとすると、気持ちが沈んでも仕方が無いかもしれない。
(かといって負けてやるわけにもいかなかったしな)
強さを誇りにする、という感覚は佳大には無い。
喧嘩はそれなりにしてきたし、組手も含めれば、文系青年にしては、戦いの経験はそれなりに多いと言っていいのではないか?
しかし、勝ち負けは時の運だ。一度負け、あるいは失敗したくらいで取り乱す佳大ではない。
佳大はクリスの様子を気に掛けていたが、掛ける言葉が思いつかなかった。
「どうやって川を越えます?あの船に乗るのは不味い気がしますが」
「雲に乗っていけないかな。海はともかく、向こう岸が見えているし、行けそうだと思うんだが」
黒雲に仲間をしまい、佳大が空を飛んでいけばいい。
「か、川を越えたらさ……死んだことにならない?」
「平気じゃない?冥界から帰る英雄なんて珍しくないし」
「死者はタナトスに魂を抜き取られて冥界に招かれる。それに佳大の言うとおり、冥界を行き来した伝承は確かにある。神以外がイースに生きながら昇ったはないがな」
死を克服するのは、この世界でも英雄の条件らしい。
「そっちだよな、問題は。とりあえず、えーとハデスに会いにいくか」
幾つかの神話がそうであるように、冥界王がいるはず。
佳大は冥界を支配する神に面会し、出入口を教えてもらう事にした。
冥界の入口を自力で探す案も検討されたが、時間の無駄だ。
「教えてくれると思う?殺されないかな…」
「ふん。どっちみち、十二神の一柱を殺そうってんだ。その時は返り討ちにしてやる」
不安がるターニャに、ジャックは力強く答えた。
クリスは心ここにあらずと言った様子で、死者を乗せるグレアム老人を眺めている。
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