因縁はオスロー領の前に集う
趣味で書き始めました。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
小柄で赤縁の眼鏡をかけている女性――瓜生七穂は、オスロ―領の境界に設けられた本陣で浮かない顔をしていた。
佳大が招かれた事を教えられ、彼を追うべく準備を進めていたが、狙いすましたように共和国内で、様々なトラブルが起きる。
カナメ神の尖兵として名を売っていた彼女は助力を請われ、あちこち奔走している内に、遊牧民による侵攻が始まった。
エスタリアの南端に位置するオスロー領は、平坦な地形が多く、丘陵地帯は北に集中している。伯爵が寝返った事もあるが、恐るべき速度で全域を制圧、さらに北へ進もうとしていた。
七穂はこの世界の文明レベルを、大航海時代の始まり程度と考えている。
その中で遊牧民族が、これ程の存在感を発揮している事に、彼女は驚いた。どの様な仕掛けがあるのか……これは武力衝突に参加して、すぐに分かった。
彼らの放つ矢は外れる事無く、ミサイルのような軌道を描いて、甲冑を着た兵士10名を一撃で貫く。彼らの駆る馬は飛ぶように駆け、敵を刈り取ると、風のように去っていく。
首尾よく落馬させても、歩兵達は高い脚力、跳躍力で窮地を脱してしまう。軍全体、兵士一人当たりの機動力が、エスタリア軍より上なのだ。
(何か仕掛けがあるはず…、いったい何?)
彼らは自前の騎兵だけでなく、幻獣を味方につけた。
幻獣――召喚師と呼ばれる人々が呼び出す、この世ならぬ場所に住む生物。
彼らは強大な力を持つが、先天的な才能によってのみ、幻獣を操る事ができる。七穂が出会ってきた冒険者に、召喚師を見た事のある人物はいない。
これにオスロ―伯の軍が加わる。長引いて当たり前だった。
《七穂、報せを持ってきた》
嘆息する七穂の頭上から、一羽の鷹が舞い降りる。アポロン=カナメ神の聖獣だ。
《なんですか?》
《佳大がエスタリア領チェリオ市に入った。今、着いたばっかりだな》
カナメと会話している間も続いていた、七穂の黙考が中断される。
彼が気まぐれに知らせてくれる以外に、佳大の情報はまるで入ってこなかったのだ。
《彼らはこちらに向かうでしょうか?》
《いや、西大陸に渡りたいらしいからな。用は無いだろう》
カナメはやや落ち込んだ七穂を励ましてから、その場を後にした。
アガーテとカルラは消えた。
分体ではない。彼女らの本体は砕け、ターニャの内側に溶けて消えた。
人鼠の女は混沌の神性を纏い、召喚術を身に着けてしまった。あれを知ったエリシアとロムードの驚き…さしもの戦女神をあれには言葉を失わざるをえなかったらしい。
夢世界での戦いを目撃したヴァルダ、カナメは、佳大から手を引く事に決めたのだ。
「ねぇ、ヴァルダ」
「なんだよ」
「もし力を貸してくれたら、毎夜相手するよ?」
「おほォ!!…っと、他の頼みならともかく、あれの相手は御免だぜ。魅力的な誘いだがな」
イースの会議場から出ていくヴァルダは、入口でロムードに下卑た笑みを向ける。
「らしくありませんね。戦神ともあろうものが」
「何とでもいいな、第一、そっちもらしくないぜ」
「何ですって?」
ヴァルダは取り乱す事なく、エリシアに指をさす。
「ロムードの首を差し出して、手打ちにしてもらうんだよ。元の世界に帰る云々は、巨人どもに手段があるとか言ってな」
「貴方は!!腹違いとはいえ、妹に対して死ねと言うのですか!!」
「へへっ、呼んだのはソイツだろぉ。俺に尻拭いさせる気か?…まぁ、別の意味でならやってもいいがな」
ヴァルダのように茶化しはしないが、カナメもほぼ同じ気持ちだった。
ロムードのとばっちりで消されたら堪らない。佳大の旧友を尖兵に引き込んだのだのは運が良かった、これを利用して、いざという時は見逃してもらう。
彼女から数十m離れた位置、負傷者を運び込む野外病院の前に冒険者の一団が通り過ぎていった。
ウィルやチェルシー…佳大がパーシバルで遭遇したパーティーである。南に行き損ねた彼らは、なし崩し的に徴兵され、こちらに送り込まれたのだ。
損耗はマーカスが負った掠り傷とチェルシーの右膝の矢傷、装備の摩耗のみ。歴戦のパーティーだけあり、死者は出ていない。
「姐さん、そうカリカリしなさんなって」
「何か言った?私についてる暇があったら、糧食でも取ってきたら?」
「それはミルドとマーカスが行ってるよ」
チェルシーは右膝を引きずるようにしていた。
傷は治療されているが、感覚が戻らないのだ。参加したくもない戦争に駆り出され、あげく軽くない傷を負う……散々である。
このまま足の感覚が戻らなかったら、遊牧民側に加わりそうなほど、チェルシーは荒れていた。
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