本はいくらあってもいい
趣味で書き始めました。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
2階の大部分を占めている集会室は、台風一過と言った有様だった。
壁や床はおろか、天井にまで血が飛び散り、骨が突き刺さっている。腸や鱗で床は埋まり、探索するならこの上を通らなければならない。
扉の吹き飛んだ入口を潜った佳大の頭に、天井から血液が雨滴のように垂れ落ちた。
「派手にやったな」
「まぁね。小さかった頃、山の中で鹿や熊を追い掛け回したのを思い出したよ。雑魚ばっかりなのがいただけないけど」
ターニャは部屋に入る前から、怖気で顔を顰めていた。
彼女は集会所に足を踏み入れようとはしなかったが、3人から離れるのも怖かったので、泣く泣く凄惨な広間に入る。
しかし5歩進んだところでリタイア、腸や肉片から目を逸らすように退出し、廊下の隅に蹲って嘔吐した。
「あれ、お前のせいだぞ」
「え?アハハハ……だらしないなぁ!」
「ここはもういい、ヨシヒロ、気配はどうだ?」
ジャックは口元を歪めたまま言った。
ターニャのように吐きはしないが、部屋の有様は、魔物の彼を閉口させる程ひどい。
破顔するクリスの隣で、気の抜けた顔をしている黒髪も横目で見た。常軌を逸している。
恐怖だ。程度の差はあるが、ターニャとジャックは、2人に恐怖を覚えていた。
「うーん…下だけだな。上は誰もいない」
「そうか。ちょっと探索してから――!」
弾かれたように港の方を見た。
口周りを汚していたターニャですら、それどころではないと言わんばかりに顔をあげる。
巨大な気配――爆ぜる音と共に現れた。直後に魚人の唸り声を数百倍したような絶叫が、夜のマーシュ村を震わせる。
「沈んだかな」
「そうなんじゃない……さっさと出てくんだったな」
「どうして?」
「飽きたんだよ。結構殺したし、金貨も手に入っただろ。もう出てかない?」
「えー!?せめて港のヤツは倒してこうよ!」
「…馬鹿言え、金貨はざっと500枚はあった。他にも首飾りだの、剣や兜だの…17枚ぽっちに杖と本で満足できるか」
せっかく合流したんだから、お宝は根こそぎ攫うべき。
「盗むったって、けいさ…他の村の住人とか、船を出した所のヤツに見られたらどうする?」
「お前らが作った死体はどう説明する?村を荒らしたのは変わらん」
「ちょっとー、僕らばっかり責めないでよ!」
「お前らそこまで!わかった、ここを調べたら、港に戻ろう」
一行は2階の探索を開始。
書庫を見つけると、ジャックと佳大は機嫌を良くした。
「色々あるなー、ランゴバルドと緑の騎士、エルフの鋳造器具、ヤン族の歴史と文化…植物ガイド!」
「これは…魔道書か。レマン家の崩壊、風を渡るものたち……」
ジャックと佳大は、目を皿のようにして書棚に並ぶ本を検める。
「楽しそうだねー、佳大は本が好きなの?」
「好きだぞ。これはシリーズだな。クリスは読まないのか?」
「読まないね。読み書きは父さんが教えてくれたけど、村で本を読む奴なんて見た事ないし」
6冊あるタイトル、蛇の女王を黒雲に収める。
ジャックはブーゲン経典を佳大に渡すと、書棚から離れた。
「本以外には何もないな」
「日記とか無かったか?こっち見つからなかったんだけど」
「俺も見てないな」
「そうか……、もう出よう」
4人は書庫に出ると、地下に向かった。
港に現れた巨大な気配は、陸に上がる気配を見せない。
ラウンジを抜け、便所脇から地下に降りると、魚人と魔本を手にした村人が襲ってきた。
手早く片付けると、ジャックは彼らの死体から本を剥ぎ取る。
「光の刃、吸魔、追憶妨害……どれも使えるな。よしよし」
ジャックを無視して、クリスは強力な気配を放つものに近づく。
それはクリスよりなお小さい、人型のミイラだった。瞼の無い濁った目、分厚く大きく裂けた唇、鼻は無く、手には鋭い爪を生やしている。
魔法円に寝かされていたミイラを、佳大はそっと取り上げた。
「えー、これぇ?」
「木乃伊か。人間じゃないな…、魔物でもない。神…にしては圧が弱い」
「これ持っててもらっていいか?」
佳大が魔法円から一歩出た瞬間、赤ん坊の泣き声が4人の鼓膜を貫いた。
ミイラだ。死んだと思われていたミイラが、泣いたのだ。
同時に、再び大音響がマーシュ村を震わせる。港に現れた気配が移動を開始。
「こっち来た!」
佳大は泣き止まないミイラをちらと見て、地上に向かって駆けだす。
その両腿の半ばから先が、柿色に染まる。両脚の筋肉が厚くなり、騎士の脛当は外骨格のように脛と一体化。
向上した走力により、クリスが走り出すより早く、佳大は玄関ホールの扉を開ける事が出来た。
ありがとうございました。




