再びのマーシュ村、不吉な船出
趣味で書き始めました。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
「ねぇ、気付いてる?」
「何を」
甲板に並んで立ち、佳大とクリスは村を眺めていた。
佳大は迷宮で手に入れ、黒雲から取り出した果実―味や断面から見るにライム―を啜っている。
クリスも一口齧ったが、酸味が強くてギブアップした。貪るようにしている佳大に関心が向いたクリスは、話題を変える。
「よく食べれるね、そんなもの」
「うん。ビタミンCを感じるぜ」
「何それ?ビタミン?」
皮にはハリがあり、傷んでいる風ではなさそうだ。
まだ確定するには早いが、この黒雲は食料の保存に役立つのではないか?長旅にも希望が持てる。
「ビールとか、飲み物に果汁を加えるのが、美味しい食べ方なんだけど」
「ならそうすればいいじゃないか!なんでわざわざ、齧ってるんだよ。変なヨシヒロ。ところで、この辺りの海に妙な連中がいるよ」
佳大は汁を啜るのを止めて、話を聞く態勢に入った。両手に半分にカットしたライムを握っている。
「…魚人じゃないのか?」
「あぁ、魚ね。それとは違うと思うな。近くの海全体が迷宮化しているっていうかさ」
「なに?……そうなのか?」
佳大は海面に意識を向ける。
海面の下を蠢く複数の気配には、既に気が付いている。
潜ったら更に詳しい事が分かるかも知れないが、得体の知れない連中の只中に飛び込む気にはならない。
「ありがとう、知らせてくれて。ジャックとターニャにも知らせておく」
「どうするの?」
「陸に上がって調べに行くのも手だけど、向こうの出方次第じゃないの」
2人は甲板から客室に戻り、ジャック組と情報共有する。
「調べに出たいのは山々だが、船に乗り遅れるのは避けたい。放っておけ」
「だ…だだ、大丈夫…ですか?」
「さぁな。お前ら、獣人領から来たんだろう、何か聞いてないか?」
クリスは肩を竦めるが、佳大には何か引っかかるものがあった。
「確か、お前の所、と仲悪いんじゃなかった?それで最近、海から何か持ち帰ったとか」
「何か…ってなんだ」
「いや、知らん。戦いになりそうだとか言ってた」
「あぁー、僕も思い出してきた」
「お前ら不吉なことばかり喋りやがって…、クソ……船はいつ出るんだ」
出港準備が整った時、空には赤みが差していた。
船員達は夜にならないうちに、マーシュ村を発つ事に決めたらしい。
何度か行き来しているルートなので、地形を把握している。多少視界が悪くなっても、進むには問題ない。
佳大達はカード遊びや雑談で時間を潰し、やがて床に就く。それから数時間後、扉を叩く音で2人は目が覚めた。
「何だよ、まだ夜だろ」
佳大が扉を開けると、外にはジャックとターニャが立っている。
「起きろ、様子がおかしい」
「?」
「なんだろう?」
目を覚ましたクリスが背後にいた。4人はジャック組の部屋に集まる。
「どうかした?」
「俺から話す」
最初に異変を感じたのは、ターニャだった。
不意に目を覚まし、布団の中で何度も身じろぎしていた彼女は、船体が同じ場所を行ったり来たりしている事に気づいた。
どうしても気になった彼女は客室を抜け出し、甲板に向かうが、入口は閉め切られていた。しかし外には霧が出ている。
「外には船員もいるだろう?呼べばいいじゃないか」
「えぇ……や、だって」
大きな声を出したくない。
乗客は寝静まっているだろうし、もしかしたら考えすぎかもしれないのだ。
だから同室のジャックに相談した。
佳大が生命信号の感知を行うが、甲板には誰の気配も感じない。億劫だったので、結果は伝えない。
「それなら、ジャックに鍵開けてもらって、みんなで確かめよう。いいよな?」
「あぁ、状況がはっきりするまで、お前ら静かにしろよ」
「はーい」
4人は闇に沈んだ廊下に出て、甲板を目指す。
佳大はそれぞれに武装を渡し、戦闘の準備を整える。
とはいえ、複数の魔本を保有するジャック以外は、身に着けている品しかないのだが。
ありがとうございました。




