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鬼火の後始末

趣味で書き始めました。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 3人はチェルシーがいた辺りに視線をやる。

勢いを衰えさせぬ真紅の踊る壁の中、ゆらりと立ち上がった2名の影を認めた。


 魔術で2人の支援を受け持っていたジャックは、時間が止まったように感じた。

部屋を轟音が貫き、ほとんど間を置かずに、石切り場の一角が火炎流に呑み込まれたのだ。

何故かパワーが上がった自分の火炎魔術が、蛍火にしか見えない規模の業火。佳大だ、根拠は無いが、確信を持って言える。


(お前が騒ぎを起こしてどうする!?)


 ジャックは固まっている3人に注意しつつ、どのように声を掛けるか考えあぐねた。

下手に呼びかけて、こちらに注意を向けてほしくない。クリスを止めて欲しかったのに、別パーティーの1人に深手を負わせるとは……。

戦闘を警戒し、魔本に触れる指に力が籠る。


 その後ろでターニャは、涙目で座り込んでいた。

戦闘に参加する事なく、石切り場の積まれた石の前で待っていた彼女は、激しい轟音と閃光に息を呑んだ。

炎はまもなく姿を消したが、溶解した天井から雨水が漏れるように滴が垂れる。


「痛いよ、ヨシヒロ。いきなりひどいじゃないか」

「お互い様だろ、背中踏んだくせに」


 佳大が炎の海の中。

瞬く間に活火山の火口付近並みに気温が上昇した部屋の中で、2人は汗一つ掻いていない。

佳大とクリスは超高温の只中に身を置いていたというのに、身に着けている衣装さえ無事だ。

2人は未だ熱を持ち、溶ける床から、涼しい顔で手前に移る――佳大の視線が、ウィル達3名とジャック、ターニャを捉える。

途端にばつの悪そうな顔をした。彼が床が熱を持っていないあたりまで来たので、ジャックは足を動かす。


「……ヨシヒロ、今のはなんだ」

「ゴメン。なんか出ちゃった」

「出ちゃったぁ!?」


 ジャックは言葉を呑み込む。

叱りつければいいのだろうか――分かってはいたが、この男は自分より強い。

彼が言葉を紡ぐより早く、佳大とクリスは残りの1体を始末に向かう。

黄金の毛で覆われた腕を叩きつけるも、強靭な皮膚と筋肉には通りが鈍い。衝撃にも強いようだ、飛び回るクリスに腕が伸びる。

佳大はミノタウロスの右脛を抱え、その巨体を持ち上げる。脛を抱えたまま回転し、途中で離す。投げ飛ばされた巨躯が壁に命中し 石切り場全体が揺れる。


 ジャックは共闘していたパーティーに目を向ける。彼らは立ち上がり、ゆっくりと武器を構える。


(さて……、どう来る?)


 ジャックは最早、3体の巨人など眼中にない。

問題は彼らだ。その顔から、こちらに対する強い敵意を感じる。

突如パーティの一人に襲い掛かったクリス、敵集団をほぼ壊滅させたとはいえ、実際に重傷を負わせた佳大。


(あの2人は気にしないだろうな、問題は俺達だ)


 ターニャに目を向けると、膝を立てたまま部屋の隅で座っている。

彼女は放っておこう。自分の身を守るだけで手一杯だ。この場を切り抜けねば、ゴルド金貨どころではない。

戦闘が終わり、7名の間に気まずい沈黙が流れる。なんとなく立ち去り難く、彼らはその場に留まる。


(これ、俺が謝る流れだよなー)


 遺恨を残すのは不味い。

故意ではないにせよ、やっちゃったものは仕方がない。

佳大はウィル達の前まで歩き、黄金の蜜――ネクタルで再生したチェルシーに頭を下げる。

マーカスから渡された外套で身体を隠す彼女は、冷ややかに男を見つめた。


「ごめんなさい。クリスとあんたを止めようとしたんだが、力が暴発してしまった」

「謝ったらそれで終わりなの?私、危うく死にかけたんだけど」

「此方の報酬はそちらに譲ろう」


 ジャックが目を剥く。

連れの男達は硬い表情で、成り行きを見守る。含むところはあるが、こじれさせたくない。

あの威力の大火を目の当たりにすると、敵に回さない方が賢明だとつい思うのだ。彼女の意趣返しに生命まで賭ける気はないが、最も被害を受けたのは彼女だ。

この場で殺し合いに発展するようなら、仲裁に入ろう。言葉を交わす事無く、2人は意を同じくした。


「それは結構。この借りは高くつくからね」

「わかった。俺は佳大、あっちの金髪がクリス、向こうのローブ着た男がジャック、それから……ねぇー!?」


 佳大は座り込む小柄な黒髪に向かって叫ぶ。

きょとんとしているターニャの前に、唐突にクリスが降り立つ。


「ヒッ――」

「そんなに怖がらなくていいよ、君、名前は?」

「え…」


 クリスがターニャの肩を揺する。


「名前だよ。まだ聞いてないよ、僕達」

「あぁ、あの…ター…ニャ」

「ふーん、ターニャだって――!」


 佳大はチェルシーに顔を向けた。

神妙な顔をしているが、心の中では早く終わらないかな、と思っている。

自分から話を切り上げようとするのは駄目だ、佳大にもその程度の空気は読める。


ありがとうございました。

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