ジョセフィーヌ街の女ネズミ
趣味で書き始めました。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
「ねぇー、もう帰らない?ここにいると病気になりそうだ」
「そうだな。この辺で切り上げるか、ジャック」
無人のあばら家で、ジャックは帰還の符を使用。
3人の周囲に"門"が創造され、不可視のパワーが彼らをエルフィ市にある冒険者ギルドのホール前に連れて行く。
移動を終える寸前、クリスが天井を仰ぎ見たが、2人は気づかなかった。
(行った…、よし、もう行った)
屋根の上で身を伏せていた小柄な女は、長く息を吐いた。
腰まで伸ばした黒髪のあちこちで毛先が跳ねており、まるでリスの尾だ。
前髪も長く、左目が殆ど隠れている。目は零れそうなほど大きく、唇は薄い。
整った顔をしているが、草臥れたような雰囲気を漂わせており、声を掛けようとする異性は少ないだろう。
獣人領出身の冒険者、ターニャである。
少額の盗みや死体漁りを主な収入源にしている彼女は、最近になって、人恋しくなった。
冒険者ギルドに登録しているが、ホールの職員くらいしか会話の相手がいない。彼らも、自分とはプライベートな話題はしたがらない――仲間が欲しい。
そんな頃、迷宮内で獣人の気配を感じ取った。しかも強い。
彼女は佳大が迷宮の地下都市に姿を現した時から、ずっと付け回していた。
金髪の少年が騎士ニコルを殺害したのも見たし、セーラとのやりとりも聞いている。
彼女はクリスとは異なる人鼠――ネズミ獣人であり、視覚以外は非常に優れているのだ。
クリスについては、僅かながら記憶している。
耳聡い人鼠の年長者の噂で、不義の子であると聞いていた。正妻に毒を盛られる数年前に村を出ていたので、少年にあれほどの戦闘力があるとは知らなかったが。
(あの黒髪の男、この辺りじゃ見ない顔だったな)
これまでターニャが見かけた人物と比較すると、顔の凹凸が少ない。
ヴァルダ神の使徒と呼ばれる冒険者、浩之が蒸発した経緯は把握している。
彼が新しい使徒、佳大なのだろう。目撃はされていないようだが、こちらの尾行を看破しているらしい呟きを漏らしていた。
(まさかね。それより、どうやって接触しよう)
顔はよくわからないが、声や臭いで探し当てる事のは容易だ。しかし、いきなり声を掛けるのは怪しまれてしまいそう。
ターニャが悩みながら、魔物の眼を忍んで帰還している頃、佳大たちは顔を突き合わせていた。
持ち帰った器物を売り、2シルバと16ブロンを入手。黒雲を商店の中で出す訳にはいかず―李下に冠を正さず、というヤツだ―、表で商品を取り出して店に持っていった。
身体で隠し、黒雲を見られないようにしつつ、折れた刃や鉄の鉱石、ナイフの束に、燭台に乗った手首を売る。手首は「栄光の手」と言う、火を点ける事で家の住人を眠らせる燭台らしい。
「牛の歩みだが、徐々に金も増えてきた。ロムードの使徒って名前を使えば、もっと稼げそうだがな」
「それは駄目だよ。ヨシヒロはロムードを殺しに行くんだから、ねぇ?」
夕食を済ませた4人は、佳大とクリスがとっている部屋に集まっている。
「なんでまた?生半可な仕事じゃないぞ、それは」
「だって…、報酬も無しにいきなり連れてこられて、主神探しと巨人族との戦いを命じられたんだぞ、殺すだろ?」
「あぁ、それはしょうがない。報酬も無しに働かせようとは、そいつら相当頭が鈍いらしいな」
ロムードは加護を与えようとしたが、それは既に忘却の彼方に消え去っている。
今や彼女は佳大にとって、自分を訳も分からず異世界に放り込んだクズでしかない。ただし、怨みはあるが、湿っぽい感情は持ち合わせていなかった。
やられたからやり返す。聞き分けの無い生徒に説教する教師ですら、もう少し相手に同情するだろう。
「ならばこの人数では足りんだろう。もっと頭数がいる」
「何言ってるのさ!君はともかく、僕と佳大がいるんだよ。十分だと思うな」
「アホか」
ジャックが眉一つ動かさずに言った。
佳大も無表情に近いが、楽天的に構えているらしいことは読み取れる。考えが甘い。
「冒険者ってのは、どうやって徒党を組むんだ?」
「…知らない。考えたこともない」
「その体たらくで、よく神殺しなんぞと吐いたな。以前の鎧女なみの奴…いやあれ以上のが10体以上襲ってくるんだ、数は力だ」
「金稼ぎの手段が欲しかっただけだしな、俺」
クリスと顔を見合わせる。
身元不詳でも、容易に金を稼げる手段。ロムードの元に辿り着く道々で、旅の資金を稼ぎたいがためにギルドに登録した。
「仲間を募集するぞ、いいな?」
「僕はいいけどー、どうやって?」
無論、ギルドホールの職員に聞くのだ。
彼らも斡旋・仲介が主なので、必要最低限の取り決めしか教えてくれなかった。
もっとも教えたとして、表面的な部分はともかく、真面目に聞く佳大とクリスではない。
「その結果どうなるか考えるとゾッとするがな……わかったよ」
ありがとうございました。




