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ジャック先生の魔術講義―工程省略―

趣味で書き始めました。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 剣の鞘を、店に取りに行くまで残り4日。

エルフィに帰った後、佳大は昼まで、宿でのんびりと過ごしている。

起きたのは朝だが、ベッドの上が心地よく、彼は妄想に耽って時間を潰した。

同室のクリスは佳大の出不精っぷりに不服そうだが、依頼を受けに行ってもいいと言われると、意外そうな顔をした。


「いいの?勝手に受けちゃって」

「いいよ、別に。けど、出ていくなら俺に一言言ってからにしろよ」


 どうして、とクリスが尋ねる。

彼の戦力は分かっているが、独りだと予想外の危機に直面した際のフォローが利かない。


「うれしいなー♪心配してくれてありがとう!」

「お礼言われるほどの事じゃないよ、仲間だろ」

「仲間!仲間かー、仲間の忠告はちゃんと聞かないとね、いいよ、面白そうな依頼を見つけたら教えてあげる!」


 それだけ言って、クリスは部屋を出ていった。

独りにしておくと、どこかでゴロツキを3、4人くらい血祭りに上げそうだが、浩之の一件で街の住人には面が割れている。

彼が事件を起こしたら、誰かが御注進に来るだろうと、佳大はさほど心配しないで、瞼を閉じた。


 報酬の一部である鎧は、売却される流れに乗っている。

ジャックはこれを手に入れた当初、佳大に着るよう勧めた――変化した騎士剣が頭にあったのだ。

この鎧にも、同様の変化が起きるかもしれない。事実、ベヘモット村でもらった旅装束も、デザインの変化は無いが、より着心地良く、頑丈に変化している。


「嫌だよ、面倒臭い」


 鬼の力を得て、人外の頑健さを得た彼には無用の品だ。

鎧そのものは、地球で言うと後期の品に近く、機能的で動きやすいが、鎧自体に馴染みのない佳大に、その有難味は分からない。

重くはないので機動力が落ちることは無さそうだが、彼の体格にあっていない。


(持っていくのも面倒臭いんだけど、こういうのって転売すると怒られそうだしな。ネットオークションやったことないけど)


 一式は要らないが、篭手とか脛当ては使ってもいいかもしれない。

鈍りに鈍って素人に近いとはいえ、小学校に上がる前から通っていた拳法は、彼の身体に染みついている。防具を身に着けての組手も経験した。

打撃部位を金属で防護する、変身しないで戦う際は役に立ちそうではないか。


(ジャックがアイテム変化させられるみたいなこと言ってたな…、呼んでくるか)


 時間もちょうどいい。客室から廊下に出て、ジャックの部屋に呼びかけるが応答はない。

宿の主人に聞いてみると、外に出たようだ。行き先はティンジェル図書館らしい。


(無理だろ、21世紀じゃあるまいし)


 佳大が見た限り、この世界に印刷術が存在していない。

つまり、本は貴重品だ。図書館にしても、一般市民に開放されているようなものではなく、学者や貴族が利用するための施設のはずだ。

実際、エルフィ市に建設されている図書館は私的なコレクションを開放したもので、佳大とクリスが街にやってきた当初は閉め切られていた。


 エルフィ市の北西に、ティンジェル伯が所有する図書館が立っている。

表通りに面した、長方形の塔に挟まれた平屋根の柱廊の奥、重厚な扉は鎖で塞がれている。

宿屋を出た佳大は、険しい顔で立ち去っているジャックに出くわす。


「どうした、図書館か?やっぱ閉まってたか」

「あぁ、この街で一番蔵書が多いそうだが、閉まってたらどうしようもない。…ヨシヒロ、お前、開けるよう頼んでみてくれないか?」

「ハァ、伝手も無いのに会えるかよ?」

「神の尖兵なんだろう?案外、上手くいくかもしれない」


 佳大は露骨に顔を顰める。

彼の素性が知れた瞬間、敬うような、遠ざけるような視線を感じるようになった――勿論、気にする佳大ではない。

神の影響が色濃く存在し、その使いともなれば、特別扱いもされるだろう。だが、それを当てにするの癪に障る。

日本で、上司に質問に行く事すら苛々している彼だ。プライベートに干渉してきた相手の名前を借りる事など出来ない。


「嫌だね」

「無理じゃなくて、嫌か。使えるもんは使うべきだと思うがな」

「これから殺す相手の名前なんか使うか、そんなもん糞だ」

「…俺が悪かった。この話は忘れろ」


 ジャックは話を打ち切ると、佳大の前から立ち去ろうとする。彼は早歩きで追い縋り、2人は並んで歩き出す。


「忘れろってことは無いだろ?なんで図書館巡りを?」

「…魔術書を手に入れたいんだ」


 どうやら、クリスに言われた事を気にしているらしい。

ジャックが言う所によると、魔術書、あるいは魔導書などと言われる本に記された記述から、呪文を入手できるらしい。


「呪文、あの火炎の投擲ファイア・スローとか言う奴か?」

「それは、俺が条件付けしたものだ。実際はもう少し長い」

「?」


 魔術が戦闘に使われるようになり、条件付けという理論が生まれた。

実験や儀式より、状況の移り変わりが早い戦闘中、すばやく魔術を展開する方法が求められた。

つまり、工程を省く事である。"世界に語り掛ける"術である以上、ゼロにするのは無理だが、省ける部分は省いた方がいい。

魔術師――ゲーム的表現をするなら種族:マジシャン――である彼も、当たり前のように条件付けを使いこなす事が出来た。


「指をさす、鳴らす…まぁ、これは暴発の危険があるから、単語に呪文を籠めるんだ」

「なるほどなー…、札みたいのは無いのか?」

「札?」


 佳大がざっと説明する。


「護符のことか」


 適当な大きさの紙に、図形や呪文を書き込んで呪力を帯びさせる護符は珍しいものではない。


「たくさん用意しておけば、戦闘にも役立ちそうじゃないか?」

「そんな手間のかかる事しなくても、呪文を籠めた本や杖を使えばいいだろう」


 ジャックが知っている限りでは、本や杖、剣に呪文を籠める例があるらしい。

それを手にした状態で動作する、単語を唱えることで安全かつ迅速な運用が可能になる。

もっとも、術者個人の魔術使用可能な回数――つまりMPだ――に変化はない。乱発すれば、その分消耗が早くなる。


ありがとうございました。

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