ロムード女神が語る杉村佳大
趣味で書き始めました。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
エリシアの分体が、本体の元に帰還する。
神々が住む場所、死した魂が招かれ、また送り出される場所――イース。
分体が持ち帰った情報と共に、ダメージがフィードバック。感覚だけだが、戦女神を椅子から弾き飛ばすには十分だった。
三方を段差に囲まれた台座に、エリシアの椅子が一つ乗っている。前方には100人が踊れる空間があるが、屋外に積もった雪以外に光源の無い夜とあっては、寂寥が真っ先に呼び起こされる。
真っすぐ宮殿の外に向かうと、石造の都市が俯瞰で見渡せた。
墓場のように静まり返っており、兄妹以外、生きている物はいない。
エリシアはロムードの宮殿に向かうが、ここも無人。かつては精霊が数多く働いていたが、彼らは皆姿を消した。
彼女らには、尖兵が必要だった。
加護を受けた彼らが偉業を成した時、加護を与えた神は人々から畏敬を集める。
人間から見れば悠久の時を過ごす彼ら、衰えつつある彼らは、対症療法的に信仰を摂取する。
エリシアとて例外ではない。彼女が治める惑星プルタゲストが枯れつつある今、代替わりは急務。
マティアスを殺害した者が、次代の主神となるのだ。
玉座に興味が無かろうと、座して死を待つのでなければ、探さざるをえない。
(少し待ちましょう…)
会議室に入り、無人の円卓に就く。
微睡むような態度で、地上の様子に目を向ける。
東大陸の中央部に広がる巨大な平原をうろつく遊牧民族が、小競り合いをしていたが、彼女に祈りを捧げる者はいない。
ややあって、ロムードが姿を見せた。
驚きはない。目で見ずとも、お互いの存在を感じ取ることが出来る。
「お帰りなさい」
「あぁ、来てたんだ…」
「地球に赴いていたのですか?」
ロムードは彼――佳大について調べていたのだ。
「何か分かりましたか?彼は私が見た限りでは、傭兵に向いた性格の持ち主だと思いますが」
「そう…だね。殺伐としていて、他人の事情に関心が無い。他者に同情しない代わりに、自分も同情を求めない」
ロムードは彼女の隣の椅子に座る。
「佳大は人格形成期の凄まじい内面の葛藤、自己問答を乗り越えて、現在の自分を躊躇いなく肯定するに至った。その結果、未来に対して一切の興味を失くしたのだね」
「未来に興味を抱いていないとは?」
「どのような未来が訪れてもそこそこ幸せに過ごせる、だからこそあえて変化させる必要がない。何者だろうと怖くは無いし、どれほどの危機に直面しようと我を忘れない。自分にとって都合がいいか、快不快が全て」
「訂正しましょう。傭兵どころか、人間かどうかすら疑わしい」
環境や人生に妥協しているともいえる。
夢や理想、恋人や友人が無くとも、自分の命一つあれば、人間は生きていけるのだ。
無論、佳大にも欲はある。欲しいのだが、希求するほどの気力は湧かない。現実に見切りをつけているのだ。
異世界に身一つで放り込まれた結果、自分の価値判断以外に縛られなくなったのが今の佳大は手強い。
「思い描く未来を持たず、誰を敵にしようとかまわない、自分とそれ以外に大きな隔たりを作って生きている彼を説得するのは……難しいね」
「貴方にそこまで言わせますか」
ロムードは重い息を吐いた。
「他の子と違って、干渉を弾くしさ。ま、己ただ一つで閉じているのではないから、懐柔する方法はまだあるよ」
「お疲れさまでした。…ところで、判明したのは彼の内面についてだけでは?」
「そうなんだよ。あの力の源泉はね、観察していてもてんで分からなかった」
異世界で使徒を物色していた時、見つけた魂が佳大だった。
まるで重い気体が下方に溜まるように、怨念を溜め込んだその魂を一目見た瞬間、彼を引き込む事に決めたのだ。
ありがとうございました。




