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魔術師にも五分の魂

趣味で書き始めました。読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムは展開次第。


・デスゲームなし。


・俺tueee、チート能力。


・中二主人公。


・読みづらい。


・残酷な描写や暴力表現あり。


・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。


 ジャックは騒音が戻った事で、事態が収束した事を悟る。

彼も佳大とエリシアの戦闘を呆然と見守っていたが、クリスのように乱入する気にならなかったので、事が終わるまで息を潜めていたのだ。

廃墟に近い有様だったグラウンドが、崩れた柱廊が修繕されている。足を踏み入れた時同様の訓練場に背を向け、外に向かう。

一歩ごとに、膝をつきたくなるような圧が薄れていく。暗黒の戦場から、光に満ちた村落に戻っていくような、感覚を味わいつつ、2人を探しに行く。


「あ、ジャックいたー!見かけないと思ったら、ずっとここで隠れ建てたのかい?」

「はぁ……」


 クリスの軽薄な声の隣で、佳大は溜息を吐く。

人鬼の姿から、人間の格好に戻っている彼から、血の臭気が漂ってくる。

いや、指先から血そのものが垂れ落ちていた。


「怪我したのか?」

「そうだよ――あぁ、君には見えなかったんだね。ところで、どうして出てこなかったの?」

「なんだ?」

「君は魔物だろう?命乞いして迄僕らと組もうって言ったんだから、役に立つところを見せてくれなくちゃ。今回、君がやったのは火の玉を兵隊共に見舞っただけじゃないか」


 成程、とジャックはクリスの言いたい事を理解する。

自分は2人ほど打たれ強くないし、魔術師とは後方支援職であり、矢面に立つようなものではない。

小さな音が耳に忍び込む。見ると、クリスが笑っていた――毒気を放つ瞳。嘲笑だ。


「そうかそうか、ごめんね。無茶な注文して」

「…もっとはっきり言ってくれないか?俺は頭が悪い」

「心にも言わなくていいよ、ふふふ。僕らを金蔓扱いしたいならそうすればいい。けどね…」


 これまでジャックは、クリスをあえて見ないようにしていた。

この少女にすら見える小柄な少年は、気が触れている。心のタガが、最初から存在しない。

だから多少の放埓さは無視していたが、面と向かって罵倒される謂れは無い。


「僕は、君なんか」


 少年は話しながら、徐々に距離を詰めていた。彼は残った間合いを、一跳躍で零にする。


「要らないんだよ!」


 ジャックの右足に踏みつける。

思わず手を伸ばすと、逆に掴まれ、地面に投げ倒された。

クリスは佳大の隣まで飛びずさると、両掌を上向きにしたまま、肩を竦めた。


「ま、そういう事情なら、これからはジャックに期待しないよ――」

「おい」

「…なに?」


 佳大に口を挟まれたクリスは、忌々しそうに睨め上げる。

こんな役立たずを抱えていなくたっていいじゃないか、もう捨てていこう。

そう目線で訴えるが、佳大は興味なさそうに呟く。


「喧嘩なら俺のいないところでやってくれ。結構色々あったし、今日はもう街に帰るぞ」

「…いいの?」

「うん?あぁ、まぁ、面白そうだから口車に乗っただけだしな。俺もクリスも世間の事よく知らんから、その辺で役に立ってくれると助かる」


 ジャックは身体を起こし、土埃を払う。


「軽く見られたもんだな」

「生きてりゃ、よくある。こんな程度でいちいち怒っていられないだろ」

「ヨシヒロは関係なさそうだよね。風の吹くままって感じだ」


 3人は誰ともなく歩き出す。

女神につけられた傷が痛むが、心地良い疲労感が佳大を包んでいる。しかし、それだけで腹は膨れない。さっさと報酬をもらって帰ろう。


「理想とするところではあるけど、お前と会うまでは馬鹿にされっぱなしだったよ」

「嘘だぁ!馬鹿にした奴らは皆殺しする性格でしょ、ヨシヒロって」

「キリがないわ、そんな真似。俺にだって最低限度の社会性はある。つっかかってくる奴らいちいち殺してたら俺、ここにいないよ」


ありがとうございました。

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