瓜生七穂から見た杉村佳大
趣味で書き始めました。読む前に、以下の注意に目を通してください。
【注意事項】
・ハーレムは展開次第。
・デスゲームなし。
・俺tueee、チート能力。
・中二主人公。
・読みづらい。
・残酷な描写や暴力表現あり。
・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名、団体名とは一切関係ありません。
カナメは腰かけていた不可視の椅子から、身を躍らせた。直後に姿が消える。2カウントほどで、彼は戻ってきた。
「佳大のイメージを送るから、確認して」
視界が翳り、記憶にある佳大の姿が眼球に大写しになる。
高校生にしては老けた顔をしていたからか、交流のあった頃と容姿は変化していなかった。
「えぇ、私の知る人物です。彼は何を?」
「何を、ってゆーか。加護を受け取らないで降り立ったんだよ。対話の呪印は刻まれたんだけどな」
「は?…あの、どこに送り込まれたのですか?」
「獣人領」
七穂は唖然となった。
獣人は一部の放逐された者を除くと、まず外には出てこない。
意思疎通がとれるだけで、このような未開の土地で生きていけるものか。ましてや人間が入り込んだとあっては…。
「それで死霊に憑依されて、危うく殺されるところだったんだけど、そいつらを逆に取り込んで、魔力を得たらしい」
「??」
七穂は首を捻る。
「魔力?」
「魔力。巨人どものそれとは違うが、こっちの世界に基盤を置いていない力だそうだ。オーガに変身したり、雷を操ったり、死んだ人間を蘇らせたりできるんだって」
深刻に捉えていないらしいカナメは、そっちの番だと七穂を促す。
七穂は記憶を手繰り、佳大の情報を伝える。
カナメが語った人物は、自分が覚えている彼とはあまりに違う。しかし、変わった所のある男性だった。
彼女は高校時代、オタクグループに属しており、当時放送していたアニメについて話していた―――そこに割り込んできたのだ。
吃驚しつつも、刺激してもまずいので、話に混ぜた。邂逅は穏やかに終了したが、彼女らのLINEグループ内で、佳大についての憶測や陰口が飛び交った。
それを切っ掛けに、徐々に付き合いが始まった。
佳大はインドア男子のグループに居場所を見出したらしい。
当初は下心があったのかとも噂されたが、それは勘違いだった。何度か話す内、自分の好きなものを語りたかっただけなのだと理解されたのだ。
そう思って観察すると、典型的なオタク男子だった。好きなものにはとことん熱中し、嫌いなものには触ろうとしない。
決して社交的ではないが、全く物怖じしない男性。
「随分奇抜な奴だな。下手すると吊るし上げられない?」
「私の学年は平和だったのと、男子の中では身長の高い方に入っていたので、ターゲットにはならなかったんでしょう」
「へぇ、能力はどうなんだ」
「頭の良さや、体力についてですか?」
極端な文系だった。
成績について語り合った事があるが、彼は興味のある科目とそうでない科目で差が激しい。
歴史や現代文、古典などは90点代を超えているのに、数学や化学などは赤点をどうにか回避するレベル。
補習を受けたことは無いはずだ。
「彼は招かれてから何を?」
「獣人と魔物を連れて、冒険者をやっているらしい」
「ま、魔物!?」
佳大が仲間を作った事にも驚きだが、魔物とパーティを組んでいるとは。
「それで、彼に会いに行けと?」
「まさか。ただ、最近こっちで話題だから教えておこうと思ってさ」
カナメが去ると、意識が暗転。
夜明け前に一度、目が覚める。魔術が存在するとはいえ、こちらの世界は技術的に貧弱だ。
照明の魔術がありながら、日没とともに活動を終えるのは、恒常的に展開させる手段がないからか。
(次に声を掛けてきた時、居場所を聞いてみよう)
佳大に会ってみたい。
異世界に招かれた事で辿った変化を思うと恐ろしいが、縁の無い――2年の間に交友は出来たが――土地で同じ転移者の知人は心強い。
それに…、加護を得る事無く力を得た彼がどんな行動を起こすのか、少し興味がある。彼はカナメらにとって、予想外の異分子なのだろう。
ひょっとすると、帰還の望みも得られるかもしれない。
ありがとうございました。




