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神卵 ― 神様転生のはじまり ―    作者: 万代 やお
第1律 星の空を駆け上って
13/55

  挿話 騙されユミルさん

 はじめに、神はユミルをしこたま殴った。

 蛸殴りにされ、ボロ負けしたユミルは渋々、天地創造を強制的に行うことになった。


 しかし、与えられた天地創造の設計図は問題点続出に矛盾だらけ。ユミルはそれはもう、死に物狂いで、欠落箇所を補い、天地創造をすすめる。


 世界、空間、光、原子、あらゆるもの存在定義、太陽や星々……


 必死に創造を行ったが、五日目の時点で計画より半日遅れ。ユミル自身も躰を酷使し続け、瀕死寸前。どう方策しても七日目までに創造は終わりそうにない。

 だが、そのとき女神アウズが現れ、ユミルに二人で生命(マイト)の種を創造することを勧めた。確かに、それに従えば七日目までに間に合う。


 もちろん、ユミルは――


「この若い身空で所帯持ちになるなんて嫌だあ!」


 と、天地創造などほっぽりだし、アウズから逃げだした。


「おっと! 逃がさないぜ!」と簡単に捕獲されるユミル。


 かくて、ユミルはアウズに、


「初めてだから……優しくしてね……」と……


    (中略)


「ダーリン……愛してる……」


    (検閲)


 ……体力限界の所へアウズとの愛の重労働。

 ユミルは何度か消滅しかかったが、なんとか神の似姿を模し、神の精神末端を受け継ぐ生命(マイト)の種を創造した。すると神が現れ、ユミルとアウズを祝福した。


「ユミルよ、六八五三一番目の娘を頼むぞ」

 

 第六の日目である。


「まさか……最初から……はめやがったなっ!」


 こうして、ユミルははめられた。第七の日に、傷心しながらもユミルは天地創造の最後の仕上げをし、仕事を離れ安息しようとしたが……


    シュランが知った本当の天地創造より


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