スカーレット《改》
笑うこと
できないほどのどしゃ降りに
濡れて歩いた諦めの夜
ケラケラと
大笑いしてスキップし
街で踊るあの子をみていた
ぼんやりと
走るその子を目で追った
そんな元気に憧れながら
野獣とも
想える真っ赤なスカーレット
消え去る果てまで懸命にみた
なにの罪
この身にまとい生きている
肉を削ぎたい彼女のように
もう消えた
スカーレットのギラギラの
いさぎよい目をまだ忘れない
そして今
骨のしがらみさえ棄てて
心を削いで尖らせたい冬
汚れても
困ることなど無いという
彼女が告げたか真っ赤な真実




