第99話 幼馴染パーティー、そして地味ハーレム。
冒険者としてのパーティー名も『SET隊』に決まり、
あとは今後の全体的な方向性だ、そう、これからの俺たちの。
「ええっとまずは、初心者ダンジョンから攻略します」
「あるの?!」「うん、ルシアちゃんの村の近くに、七歳でもまあ行けるらしい」
「遠足で行きました!」「アトリちゃん、平気だった?」「先生が護ってくれました!」
まあブルラズさんも、
ダンジョンとはどういうものかの勉強用とか言ってたな、
美味しくは無いがその分、怪我の心配もあんまり無いらしい。
「グランくんが居るから、大丈夫よね?」
「じっせん、がんばります」「回復はお任せを!」
「あっでもサキュバス用ダンジョンだから、人間は大丈夫かな」
飛ぶエリアとかあるのかな?
パーティーテレポートがあるから、
そこはなんとかなりそうな気がする。
「初心者ダンジョンが慣れたら、次はサキュバス村の通常ダンジョン、
そして我がアルトリアスのダンジョンへ!」「えっ、あるの?!」「最近見つかった」
「あるいて、いけますか」「テレポートかな」「あそこですね!」「この姿で行ける?」「多分」
まあ、サキュバス姿を見られた所で、
ティムした従魔って誤魔化せられるかな、
一応は事前に冒険者ギルドで聞いて、誰かとカブらないようにしよう。
「グランくん、私達、強くなっちゃって良いの?」
「強くするよ! そのうえで、それを隠して欲しいんだ」
「よわいふり、ですか」「極端に言うとそうだね」「素敵です!」「いや、そこまでは」
このルシアちゃんの俺肯定主義も、
これから調整していかないとな、まあ、
ひとりくらいは何でも褒めてくれる子は居ても良いが。
(だからといって足の裏まで褒められては、困る)
そしてアトリちゃん。
「私はあくまでもポーターでいいのね?」
「うん、アルトリアスのダンジョンで儲かったら、
冒険者学校に入る前にアトリちゃん用のポーターバッグかリュックを買おう」
背負うのと持つの、
両方でもいいかな、
更にポーション限定とはいえアイテムボックスもあるという。
「あっ、アトリちゃん、ちなみに今日のログインボーナスは」
「出してみますね、えいっ……『魔力上限増幅ポーション』だそうです」
「そんなのあるんだ!」「飲んで良いですか?」「一度、ブルラズさんに渡そう」「はいグランご主人さま」
さあ、話をまとめよう。
「では我らがSET隊、活動拠点はとりあえずここ、
リーダー剣士の僕グラン、サブリーダーは仮で魔法使いイレタちゃん」「いいわ」
「そして僕と一緒に前衛は槍のカロリちゃん」「パートナー、です」「うん、よろしくね」「はいっ」
背がどれだけ伸びるかな、
追い抜かれたりして、だと地味以前に恥ずかしい、
かといって、それで余白記入を使うのはなあ……話を戻そう。
「僧侶という表向きで実際は賢者、正体は聖女のルシアちゃん」
「それで構いません!」「隠匿に関しては、おいおいね」「お任せします!」
「そしてメイドでポーター、ついでにサキュバスのアトリちゃん」「こっちでメイドの時は、人間の姿になります!」
これで名目上は前衛2、魔法使い、僧侶、ポーター、
地味な冒険者パーティーとして行くにはまあ良いかな、
あえて言うなら五人で一人がポーターなのは、ちょっと贅沢かも。
(でも、その実体、正体は……)
全魔法使い、槍のスペシャリスト、全初期魔法使い、
回復魔法のスペシャリスト、全魔物魔法使い……チートにも程がある、
これって逆にこれ以上、メンバー増やさない方が……あれ? 前衛もうひとり来るんだっけ? 確定じゃないか。
(アナベガさんの孫娘さんね)
まあ、来たら考えよう。
「それじゃあみんな、冒険者学校へ行くまで、早ければ十二歳からだから五年かな、
それぞれ力をつけるうえに弱く見せる訓練、そしてチームワークを重ねて行こう」
「「「「はいっっっっ」」」」「くれぐれもバレばいように、あと……僕の細かい詮索は禁止で!」
これ、意外と重要だ。
「グランくん」「はいイレタちゃん」
「私のこと、私たちのこと、大切にしてね」「もちろん!」
「なかよく、してください」「カロリちゃん、当然!」「ずっと一緒ですわ」「そうだねルシアちゃん」
そしてメイド眼鏡姿で一礼するアトリちゃん。
「末永く、よろしくお願いします」「こちらこそ!」
って良く見たら、
俺のハーレム全員、地味眼鏡だ、
うん、これほど嬉しい事はないね!
「では五年後の冒険者学校入学に向けて、頑張ろう!!」
こうして俺の地味ハーレムの第一歩は、
地味な幼馴染作りから始まったのであった、
そして話は五年後へ……とその前に、半年後のある日を、ちょっとだけ。
(いやね、一日でとんでもないことが三件も起きた日があるのですよ)
その様子は、次回のお話で。
次が第一章ラストとなります。




