第97話 我が街に、俺たちの拠点が出来た。
「おお、広い広い!」
「一応、商業ギルドにお願いして修繕して貰いました」
「ありがとうレイムさん、これならいつでもゆっくりしていけそうだよ!」
というここは我が街アルトリアスの、
町はずれにある廃墟なりかけだった一軒家である、
ウチが市長の豪邸ならこっちは村長の立派なお家って感じ。
「借りずに一括で買ったので、もうグラン様のものですよ」
「これだけ広ければ、平屋建てでも十分です」「一応、地下倉庫も」
「結構な値段だったのでは」「お預かりした金塊と上位ポーション、高級水魔石を全て売ってなんとか」
家具やベッドはまだ無いけど、
正しくは朽ちて使い物にならないのが残ってたから処分して貰った、
そして今は安く買ってきて貰った絨毯が居間に敷いてある、現状はこれで十分だ。
(あと、廃山小屋に忘れてきた食器も買い直したよ!)
後日、姿を消して見に行ったら無くなってた、
おそらくあの連中が回収したのだろう、何かの手がかりにと……
そう、あそこがもう使えないので、新たな内緒話の拠点購入をレイムさんにお願いしていたのです!
「まだカーテン無いけど、雨戸閉めればまあ良いか」
「蛍光魔石は玄関と居間、あとトイレに」「台所にも欲しいね」
そうレイムさんと話してたら、
家の中を探検していたイレタちゃんカロリちゃんが来た。
「こんな家があったの、知らなかった!」
「りっぱです、ここに、すむのですか」「ううん、あくまで拠点」
「しかしグラン様、子爵邸を出た後の、アルトリアスでの住居に」「それはそうだね」
街から外れているから、
こっちから行かない限りは気付かれないだろうし。
「ただ、名義は私になっております」
「あっそうか、僕はまだ子供だものね」
「成人になられたら名義変更を」「了解です」
これに関しては、
教えるのは父上やジェラル兄さんにバレてからでいいかな、
今はまずいけどのちのち、自分で買ったっていうのであれば文句も無いだろう。
「それでグラン様、日頃の手入れなどは」
「私やる、だって私のお家でもあるみたいだから」
「イレタちゃんだけじゃなく僕もやるよ、あと……」「わたし、ですか」「出来ればね」
考えてたのはカロリちゃんじゃなく、
サキュバスメイドにもなりそうなアトリちゃんなんだけれども。
「家は人が住まないと痛み易いと言います」
「うんレイムさん、ちょくちょく弄りにくるよ」
「では鍵です、合鍵の方は」「イレタちゃん持っていて」「わかった!」
これでもう邪魔されないはず、
逆にここに居て襲われたら立派な反撃理由になるし、
そうなりゃ捕まえてギルドに突き出せば良い、その前に父上か。
(まさか父上がグルってことは無いよな?)
あのリーゼント、
実は敵でしたってなったらさすがに少し傷つく。
「では私はこれで」
「うん、テレポートで送っていくよ」
「ちなみに魔法は、どのくらいお使いになられるのですか?」「うーん、よくわかんないが蘇生魔法はさすがに無理かな」
という予防戦。
「タウンテレポートやホームテレポートでも十分、レアですよ」
「でも大きい街だと、教会とかにテレポート屋が居るんでしょう?」
「グラン様、いっそのことそれで生計を立てれば」「えーやだ冒険者がいい」
なんて会話ののち、
屋敷に戻してあげました。
(で、リターンテレポートっと)
まだこの新しい拠点は、
僕の部屋ってことではないので、
ホームテレポートでは来られないんだよな、多分、家を正式に出されないと。
(冒険者学校へ通うようになったら、どうなるんだろう)
まあいいや、
みんなを集めて地味ハーレム会議をしなくちゃね。
「ねえグランくん」「はいはい」
「寝室のベッドは二人用? 三人用? 四人用? 五人用?」
「いや五人用ベッドって!」「みんなで一緒に寝られるよ??」
うん、ハーレムだからね!
「グランお兄ちゃん」「どうしたの」
「おふろが、ふかいです」「あー、カロリちゃんが成長すれば」
「じしんは、ないです」「じゃあ、中に踏み台みたいなの沈めるかあ」
いやいやもう新婚新居相談ですかそうですか、
だったらだったでサキュバス村の二人にもチェックして貰わないとね!
そして、本格的にこれからのことを話し合わないと、そう、とっても重要な……
(俺たちの、パーティー名だ)
あらかじめみんなに言っておいて、
何日かかけて考えて貰っておくのも良いかな、
って七歳のネーミングセンスは、あてになるのかどうか。
「グランくん、裏の庭、草刈りしてもいい?」
「良いけどイレタちゃん、結構な重労働では」
「ファイアの魔法で焼こうかなって」「せめてウィンドにして!!」
せっかくの拠点が燃え上がっちゃうよ、まったくもう。
(前世でも野焼きは禁止されております)
いやこっちの法律はどうなんだか、とにかくやめとこ。




