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VIVA! 地味ハーレム ~派手な芸能一家の末っ子だった俺が、異世界転生したのでひたすら地味に生きて行こう~  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 地味ハーレムの道は地味な幼馴染作りから!

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第96話 とりあえずびびらせて、諦めさせよう。

「ふふ、実は私……サキュバスなの」


 変身を解いて姿を現したお子様サキュバス、

 宙に浮いたその姿に、腰を抜かしたロベル兄さん、

 そう、僕グランの記憶によれば、この兄上は魔物が怖くて仕方がないのです!!


「うわ、うあああああ!!!」

「どうせレアスキルの私が居れば、魔物から護ってくれると思ったんでしょう?

 ざんねーん、私がその魔物でしたー! ふふっ、食べちゃおうかなー」「たべないでくださーい!!」


 おっ、さすが兄弟、同じ台詞を!

 いや俺のは前世で見た深夜アニメの……

 ということはやはりこの兄上も、異世界人?!


(いやいや、偶然だろう)


 もし、もしもだ、兄上が異世界人だとしてどうする、

 俺がしたい話題とか特にない、あえて話すなら『ペコ●ーヌでは抜けない』とかか、

 同じ世界に異世界人が他に居るって、俺にとっては自分を脅かす存在でしかない、それは嫌だ、


(あっ、兄上がお漏らしした!)


 十歳でそれは不味いだろう、

 年齢二桁で許されるのは八十歳からだぞ。


「私が食べるとぉ、最初から居なかったことになるのです!」

「あわわ、そ、それはどういう」「最初からこの家は、二男二女の四人きょうだいの子供に!」

「け、消されるのかっ、ボクがっ」「でもぉ、私との結婚をあきらめるならぁ、許してあげるわ」


 近くの花瓶が浮いて兄上に迫る!

 いや俺が持って動かしているんだけどね、

 壁際まで追い詰められた兄上、おもらしの跡が広がるっての。


「わ、わかった、あ、あああ、あきらめるるるるううう」

「じゃあ今夜の事は忘れてね、誰かに言ったら今度こそ……」

「たーべないでくーーださーーーい!!」「ふふ、じゃあ許してあげる、今回だけねっ!」


 そう言うとカロリちゃんに化け直す、

 そして瞬間移動で姿を消す、って俺のホームテレポートなんだけどね、

 自室ではイレタちゃんと本物のカロリちゃんが待っていた、まだちょっと不安そうかな。


(透明化を解除して、っと)


 偽カロリちゃんは偽カロリちゃんのままだ。


「あの、どうでした、か」

「大丈夫だよ、カロリちゃんは貰わないって」

「ほんとう、ですか」「うん、これで駄目ならもっと脅かすかな」


 後で騒がれるとやっかいだが、

 あの大の魔物恐怖症なロベル兄さんならまあ大丈夫だろう。

 イレタちゃんは偽のカロリちゃんに声をかける。


「ありがとう、アトリちゃん!」

「はい、お力になれて、嬉しいですっ」


 くるりと回ってまたサキュバス姿に、

 そうです、実はアトリちゃんが変身していたのです!


「いやほんと、そっくりっていうか声まで一緒なんだね、チェンジミラージュの魔法」

「はい、本来は最高レベルの淫魔やミミックが使う魔法だって先生が」「淫魔の先生ね」「です」

「この間、憶えた時もびっくりしたけど、性別までは変えられないんだよね」「残念ながらグランご主人様にはなれません」


 そう、なので全魔法を使える俺も、

 もちろん憶えていて変身は出来るのだが、

 俺がカロリちゃんになろうとすると『カロリちゃんっぽい男の子』になってしまう。


(ちなみに『メタモルフォーゼ』も性別までは変えられないそうな)


 ついでに言っておくとメタモルフォーゼは『思い描いた姿』に変身するので、

 その魔法でカロリちゃんになろうとすると記憶の中の姿になってしまうため、

 実際にコピーするチェンジミラーの魔法より精度は数段落ちたりする、思い出すより移す(写す)方が楽だ。


「あの、グランお兄ちゃん」「はいはいカロリちゃん」

「とくぎ、スキル、かくしたほうが、いいですか」「隠匿? 今更かな」

「もうおそい、ですか」「スキルが消えるって聞いた事ないからね、隠匿魔法いや隠匿スキルが生えたって疑われる」


 もうこれで通すしかないな、

 目立たない地味ハーレムを目指してたけど、

 まあこれくらいの特技はギリ、許容範囲内だ。


(ようは生き方が地味なら良いのですよ)


 騎士団とか貴族への嫁入りとかは、

 もうこのフィッツジェラルド子爵家を出てさえしまえば、

 断り続ければ良いのだから……ただ、教訓としてこれ以上目立つスキルは、やめよう。


「イレタちゃん」「なあに?」

「初期魔法にもレアなのがあるんだ」「みたいだね」

「だから『隠したい魔法は隠せる』ってスキルをつけようと思うんだ」「今はいいかなー」


 拒否された!!


「な、なんで」「そういうのは、まだ憶えないから」

「あっそうか、憶えなければいいんだ」「今はこの程度でいいかなー」


 光魔法のライトをつける。


「まあ、イレタちゃんが明確にそうやって意思を持っているなら、従うよ」

「それでアトリちゃんも泊まっていくのー?」「わあい、うれしい」「いや帰すよ、カロリちゃん喜んじゃって悪いけど」


 ミラさんに見られると不味いからね、

 あんまり頻繁にルシアちゃんアトリちゃんがこの部屋へ来るなら、

 誤魔化しも入れつつ、ある程度はばらしてしまうのも、致し方なしか。


「グランご主人様と、一緒に眠りたかった」

「そういやアトリちゃんとはまだだったっけ」

「えっグランくん、じゃあルシアちゃんとは」「そんな、そんな」「添い寝だけだって!」


 なんだか逆NTRみたいになっているぞ、七歳集団なのに。


「じゃ、アトリちゃん行くよ」

「はい、イレタさんもカロリさんも、また」

「またね、ルシアちゃんによろしく」「きょうは、ありがとう」


 こうしてサキュバス村まで送ってあげました、

 ふう、とりあえずは解決かな、多分、きっと、おそらく。


(これで大人しくなってくれると良いんだけどなぁ)


 翌日、カロリちゃんに対して、

 異常なまでに怯えるロベル兄さんであった。

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