第90話 カロリちゃん七歳、鑑定でそりゃあもう大騒ぎさ。
あれから数日、ついにやってきたカロリちゃんの誕生日、
えっあの騎士団風の男について? 父上に相談したらなんか来なくなったよ、
とりあえず上の大領主経由で正式に、あと裏ルートで元騎士団員経由で、ってもういいか。
(とにかく、俺の地味ハーレム候補が、みんな七歳になった!)
一度、みんな並べてみたいけど今はいいや、
地味な赤毛を揺らして学校内の教会で鑑定をして貰う、
いやほんとシスター、某眼鏡女優さんにそっくりだ、そう、前世で有名だった、柴●理●さんに。
「学校付き教会のシスター、エレヌ=ジャルディーノと申します」
「カロリ、ななさいになりました、ですっ!」「では早速、カロリちゃんの能力鑑定を」
リシャール校長や、
事実上の保護者であるアナベガ先生に見守られながら、
ってアナベガ先生はこの学校の先生じゃないよ、冒険者としての俺の個人教師、子爵邸での。
(さあ、水晶がセッティングされて、ステータスをオープンされているな?)
俺の隣ではイレタちゃんも真剣に見ている、
思わず栗毛の髪を撫でたくなるな、やらないけど!
一方では赤毛の髪をめくられ、おでこを水晶につけられたカロリちゃん、そして……!!
「こ、こっ、これはああああ!!」
「シスター、どうしましたか?!」
「校長、これは、レアスキルが確認できましたわ!」
うん、知ってた。
「まず、加護女神は」
「校長先生、ギヌス様です、槍の女神です、そして」
「スキルは」「無条件で騎士団員に入隊できる、『連続加重攻撃【槍】』ですっ!!」
ええっ、そんなに凄いの?!
アナベガさんは諸手を挙げて喜んでいる、
校長先生もウンウンと頷いて、いやこれ良いのあげすぎたか?!
「グランくん、当たりみたい」
「うんイレタちゃん、喜んで良いのかな」
「みんなよろこんでるよ」「あっ、カロリちゃん」
俺の方へ突っ込んできた!
「グランお兄ちゃん、ほめられるみたい、です」
「そ、そうだね」「お兄ちゃんの、おかげ、です」
「いや、僕は何もしていないから、うん、本当に、なにも」
ということにしないと、
色々と不味いんだよぉう、
わかってよカロリちゃん、といった気持で抱きしめる。
「これで、グランお兄ちゃんを、まもれます」
「おやおや、早くも子爵家の衛兵に立候補かい?」
「ちがいます、グランお兄ちゃんのための、です」「そういやそうだったさね」
ええっと、今のカロリちゃんとアナベガさんの会話はですね、
俺こと僕グランは多くとも、いや長くともか、遅くとも十五歳で成人した頃には、
子爵家をほぼ強制的に独立しなければいけないのです、ええ、三男ですから、立場的に。
(どうしても泣いて残りたいと言えば衛兵くらいにはなれるけど、その時は一度、絶縁しないといけないとか)
いや、そこまでの思い入れは無いわ、
というかまだ七歳だから思い入れは本来なら、
これから作られるはず、で、話を戻すとですねえ。
(つまり、俺の衛兵ということはすなわち、俺だけのパートナーです!)
元々そのために連れて来られたからね、
レアスキルが見つかったからと言って、
俺の所へドナドナされて来たのが今更、行先変更! とか困る。
(いや、『地味ハーレム』ってNTRの匂いが、気配がプンプンするけれども!)
少なくとも俺は絶対阻止するぞっと、
俺にはそんな『悔しいっ でも感じちゃうっ(ビクンビクン)』みたいな性癖は無い!
……はず。
「ええっとカロリちゃん」「はい、グランお兄ちゃん」
「スカウトが来ても、行っちゃ駄目だよ」「わかって、います」
「あと、良いスキルがあっても弱いと意味ないから」「たんれん、します」
うん、これは俺が置いてかれないようにしないとな、
あくまでも俺との、コンビネーションプレイのためのカロリちゃんなのだから。
「オホン、では正式な入学手続きを」「はいっ」
連れられていくカロリちゃんについて行くアナベガ先生、
そのとき、ぽつりと俺につぶやいた。
「これは、あたいの娘も連れてくるかねえ」
ひょっとして、
いやまさか……
新たなハーレムの追加?!
(地味ハーレムが、五人になったらどうしよう)
ハーレムは四人までだって
キ●タイムコミニ●ーションの編集に怒られちゃう!!
異世界に来てまでそんなことを気にする俺であった、別にエロ小説家でもないのに。
「グランくん」「あっイレタちゃん、教室へ戻ろうか」
「私も、この先どんなスキルが付いても、離れないから」
「う、うん、ありがとう」「だから、グランくん、離れないでね」「もちろん」
そうか、俺が寝取られるパターンもあるのか!
いやいや、俺は地味ハーレムを捨てない、絶対に捨てないぞー!!
(何せ、自分で地味な幼馴染を仕込んでいるからね)
よし、次の休みに、
四人まとめて大集合で会わせよう!
場所は……あそこにするかな、そう、秘密の……!!




